郵貯上限2000万円がもたらすものは・・

2010-04-05 00:00:43 | 市民A
とんでもないことになりそうではないだろうか。

ゆうちょ銀行も、一応銀行なのだから、ペイオフ1000万円というのはわかるのだが、1000万円と2000万円の間の1000万円分は、保証がないことになる。といってもそれは他の銀行でも同じなのだから、1000万円以上預ける人はいないという楽観的な可能性もある。

また、ゆうちょ銀行は、ほとんどの運用を日本国の国債で行っている現状から考えれば、国債利回りよりもゆうちょ銀行の利回りの方が低くなるわけだから、それなら個人は国債を買った方が有利ということもできる。まして、国債は日本の信用が落ちていけば、国債単価の下落または国債利回りの上昇という方向に進み、一挙にすべてを失うことにはならない、とされている。

ところがゆうちょ銀行に預ければ、1000万円を超えた部分は、全部無くなるということが考えられる。

といっても、国債が発行できなくなると、政府は輪転機を回す以外、破綻を防ぐ方法はなくなるわけだから、結局、資産を外貨に換えて外国にトンヅラすることしか思い浮かばない。

つまり、あれこれやってもゆうちょ銀行の残高が増えれば増えるほど、国民の資産が国債というブラックボックスに吸い込まれていくだけになる。

案外、政府支出の恩恵を受けているのは、公務員や公共工事の恩恵を受ける一部の業者、そして、なんでも国の支援をあてにする「努力しない弱者」というカテゴリーの人たちなので、国内で二つの「円」が流通することになるかもしれない。

つまり、資産を国債または郵貯で持ち、政府支出で生活する人たち用の「政府円」と、政府の活動とは、あまり関係のない部分で生活している人たちの「民間円」という構造だ。


実は、世界に例がないわけではなく、近くて遠い国である北朝鮮では、「民間経済」「軍関係者経済」「王朝一族経済」の三種類の経済が存在するということなのだから、実に似ているといえる。