コンドルが飛んでくる

2004-11-16 21:47:26 | MBAの意見
コクド、堤帝国が崩壊しつつある。西武鉄道株の名義人偽装に端を発し、株価下落、株式買戻し、監理ポスト、そして西武鉄道の上場廃止に向っている。コクド自体が非上場企業なので、上場廃止くらい痛くも痒くもないのだろうが、それではコクドに融資している銀行(MZH)がたまらない。担保不足となるだけでなく、キャッシュフローがもたない。バランスシート上は、不動産の評価替えで自己資本をふやすことが可能かもしれないが、ホテルの底地とか森林ではキャッシュにはならない。もちろんカネを貸したほうもいい加減だ。ずっと貸したままにしたかったはずだが、そうは言えなくなった。しかし、某銀行はこんなのばかりだという説もある。
ところで球団を法外な値段で売りに出しているが、もっと下がるだろうと皆が思っているうちは売れないだろう。そしてホテル、レジャー施設で赤字のものは売却すると言い始めた。しかし、西武系の施設は何度も使っているが、「ほとんどが赤字」なのではないだろうか?まずプリンスホテルだが、赤坂プリンスはすばらしいホテルでいつも賑わっている。赤字か黒字かはわからないが、計算とおりだろう。品川もこんでいるようだ。しかし、郊外にある幕張、新横浜などはすばらしい建物の高層ホテルだが、ほとんど部屋の灯りは見えない。それにレストランが今ひとつだし、内装に合板やプラスティックが目立ち過ぎる。何か、あと一歩足りない感じがする。半年ほど前、広島プリンスホテルに泊まったのだが、ここも交通不便な場所で、外人団体旅行専用の感がある。ロビーに椅子が足りず、ちょっと困ったことも起きた。ここも西武建設が近くの造船所の株を買ってクルーザー事業に進出しようとして、途中で投げ出した痕跡がある。もう一つ追加すると、瀬戸内海は海上交通量や漁船が多くクルーザーは危険だ。軽井沢や箱根など各地のゴルフ場も、コース数が多過ぎる感があり、冬場は使えないし、何か大計画の途中のようだ。

「秩父ミューズパーク」という大変すばらしいレジャー施設があり、ゴルフ、テニス、水泳の他、ミニカートレースまでできる。ロッジも完備しているのだが、そこのソファーベッドが単にスポンジのかたまりのような安物だ。食事がまずくて高いので、みんな外から買って持ち込むのでレストランはガラガラになる。もう一つというところで、ダメになっている。クレーコートのテニスコートもちょっと服が汚れてしまう。秩父駅からの専用バスが少ないのは、利用者が少ないからだろうが、バスが少ないから利用者が少ないということもできる。自滅の構造だ。

もう一つ悪口を言うと電車のほうも、残念ながら関東で最低を争っている。駅がボロい。駅前が小さく、開発する気がないように思える。おそらく、堤氏は電車に乗ることはないのだろう。特に他社線には乗らないだろうから、差がわからないのだろう。以前は社長車を常に2台一緒に走らせ、途中で故障しても、直ちに乗り換えられるようにしていたが、今もそんなこと続けているのだろうか?
秩父から長野まで電車を延伸するのが堤氏の夢だったらしいが、もはやそういう必要はまったくないのだから、今の電車やバスをグレードアップして付加価値を上げないともうからない。

実際には、1兆円借りていても、都内のホテルの土地資産を計算し直せば担保割れにはならないだろうが、実際には金利以上のキャッシュを生んでいない施設が多いだろう。ホテルや鉄道事業というのは大きなストックを持ちながら小さな利益を積み重ねる商売なのだから。
また鉄道事業は日銭が入る上に定期券という割引債のような前金制度があるのだが、昨今きわめて売れていないそうだ。まず、サラリーマン社員に対し、会社は定期券代だけを渡すだけで現物をわたさなくなった(事務合理化)。もらった方は、面倒だから買わないこともあるだろう。また消費者金融など借りている人は、そちらへの返済が先だ。また契約社員やパートの場合、買うはずがない。

