ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

書きたい放題

2004-10-10 18:44:19 | 脳みその日常
ネットというのは、ある意味では活字文化に属する。
ここで言及するのは、企業などのHPのことじゃなくて、個人のHPのこと。
個人のHPのメリットは、このブログも含め、書きたい放題書けるという点にある。
その意味でいえば、書き手は諸手を挙げて喜ぶことが出来る。
よっぽどのことでない限り、現在の制度ではクレームがつかないからね。

これが雑誌なんかになると、そうはいかない。
広告料を出しているスポンサーの力が強ければ、文の内容に圧力もかかるわけだし。
それと、個人のHPなどと決定的に異なるのは、プロの編集者がそこに存在することだ。
編集の仕事といえば、原稿の内容チェックというのがある。
執筆者がいい加減なものを書いて、それを見過ごすわけにはいかないからだ。
最悪の場合、その雑誌そのものが廃刊に追い込まれることだってある。
だから、内容チェックは重要な仕事なのだ。

編集者の能力が問われるもうひとつの点は、校正能力があるかないかということ。
もちろん組織が大きければ、校正専門のスタッフというのもいる。
しかし、編集者の必須能力として、校正ぐらいできなければ話にならない。
それに加えて、彼らには教養も求められる。
つまり、有能な編集者であればあるほど、表現や内容に対して厳しい鑑定家でもあるというわけだ。

ところが、個人のHPなんてのは、編集者の目を通すことすらない。
そりゃそーだわな。
あくまでプライベートなHPなんだもんね。
だけど、あちこちのHPを見ていると、あまりにヒドい内容のHPに出くわすことがある。
内容はともかくとして、問題なのは「誤字脱字」の類いの多いこと、多いこと。

●よくあるパターン例
「意外にも」(正) →「以外にも」(誤)
これはよく見るねえ。
だいたい、こんな間違いをするのは言葉の意味がわかってない証拠。
「意外にも」というのは、「思いのほか」とか「それは気づかんかったな」ということ。
なのに、「そうじゃない」を意味する「以外」をフィーチャーするとは、どういうワケよ。
明らかに、アホ丸だしである。

●混乱したパターン例
「喧々囂々(けんけんごうごう)」(正) →「喧々諤々(けんけんがくがく)」(誤)
これは、明らかに2つの熟語がミックスしてしまった例。
つまり「喧々囂々」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」がゴッチャになったことにほかならない。
まあ、なんとなく両者は似てるから間違うのもわかるけどさー。
でも、バツ。

類例としては、こんなのもある。
「汚名返上(おめいへんじょう)」(正) →「汚名挽回」(誤)
こらこら、これはマズいっしょ。
たぶん書き手のアタマの中は、「汚名返上」と「名誉挽回」が錯綜しているんだな。
でもさ、上のような間違った表記をすると逆の意味になっちまうのにね。
「挽回」ってさ、「取り戻す」意味でしょ?
汚された名誉を取り戻す?
おいおい、そんな名誉はいらんよな?(笑)
汚された名誉だからこそ、そんなんはいりませんって、返上するんだろ?

気軽に書けるからといって、決して油断してはならない。
意味も考えずに書いたら、恥ずかしい思いをするのは本人だからだ。
HPってのはさ、面識のない人も見るわけでしょ?
ならば、よけいに神経を使って書く必要がある。
だって、誤字脱字を見つけた瞬間、それを見た人は、こう思うからね。
「バッカじゃねーの、コイツ」って。

以上、自戒の意味を込めて書いてみた。
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