珍味、『どろえび』を食べる(それも親子食い)

2010-04-16 00:00:08 | あじ
日本海は、れっきとした海ではあるが、地域的にまわりを陸地で取り囲まれた形状である。地中海とか、黒海とか瀬戸内海と同じではあるが、「日本」と名前を付けているにもかかわらず、日本が太平洋の方を向いているので格下に見られている。さらに最近は東シナ海、南シナ海の方にも目を向け始めているが、うっかりすると東韓海とか命名権を奪われそうである。自分にとってつまらないものでも、相手からみると垂涎というものもあるので、注意が必要だ。

貿易量そのものは太平洋岸の方が数十倍も多いのだが、『うまい魚介類』に限定すれば、むしろ日本海の方が上だ。

日本海側の町で早起きして市場に行けば、イカでもカニでも岩ガキでも山盛りだ。

それで、島根県の珍味を味わったわけだ。

『どろえび』。


知人と二人で料理屋に入った。しかし、島根の料理について特に知っていることはないので、メニューを見てちょっと困る。フランス料理みたいだ。メニュー、意味不明。

で、板さんに任せることにする。

葉:「金額決めて『おまかせ』にしたいのだけど」

板:「いくらでもいいですよ。2000円からやりますから。」

葉:「じゃ、5000円で・・」

板:「では、おまかせのほどを・・」

といった展開になったのだが、実は、一人5000円なのか、二人で5000円なのかを確認していなかったことに気づくが、板さんは直ちに複雑な作業に取り掛かり始めてしまったので、もう放任することにする。しょせんは大した話じゃないじゃないか。ぐびっ。



それで、最初に登場したご当地グルメが、この『どろえび』。塩焼きになっているが、車エビよりもかなり大きい。一見、角ばった殻が固そうだが、そのままパリパリ食べられる。

“ぼたん海老みたいだ”と思ったが口に出さなかったのだが、連れが「ぼたん海老ですか」と聞いてしまった。確かに、塩焼きなのに、少し甘い。

『どろえび!』『ほとんど市場に出ないから』とのこと。ちょっと声に怒りが。

腹の側には卵があふれている。大粒の卵。これでは親子食いである。珍味の卵まで食ったら、絶滅してしまうではないか。ワシントン条約で保護しなければならないのではないだろうか。親子食いは人間女子の類に限るべきじゃないだろうか。とか考えても、結局5分後には、野良猫の食事のように、皿の上には殻の破片すら残らないのである。



後で知ったのだが、ドロエビは海の深いところに生息していて、正式には「ハコエビ」というそうだ。胴体が箱のように四角になっているそうだ。

そして、次に登場したのが『ハタハタ』。これも日本海の名物だが、一時、激減状態になったと聞く。頃よい焼き方である。その後、岩牡蠣など計八品も登場し、最後はサザエの壺焼き。



まあ、「絶滅しそうなものを、好んで食べる」というのも、『反社会的行為』という喜びを感じるわけでもある。


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