西武系の施設で、もう少しで良くなるだろうと思えるものはいくつもあるが、そういう場所はどんどん外資が買っていくだろう。プリンスホテルについては、ホテル所有までのストック経営をコクドが行って、運営のところの委託先をさがせばいいのだが、それでは金持ちの外国人ハゲタカは満足しないのだろう。

悪運

2004-11-15 21:48:15 | 市民A
a0c82361.jpg土方歳三の写真を持っていて、よく飲み屋で女性に見せ、どっちがいい男か聞いてみるのだが、今のところ0勝10敗位だ。例の少し斜めを向いてやや長めの髪と謎の微笑の写真だ。木村拓也と稲垣五郎を平均したような、数百万人に一人いるかどうかの美顔であり、おそらく生きるのがつらいことがあったかもしれない。新撰組の一隊士であった彼は、歴史のいたずらにひきずられてゆき、江戸から会津へ向かい、さらに最後は函館五稜郭で幕府最後のサムライとなる。彼の最期の場所はおおよそ特定されていて、JR函館駅から10分くらいの広い道路の傍らに記念碑が立っている。五稜郭の中で、降伏派が主流を為した時、彼は城を出て、日本で最後の武士になることを選んだわけだ。

それで、きょうの話はまったく土方とは無関係である。「土方歳三」の検索でいらっしゃった方とはここでお別れ。道路の上で死にかけた話。
11月12日の夜(といっても20時頃)、自宅に帰るため、駅を降りて、家まで1ブロックくらいのところに信号機のない交差点がある。たまたま、左側を歩いていて交差点に差しかかった時、交差点をはさんで、正面から普通の乗用車がきて右折信号を出すので、横断歩道のところで歩みを止める。道路交通法では歩行者優先だが、有名無実なのはご存知のとおり。クルマを先に曲がらせてから渡ろうと思っていると、相手のクルマが交差点の入り口で止まった。

当然ながら、譲ってくれたのかと思って、軽く手を上げてから、横断歩道を渡りはじめると、むこうのクルマも少しずつ動き出す。「ちょっと動くのが早くないか?」と思いながら足を速めると、向こうも少しずつスピードが速くなる。「あぶないな?見えてないのかな?」と若干の疑念が湧き出した瞬間、一気に加速してきた。JUMP!!! 昔の走り高跳びのベリーロールのように右足を跳ね上げて体をひねってかわす。50センチくらいの差だ。やれやれ。はるか昔の苦しいトレーニングが生きたわけだ。急ブレーキをかけていたが、遅すぎる。女性ドライバーだ。やれやれ。あと20歳年とっていたら、道端に墓銘碑だった。

事故には3要素があるという。危険状態、危険思考、危険行動だ。「信号の無い交差点」が危険状態。「止まってくれたのだから安全だろうと考えたこと」が危険思考。「実際に横断歩道を渡り始めた」のが危険行動だ。さいわい、「もしかしたら気がついていないかもしれない」と思ってみたのが、とっさに逃げられた原因だろう。これがリスクマネジメントということなのだろう。コクドの会長には、これがなかった。


数時間経って、考え直して見ると、その女性ドライバーは単に、一時停止の線で停車しただけなのだ。歩行者よりも警官の待ち伏せが怖かったわけだ。

それと、私の事情なのだが、たまたま5足を履き回ししているビジネスシューズの中で、最も古い軽量のリーガルウォーカーを履いていた。フィット感は最高で、さらに現場の直前で紐がほどけ、縛りなおしたところだった(急いで縛ると立て結びになるのはこどもの頃から進歩していないが)。靴を買った10年ほど前は、極めて忙しく「三歩以上駆け足」状態で、なるべく軽い靴を探したのだ。そろそろ買い換える時期とは思っていたが、さすがにリーガル製はしぶとく長持ちする。最近は、財布が軽くなったせいか、ホーキンスのエアライトばかりになっていた。おかげで先日は足裏マッサージで魚の目を発見されてしまった。次の靴は決まったようなものだ。ネットで価格を調べると、リーガルウォーカーは18,690円、エアライトは10,290円になる。その差は8,400円だ。大きいような小さいような。10年間毎週1回ずつ履くと1日15円の差だ。hmhmhm。

豚は肥やしてから食え!ってことか?!

