バリ島で駆け足(1)

2011-08-21 00:00:55 | たび
バリ島に行っていた。インドネシアの小島の1つだが、国内随一の観光地である。地理的にオーストラリアからの観光客が多く、日本人にも人気があり、さらに欧州方面からシンガポール乗り継ぎの観光客が多い。米国からはあまり来ない。彼らにはカリブ海があるからだろう。

インドネシアは人口の9割がイスラム教だが、バリ島では9割がヒンズー教である。もともと紀元0年あたりにインドネシアはヒンズー教化したのだが、その後、イスラム教徒が増えてきて、残ったヒンズー教徒たちがバリ島に逃げ込んだということだそうだ。

だから、イスラム教徒との問題が長く続いていて、この10年間に2度も爆弾テロが起きている。島内のある場所でタクシーを降りた際、運転手から「ジャワ島人はドロボーだからバッグには注意するように」と日本語でアドバイスを受けたが、あいにく、ジャワ島人とバリ島人を見分ける方法を知らない。肌の色といってもバリ島人のもっとも色の薄い人と、私の肌色がほぼ同じこと位しかわからない。

taxi


そして、島内の移動にはタクシーを利用するのだが、交通状況は大変なことになっている。自動車、バイク、自転車の大群が有史以来の曲がり道をそのまま舗装した道路を走るのだが、片側二車線のどこかに隙間があると、すかさず三台並走となる。さらに車の両側にはバイクが走り、車間距離は時速20キロでも80キロでも1メートルである。私が1日運転したら、葬式10件と100万円の修理費が必要だろう。

日本では、混雑時間帯というのは朝夕と決まっているのだが、バリでは早朝から深夜までずっと大混雑である。理由は、通勤。基本的に仕事は人により勤務時間が異なる時間給。3時間位働いたら、次の職場に向かう。そこも時間による歩合給なので、さらに三つめの職場に走る。それでバイクが走りまわるわけだ。

musium


そして、島の政治の中心であるデンパサール市の中央にあるバリ博物館に行ったのだが、実は展示品は多くない。もっとも日本同様に木と布の文化で、遺構が腐敗して残らないこともある。また、島の風物や祭礼で使われる衣装や仮面などが並ぶのだが、後で冷静に考えてみると、その一見原始的な風俗だが、実は現代でも民間で使われているわけだ。日本の能面とは異なる。だから、博物館というのは、民族の失われた過去の記憶を呼び戻すための建物だと考えれば、バリで博物館に行くということ自体がナンセンスだったかもしれない。

chozo


街には太古、過去、現在、近未来が混じり合い、経済成長が爆発している島の、今後の方向はまったく想像できない。

men


そして、民族ダンス。島の中央部のウブド地区では、野外での本格的ダンスショーがたくさん行われているが、考えれば、それはやはりショーである。

dance


それならばと、観光地のレストランで、中国人団体客と席を並べ、お手軽なショータイムを楽しむことで、お茶を濁してしまった。

つづく


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