大英博物館 古代ギリシア展

2011-08-07 00:00:19 | 美術館・博物館・工芸品
西洋美術館で開催中の『大英博物館 古代ギリシア展』。

昨年から、ギリシア神話の勉強などしていて、運良く(?)古代ギリシア展が開催され、行かないわけはない。それも大英博物館である。

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ただ、展覧会の名前が英語で「BODY」だったり、展覧会のシンボルが円盤投げの選手像だったりして、ちょっと筋肉にコンプレックスを感じる身としては、トレーニングをしてから行った方がいいのではないかとか迷っているうちに、夏の暑さが到来し、暑い中のトレーニングは危険だ、と決めつけて、トレーニングしないでそのまま美術館に行く。

思えば、古代オリンピックが裸で競技を行ったから、勝利者をたたえる全身像もヌードになり、男の裸体に似合うのは女性の裸体というようになり、ギリシア彫刻は、男も女も神様も人間もみんなヌードになりたがる。

しかし、展覧会で知ったのだが、現在、美術品として残っているものの多くは、ギリシア時代のオリジナルではなく、ローマン・コピーといって、ローマ人がオリジナルのギリシア製を模して何体もコピーを彫ったものが多いということ。だからこそ、多くの作品が残されていて、さらに、それらでも相当古い。この円盤投げもローマン・コピーである。

なにか、ギリシアを吸収合併して巨大化したローマが、失われたギリシア文明にあこがれるという図式は、50年ほど先に、J国やK国を吸収したC国が北京の日本料理店でKOBEビーフを骨付き焼肉で食べるようなものだろうか。

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それで、円盤投げの青年は、ローマ時代に生き返ったコピーだが、全能の神、ゼウスの小像はオリジナルのブロンズ製。この小さなゼウスだが、ひとたび怒ると、雷を好きなところに落下させ、ただちに冥界送りにする。冥界には怖い神(ハデス)が待ち構えている。さらに稀代の女好きで、神様だけじゃなく人間や動物ともイタシテしまう。妻(ヘラ)が癇癪を起して、さらに危険になるのも無理からぬところだ。

そういえば、先週末、自宅のそばに落雷があり、4時間半も停電し、軽損害が発生したが、神の怒りだったのだろうか。停電の中、必死の思いでインターネットをつないだのだが、停電情報はどこにも見つけられなかった。なにしろ、十数軒だけの停電だったわけだ。インターネットではなく、T電力に電話をかける方が先だった。

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そして、美の神、アフロディティ。別名ビーナス。美しすぎる神である。理性的な美女神であるアテネとは異なり、美しく、かつ浮気性である。マリリン・モンローみたいだ。欠点と言えば、いつも立っていることが多く横になることは少ないし、肉体派の男をすぐにからかうこと。オリンピック競技の優勝者なんてすぐに捕まえてしまう。

「あなた、右腕がなくてトイレが不便なので、いつもパンツを履いてないの?」
「いや、そんなに見られると、ちっちゃくなっちゃいますよ」

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そして、現代に生き返ったナイキ。これもギリシア神話有名人物。ナイキじゃなく「ニケ」と呼ぶのが本当。羽根が生えている。ナイキのゴルフボールを使っているが、よくコース外に飛んでいってなくなってしまう。気まぐれボール。ゴルフショップでの中古ボールのシェアNo.1だ。

会場には、ソクラテスの像もあるのだが、人類史上最初の大思想家といっていいだろうか。

気難しい顔で、頭髪薄く、やや小太り。優秀な弟子を多くもっていたのだが、本当に優秀な弟子は風采の上がらない気難しいおやじに愛想をつかして逃げ出してしまったかもしれないわけだ。