2004-11-14 21:50:12 | 市民A
あちこちから、批判と驚愕の声があがっているが、livedoorブログで利用規約の改定が通告された。11月12日のことだ。変更は2件だ。第5条(禁止行為)と第8条(ウェブログの公開について)


第5条(禁止行為)
(変更前)
・弊社が利用者のウェブログに自動的に表示しているフッタを非表示にする行為、しようと試みる行為
(変更後)
・弊社が利用者のウェブログに自動的に表示しているリンク、画像を非表示にする行為、もしくはしようと試みる行為

第8条 (ウェブログの公開について)
(変更前)
本サービスにて作成されている全てのウェブログについて、当サイトの宣伝を目的として利用者への通知なしに自由に利用することができるものとします。

(変更後)
本サービスにて作成されている全てのコメントおよびトラックバックを含むウェブログについて、弊社は、利用者への通知なしに無償で利用することができるものとし、利用者は、弊社及び弊社の指定する者に対し、著作権等(著作者人格権の行使も含む)を行使しないものとします。



第5条については、理解はできるが、なぜ変更するのかよくわからないが、今後、膨大なCMがあちこちに貼り付けられるのだろうか?不安がある。無料ならしかたないともいえるが。月額250円のLivedoor Blog Proでもこの条項の適用は免れない。

最大の問題は第8条だ。著作権は、”あなたには、まったくない”と言われたわけである。さらに第三者からのコメントやトラックバックにも適用である。本当に法律家のチェックを受けたのだろうか?第三者がコメントを書き込もうとすると、「このコメントの著作権はホリエモンのものだ」という注意が表示されるのだろうか?

例えば、私は自分のHPにlivedoor Blogと同じ内容のページを持っている。リンクで代用しなかった理由は、堀江氏の性格から言って、突然のブログ終了宣言が出る可能性もあると踏んでいたためであるが。そういうまったく同じものの場合などどう考えるのだろう。
自分の書いたものに、自分の著作権が無いというのでは、まるで会社でビジネス文書を書くようなものである。小説の新人賞の募集でも完全に著作権がなくなるわけではなかったはずだ。
現在は、書いたブログの内容を後日、修正することが可能だが、今後はできないのだろうか?なにしろ著作権がないのである。

仮にブログがネットワークとしてのシステムと考えるなら、livedoorのホストは掲示板みたいなものである。無料とか有料とかいうのは、掲示板の利用料金の話であって、掲示板に書かれた内容が、掲示板所有者のものであるということは、かなり無理がある。
電話会社が電話料金を無料にする見返りに、電話の話の内容は、会社が利用してもいい。といっているようなものだ。

もともと無料にして、膨大な利用者数になって、手に負えなくなったので、嫌なことをたくさん始めて脱退者を増やそうということなのだろうか。そんな手口は、自社の働きの悪い社員を追い出す時だけに限定して欲しい。

どうも、ブロガーがまとめて堀江氏の家畜になったような感じがする。豚は肥やしてから食え!とは中国の諺だ。

今後の展開の予想だが、
1.まず、11月11日までの投稿分は新ルール適用外と思うが、どうなのだろうか。
2.会社側から真意の公表があると思うのだが、どうなのだろう。
3.抗議活動の状況はどうなるのだろうか。
4.引越し先の調査選択が必要になる。

