蛸でも食べよう

2010-04-20 00:00:52 | 市民A
アイスランドの南部、エイヤフィアトラヨークトル火山で3月20日に始まった噴火の結果、欧州の空路は全滅状態になった。成田にも影響は及び、毎日の発着各20便ずつが欠航状態である。

volcano

欧州方面では、生鮮品の多くをアフリカから空路輸入している。海産物や、花など。これらが困難になっていることから、影響はEU域内に限らず、アフリカ各国にも及んでいる。

たとえば、「モーリシャス産の蛸」など、生きたまま、あるいは加工され、欧州域内へ空輸されていたようだが、どうなるのだろう。テレビで見る限り、現地従業員の解雇という話らしい。せめて、日本でも蛸の輸入とか協力できないものだろうか。


ところで、火山灰と航空機の関係だが、火山灰の原料は、マグマである。基本的には各種岩石の元であり、ケイ素(シリカ)である。石やガラスの粉末のようなもの。これが大気圏だけでなく成層圏(地上1万メートル付近)まで吹きあがっている。風の影響は大気圏で強く、成層圏では気流に乗って地球全体に広がっていく。

大陸間を飛ぶ飛行機は、この成層圏の付近を飛ぶことになる。

飛行機のエンジンは、言うまでもなくジェット燃料に空気を取り込んで燃やすわけで、シリカの粉末は、燃えることなく高温状態になる。これが、エンジン内の熱バランスを変えるだけでなく、エンジンそのものにダメージを与える。また、噴煙中のイオウ分は金属を腐食させる性質がある。

ということで、エンジンの寿命にも影響するわけだ。だから、いずれ先進国の航空会社が新型機を購入する際、旧型機が中古としてセカンドクラス(あるいはLLC)の航空会社へ売られた後に、エンジンが不調になるのかもしれない。そして、前回、1821年に起きた大噴火では、同山は、1年間噴火が続いたそうである。

ところで、アイスランドは、全国民の遺伝子が登録されていると聞いていた。国民の健康のためだそうだが、競走馬みたいだと、思っていた。また、金融立国ということで、高金利でEU域内の余剰資金を吸い上げていた。さらに、ありあまる水力発電能力があるのに、さらに地熱発電に力を入れていた。

そのうち天罰が落ちるのではないかと、思っていたら、金融危機に陥った。それは金融立国を目指した罰に過ぎないと思っていたら、火山爆発。これが地熱発電に対する天罰だとすると、遺伝子管理に対する天罰は、まだ、下ってないことになる。

個人的には、火山の近くの温泉にでもつかり、富士を描いた北斎のように地獄火山図三十六景でも描いてみたいが、うっかりやけどでもすると、空港腰パン男のように国の恥になりそうなので我慢する。

magmaところで、最近、ナショナル・ジオグラフィックの特集番組で、イエロー・ストーンのマグマ溜りの話を聞いた。世界に類のない超巨大火山であり、地下100キロより下にマントルが棒状に伸びていて、60万年に一回、超巨大爆発を起こすことで知られている。

噴煙は地上3万キロに及び、メキシコ湾まで火山弾を飛ばし、地上に数キロの厚さの溶岩を蓄積し、マグマ溜りが空になると、一気に地面が直径100kmの規模で陥没し、カルデラ化する。

地球上の多くの生物種が絶滅し、今、起これば、北米大陸を中心にホモサピエンス類が10億個体いなくなると言われている。

そして、今やマグマ溜りは満タン状態で、前の爆発から64万年が経過しているとのことである。

地震大国・火山大国ではあるが、日本にいて良かったと思うべきなのだろう。1707年の富士山の大爆発から既に300年強ではあるが、仮に大噴火したとしても、単に、御殿場高原のゴルフ場でプレーができなくなるといった心配をしていればいいのだろうか。

(もっとも、溶岩流や崩れた山塊が湖や川を堰き止めると、ゴルフ場の会員権がゼロになるだけではなく、周辺の市町村全体が水没してしまい、貴重な税源である固定資産税もゼロとなるという可能性も捨てがたいが。)