バリ島で駆け足(5)

2011-08-25 00:00:18 | たび
食べ物について言えば、何食も同じ味を食べ続けるのは、日本人の私にはツライ。どこの国に行っても1週間が限界だ。だいたい会社に勤めていて、数百円の昼食の選択だって、毎日11時半ごろから、あれこれ悩み始める。

で、インドネシアの食事の基本は、米である。何しろ、1年に3回も収穫がある。うらやましい限りである。というか、3回も米を作らないと、農家がやっていけないと考えれば、つらい限りということさえ言える。日本農業だって、農家が二回米と麦を作れば、食料自給問題なんて雲散霧消する、というか遊休地で耕作を始めれば、いいだけだが、穀物価格が下落するのでやらないだけだ。

nasigoren


それで、朝からナシゴレンにする。簡単に言うとチャーハンの上に目玉焼きが乗っている。なぜ、上乗せにするのか。横に置いてもいいじゃないかと思うが、日本の丼物だって、外国人から見れば、同種の疑問があるのだろう。きょうの最後に説明するが、インドネシアの米の堅さとほんのわずかな粘りが、この形を決める。粘っこいと食べにくいし、タイ米みたいにバサバサだと、目玉焼きの重さで壊滅する。

migoren


次の日の朝には、さすがにミーゴレンにする。ミーはヌードル。米粉のそばであるが、ビーフンよりも焼きそばに近い。目玉焼きが乗るのはナシゴレンと同様。そして、島内どこでもフルーツと言えばマンゴーとスイカとパイナップル。日本と比べると、個体ごとの「当たり外れ」が大きい。

ebi


それから、クタ海岸で沈む夕陽を鑑賞しながら食べるのが海鮮バーベキュー。ただし、焼いたものを運んでくる。自分で鉄板焼きをすることはない。というのも、砂浜にテーブルを並べただけの「海の家方式」が多い。

まず、海老。背開きにしているタレはニンニク醤油といった味だが、かなりの甘口醤油を使っているようだ。

ika


次にイカ。肉厚でなかなかいい。刺身には向かないだろう。付け合わせに生野菜がつくが、外の食堂の生野菜は食わない方がいい。何しろ水が危ない。「バリ腹」っていうそうだ。歯を磨くのもミネラルウォーターを使うのだが、これが結構難しい。コンタクトを入れる前に生水で手を洗っていたら、目に相当沁みたので、かなりの量の物質が含まれている感じだ。

sakana


そして、一見豪華が白身魚。鯛の仲間のように思える。食べると鯛の味だが、身離れが悪いので、残骸の山となる。クーシンサイのニンニク醤油炒めは、結構うまい。二枚貝も焼いてみたが、ハマグリだと思う。

mix


地元の舞踊を見ながら、バリ島の料理を1ディッシュにまとめたものも食べてみた。サティ(ヤキトリ)や春巻きなど。ご飯に小魚の佃煮風がトッピングされているが、この店の隣のフィッシュスパをすぐに思い出す。

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で、欧米系外国人の多い地区へ行って、レストランに。カレーを食べる。要はカレーが好きだからだ。フィッシュカレー。まったく辛くない。日本のインド料理店の方が、辛さにはこだわっている。でも、まあまあである。米は日本のレベルではイマイチだが、不味くはないし、口に合わないわけでもない。

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最後に郊外に車を走らせた結果、マクドナルドに入る。チキンを頼むと、ご飯がついてきた。驚くことに、箸がない。現地の人は、指でつまんで食べている。恥ずかしいので2階席で指めししていると、日本人客が現地ガイドと入ってきて、私の方を見て、「現地の人は手で食べるのですね」とヒソヒソと話している。

でも、指がベトベトすることはない。日本人だって、粋がって高級寿司屋では手でニギリを食べているではないだろうか。コンビニのおにぎりだって手で食べている。それらだって指使いには年季が必要だ。

つづく