10日間程度は、慎重に世間の様子を見る予定。ちょうど出張とか入っていてネット力仕事ができないし・・・ 

新酒と初鰹

2004-11-13 21:52:32 | マーケティング
1ce64ec3.jpgヌーボーが届く。といってもボジョレではなく、イタリアワインの新酒である。2ヶ月ほど前、池袋で行われたワイン店の試飲会で、あれこれ飲み過ぎた上、衝動買いしたものだ。さすがに記憶の片隅にはあった。そろそろ届く頃かなって、アーモンド詰めオリーブの瓶詰も用意してある。ケースで買ったので、6本だ。購入価格の2割増しで6本の内、5本を販売すると1本分無料になるが、そういう”せこい”ことは考えない。もうけるときは思い切って原価の3倍くらいの値段をつけて、あとは能書きをつければいい。さあ、どうしようか。全部自家消費してしまうかどうか・・・来週は健康診断なのだけど・・・
ところで、ワインの輸送方法は3種類ある。一番輸送費が高いのは、航空便で、高額なワインやボジョレヌーボー用だそうだ。2004年のボジョレヌーボーはおそらく臨時便で100便分くらいだろう。本数でいえば1020万本だそうだ。一家3人平均で計算すると4軒に一軒は飲むことになる。日本人の初物好きも相当なものだ。(記事を見ていると、すごい。メルシャン11機、フェデックス7機・・・とか、どこにそんな数の飛行機がいるのだろう。だいたい5日間くらいの間に飛行機が往復している)

江戸時代、鎌倉材木座海岸でとれた初鰹は、まず江戸城の徳川将軍に早馬で届けられることになっていた。芭蕉49歳で一句読んでいる。
「鎌倉を生きて出でけん初鰹」
しかし、どうも伊賀上野出身で江戸に馴染みきれなかった芭蕉は、江戸っ子を”はす”にみてこの一句をなしたそうだ。

話が横にずれたので戻す。

ワインの輸送法の二番目はコンテナ輸送である。欧州から日本までの船便は赤道直下を通過するため、高温で変質しやすい。摂氏5度に調整した保冷コンテナで輸送するのが一般的だそうである。

三番目は、そのまま貨物船で運ぶ方法で、格安ワインは、普通に貨物船で運ばれてくる。

ところで、東京近郊で通関業をしていた方から聞いたのだが、相当以前の話としてだが、海運会社の手違いで、1本3000円程度のワイン輸送で、摂氏5度に保冷すべきところ、マイナス5度に設定してしまい、商品がだめになったことがあるそうだ。ケースは濡れてしまい、シャーベット化したワインは味が変わってしまうので、輸送ロスとして保険会社の査定を受けたのだが、運送会社がダメになったワインを引き取らされたため、廃棄処分にしないで1本1000円で販売してしまったとのこと。

結構有名な会社なのだが、味が変わったものを売るのは「ブランド価値の失墜」になるのでやめた方がいいはずなのだが・・・

ところで、拙宅に届いたワインの入ったケースには輸送方法の記述はまったくないし、ケースが濡れた形跡もないので、保冷コンテナで運ばれてきたのではないかなって勝手に想像してしまう。
ボジョレヌーボー解禁日は18日のはずだが、イタリア産の新酒は一足お先に!
「イタリアを保冷で出でけん初ワイン」

1 ShotLog-2 石廊崎にて

2004-11-13 21:50:58 | PHOTO
0e449d2f.jpg
石廊崎(いろうざき)は伊豆半島の最南端です。
ここから少し先には伊豆諸島があります。

歴史を遡ること850年ほど前、1156年の保元の乱に失敗し、捕まった源為朝は伊豆大島に流刑になります。しかし、そのあと伊豆諸島一帯で大暴れをして、征伐されたことになっていますが、その後脱出したという、いわゆる為朝伝説を全国に残します。

一方、伊豆半島に潜んでいた源頼朝は、1180年に蜂起し、わずか5年で平家は滅亡してしまいます。

頼朝は、伊豆諸島にいた為朝のことを考えることは多かったのではないかと思います。

「よりともが ためともおもう 石廊崎」  

CDで一人ゲームにはまった男

2004-11-12 21:53:52 | 市民A
パソコンの付録にはよくフリーセルとかの一人ゲームソフトが付いている。この一人ゲームをパソコンではなくCD(現金自動引出機)で楽しんでいるうちに、はまってしまった男がいた。

クレジットカード犯罪の古典的な手口は、カード自体を財布ごと抜き取ったり強奪して、すばやく高額物件を買い物をし、そのまま中古で販売するというようなやり方がある。犯罪としては、単純であり、スピードが命だ(と書いていると、犯罪者側の論理になってしまうが、その意図はない)。

さらに高度化するとスキミングになる。カード情報だけをコピーしてしまい、同じデータのカードを作り悪用しようという方法だ。この方法は、スキミングするところに技術が必要で、普通はカードリーダーが使われる。怪しいサービスを受けるために脱いだ上着の中のカードを、スキミングされる分には同情心もほどほどしかわかないが、ホテルのレジの中に無線発信機が取り付けられていた事件や、財布の外側から磁気を探知される装置などが出現したりすると、他人事ではなくなる。スキミングはしばらくは発覚しない。キャッシングや買物に不正使用されたカードの正規の利用者に請求書が届いて初めて気付く。うかつな人は気がつかない場合すらあるだろう。

古典的な手口をアナログ犯罪とすれば、スキミングはディジタル犯罪と言える。しかし、今回発覚した「コスモ・ザ・カード不正引出し」はアナログとデジタルを組み合わせた犯罪といえる。

「他人の不幸は蜜の味」という諺もあるが、なかなか面白いところがある犯罪だ。
そして、この手の犯罪にありがちな、被疑者は特定できるが、被害者が誰なのかよくわからないし、管理責任ということになれば、もう責任の所在はうやむやになる。

当初報道されたのは、11月9日の午後であった。報道の内容は各社ほぼ同じなので一例を紹介するとNIKKEI NETを見ると、こう書いてある。


*コスモ石油カードの不正使用で8300万円詐取

 コスモ石油(東京・港)が発行するクレジットカード「コスモ・ザ・カード」が不正使用され、同カードの与信業務を受託しているセントラルファイナンス(名古屋市)が総額8300万円をだまし取られていたことが9日、分かった。不正使用していたのは同カードのシステム管理の受託会社の役員(48)で、住所不明などで返送されてきたカードのデータを偽造し、自動引き出し機を使って金を引き出していた。

 同役員に対し、コスモ石油はカードを改ざんされたとして、電磁的記録不正作出容疑で告訴する方針。セントラルファイナンスは全額弁済することですでに示談が成立したとしている。

 コスモ石油によると、不正使用された可能性のあるカードは1982件。氏名はそのままで、住所と引き落とし用の口座番号のデータを書き換えていた。期間は1995年6月から2004年9月まで。引き出した総額は3億9500万円で、不正が発覚しないよう、カードは一度しか使わなかったという。
以上


他社報道も同じ内容であるが、いくつかわからない点が残る。
1.引き出し額が3億9500万円なのに、なぜ被害額が8300万円なのか?
2.10年間も犯行を続けて、なぜ発覚しないでいたのか?
3.なぜ今回発覚したのか?
4.被害者がカード会社というのはなぜなのだろう。

これだけの情報では考えてもよくわからないので。「時効になった分が多いのではないか」とか想像していたのだが、そうすると残りの3億円は泣き寝入りか?とか思ったのだが、さすがに翌日になると細かい事件簿が明白になってきた。

まず、この被疑者の男性が役員をしている会社は誰と契約していたかというと、コスモ石油ということになる。コスモ・ザ・カードはいわゆる信販系カードではなく、コスモ石油のハウスカードにクレジット機能とキャッシング機能を追加したものである。それで、与信管理とキャッシングの部分を旧東海銀行(現UFJ)系のセントラルファイナンスに委託していたのだが、顧客管理についてはコスモ側が行っていたことになる。そのため、直接被害者はセントラルファイナンスで、一義的加害者はコスモ石油。コスモは委託会社に対する関係で被害者になる。その会社は、その役員に対して被害者になる。誰が誰を告訴するかは良くわからないが、8000万円のほとんどは返ってこないだろう。そして、名前を使われた無関係のカード名義人(お客様)は、最後の数ヶ月は与信ブラックリストに載せられていた可能性がある(間接的被害者)。委託を受けていた会社の名前が公表されないのに、セントラルファイナンスの名前が公表されたのも少しかわいそうである。そうでなくても大変なのに。

次に、犯行期間はなんと10年に及ぶ。約2000枚の返送されたカードを利用し、1回20万円ずつキャッシングで引き出していたわけだ。引き出し総額は約4億円だが、被害額が8300万円というのは、要するに、自転車操業をしていたわけである。返済期限になると、カードで入金し、残高を合わせる。その資金は別の返送カードを使って調達するというやり方だ。もちろんその運転資金の差額が手元に残るのだが、10年間続けて、8300万円を浮かせたことになる。
しかし8000万円を20万円で割ると400枚になる。10年間の2000枚という枚数からいえば、最後に残ったカード枚数は異常に多く、発覚直前にはかなりエスカレートしていたことがわかる。推測だが、意図的に住所を書換え、返送カードを増やしていたのではないかとも思える。

次に、カードに入っている情報はディジタル情報である。一人の人物が簡単に読み取れるわけではないのだが、この人物、休日出勤中にデータ改ざんを行っていたそうである。休日にまで働いては、儲けたカネを使う時間がないだろうに・・

そして、なぜ今回発覚したかということなのだが、実は別の事件の影響なのである。今年初め、コスモ・ザ・カードの個人データ漏洩事件があり、92万人の個人情報が流出し、犯罪行為に使われている。個人の住所あてに、見に覚えのない借金の督促状が送られている。
その結果、カード管理体制の見直しが行われることになり、不正行為ができなくなったわけだ。結果として自転車操業が困難になり、一気に8300万円が焦げ付いたわけだ。

全体を見れば、アウトソーシングにありがちな、「まかせきり体質」が上から下(個人)まで徹底していたと言えるわけだ。東アジアではなかなかアウトソーシングが機能しないという説があるのだが、こういう上場会社にとどまらず、「まかせきり体質」はひろく社会にはびこっているような気がする。

しかし、この男性、どうやってこの”楽しい一人ゲーム”から抜け出すつもりだったのだろうか?  

東京都港区あたりの環状2号線事情

2004-11-11 21:55:19 | 市民A
3e93ad6a.jpg少し、エリアの狭い話で恐縮至極なのだが、東京の道路事情の話を書いてみる。
というのも、愛読ブログである余丁町散人の隠居小屋blog11月8日号で「外堀通りでお城を一周」の紹介があったことから、外堀通り=環状2号線らしいという話題になり、ややコメントの盛り上がりがあり、”環状線の謎の解明シリーズ”に発展し、さらに”東京都の計画道路図”が発見され、ほとんどの環状線が、未完成のままの状態であることがわかってきたわけである。なにしろ環状線は1号から8号まであるのだが、ほぼ完成しているのは、1号(内堀通り)、5号(明治通り)、7号(環7)であって、本当の都心にある2号、3号、4号は未だに完成していない。街の中に計画線が引かれたままで、工事をぼちぼちとやっていることがわかっってきたのだ。バルセロナのサグラダファミリアのような気の長い話だ。

そのあと、散人氏には、環状3号の事情を調べていただくことになって、計画道路の周辺を含め、ほぼ完走されることになった。もちろん号線の数が増えると、同心円の外側になるので、距離が長くなり、クルマでの探索となる。

私もコメントに参加していた責任もあり、東京都の地図を眺めているうちに、港区虎ノ門の会社の近くでなにやら工事をしている現場に「環状2号」という文字があったことと符合した。地図にあたると、幅40メートルの巨大道路が予定されていることがわかった。2号線は外堀通りと思っていたのだが、溜池から外堀通りを離れ、虎ノ門の裏のほうを通り、一気に汐留を抜け、晴海から海を越え有明のコロシアム付近を通り、東京湾にぶち当たったところまで計画されている。虎ノ門から先は、環状線ではなく「直線2号線」だ。そして虎ノ門、新橋のあたりは住宅や商店街やビルが立ち並ぶ場所をなぎ倒して道路を作る図になっている、さらにその先はレインボーブリッジと並行に巨大な橋を架けなければならない。

私は、とりあえず2号線虎ノ門-新橋間を探索してみた。道路予定地は、街中を通る予定で、住居が建ち並んでいるので、歩いて見るしかないのだが、なるほど着々と進んでいる。いったん線を引かれると、新規に恒久的建築物を建てることは困難になるため、古い木造の家が多いのだが、中層のビルも多い。そして、すでに40%程度が空地になっていた。駐車場がやたらに多いと思っっていたのだが、結構この計画線上の土地である。

図面を見比べながら歩くと、新築の日本たばこのビルの前の空地がやたらに広い訳や、虎ノ門病院の前の駐車場が広すぎる理由がわかる。またコンビニや牛丼屋が入っている2階建ての建物は最後まで粘るのだろう。現代自動車のショールームはすぐに壊せるし、その後ろの高層ビルが斜めに三角形になっている理由もわかる。しかし、中にはどうもビルを壊さなければならない場所もある。汐留まで大変だ。

そして、何箇所かで遺跡発掘調査が行われていて掘り出された土器の写真が掲示されていたりする。この辺が海岸だったはずなので、集落があったのだろう。どうせ二千年位眠っていた遺跡なのだから、上に道路を作っても、東京が廃墟となる数百年ほど先に掘りなおせばいいのにと思うが、今、徹底的に発掘調査するようだ。

話がつながってきたのは、今年の夏の猛暑の時、汐留の新築の日本テレビのビルなどが海風の都内への浸入をはばんだため、ヒートアイランド現象が起きたという説が紹介され、そのついでに「環状2号線ができれば都心に海風が吹き込んでくる」という言い訳が報じられていた。たしかに浜離宮の上から、海からまっすぐ潮風が吹き込みそうである。冬は木枯らしが吹き込み、さぞかし寒いことであるのだろう。さらに言えば、夏は汐留のビルの根元には熱気の吹き溜まりができそうな構造だ。「日テレがアツい!」とかいうのだろうか。

しかし、これらの計画線が引かれたのは、数十年前のはずである。その後、80年代末期のバブル期には都内の道路は完全にフリーズ状態になり、昼間は銀行員や不動産屋の金儲けのための社用車が動き回り、夜は六本木や銀座には二重駐車の列ができ、深夜は役人を乗せた長距離タクシーが走り回り、「東京に必要なものは、道路と駐車場だ」と皆が思っていたのだが、当然ながらその時の地価では、土地収用は不可能。遅ればせながら、工事が動き出した現在では、少子化やビジネスのネット化、交際費縮小による繁華街の衰退などの理由でもう道路問題は深刻ではない状態になってしまった。やはりここでもマーフィーの法則が有効だ。
「最も必要なものは、最も必要な時には存在しない。」

ところで環状線は8号までで終わる(その外に多摩川の土手に多摩堤通りはあるが)。この環八も世田谷区、大田区の方はやっと完成したのだが、東名高速の始発である環八東京インターがある。都心から来るクルマは、首都高速3号線のまま走っていけば東名に入っていくので、この東京インターの利用者は周辺の高級住宅街の住民ということになる。
先日、所用で出身地の千葉市の千葉北インターから入り、一旦都内で所用を済まして、横浜方面に行くため、乗り直すため環八東京インターへ向かったのだが、周辺で感じたのだが、本当に高級車ばかりだ。そして相当のクルマの量だ。利用する車体の時価総額で言えば世界で一番高額なインターかもしれない。ここだけは、バブル期と同じだ。私のクルマも千葉北インターでは前頭3枚目くらいの格かもしれないが、東名東京インターでは幕下扱いだ。  

アレグリアって何語?

2004-11-10 21:57:11 | 市民A
7415d9b6.jpg週末に、東京代々木で行われている「アレグリア2」に行ってきた。古いことばで言えばサーカスだが、そのことばでは、古すぎると思うのだが、パンフレットには、自ら「スーパーサーカス」と書いてある。まあ、楽天の野球チームも「楽天野球団」というくらいだから・・

シルク・ドゥ・ソレイユというのがサーカス団の名前だが、ライオンや手品師は出てこない。純粋にアクティブ・アクション中心で、演目の合間にちょっとピエロ(クラウン)が出てくる。10月の終わりから約10ヶ月をかけ、東京、福岡、名古屋、大阪と巡業するわけで、すでに感動した人もいるだろうが、未感動の人もいるので詳しく書くのは憚られる。で、詳細は語らない。

が、すべての演目で感動するというのはちょっと難しい。一緒に何人かで見に行ったのだが、後で聞くと、感動した演目について、人によりずいぶん違いがあることがわかる。私の好みはスーパーパワー・トラック(トランポリン)とスラック・ワイヤー(ロープ渡り)だが、好みは分かれるところだ。一つ一つのショーはだいぶ趣が違うので、好き嫌いがわかれるのだろうが、早い話、2時間半のうち1分でも大感激すればそれでいいのじゃないかなって思う。すべてをガツガツ楽しむという貧乏性の人は、行かないほうがいい。サーカスは頽廃の美学だ。日本公演は全340ステージだそうだが、日本人も豊かだ。もう欧州の文化的一流国にかなり近い。

そして、シルク・ドゥ・ソレイユはインターナショナルだ。多国籍の人種が集まっている。アジア系も多い。フランス語の歌が登場したり、イメージは古代ローマだったりするので、てっきりフランスかイタリアかと思っていたのだが休憩時間に確認したところ、カナダであることがわかった。ケベックだ。

それで、アレグリアっていうのはスペイン語で「歓喜」ということばだそうである。以前スペインに行くときに覚えたスペイン語が5つあるので、6つ目のスペイン語である。
ちなみにその5つとは、ウーノ(一つ)、ドス(二つ)、アミーゴ(ともだち)、アディオス(サヨナラ)、バル(飲み屋)だ。

ついでの話だが、原宿駅前の「コクド」本社には数名の新聞記者がいたが、堤氏をまちぶせする位なら、もっと記事を書くほうに傾注したらいいのにと思う。

もう一つ。竹下通りもずっと行っていなかったけれど、足早に通り過ぎてみて、がっかりしてしまった。

しかし、ショーを思い返すと、無性にフェリーニの映画を見たくなった。  

売れ残りそうな球団

2004-11-09 21:59:00 | MBAの意見
fdb92731.jpg日米野球が開催されていて、日本側はボコボコになっている。日米と言っても、日本のチームの主力には相当多くの外国人(特にメジャー出身者)がいるのだから、彼らがいないとチーム力が落ちるのは当然かも知れない。中には日米野球どころじゃない選手も多いのだから、こんな時期の試合は酷だ(誰も野球界の現在の展開を予測していなかったのだからしかたないが)。

日テレの解説の中で、米国では、「エキスポズがモントリオールからワシントンへ移動する件」が話題だが、「日本のパリーグは4つのチームが変わるかもしれない。」という話をメジャーの選手が聞いて驚いていると紹介していたが、「パリーグの球団はそろって30億円前後の赤字を出しつづけている」という話をすれば、もっと驚いただろう。

普通の年なら、オフシーズンの今ごろは、トレード、契約更改、ドラフトといった話題が中心なのだが、今年は、まだ多くの選手が来年の自分の居場所について確信を持てないでいる。近鉄からオリックスへ移る選手、移れない選手、新球団楽天の採用方針も不明だ。それに新たに、ダイエー、西武が球団売却を発表している。既存球団(例えばロッテとか)が買おうとしたり、合併しようとすると、またも1球団減ってしまうことになる。

第一、西武とダイエーとはパリーグの2強である。逆に近鉄を吸収したオリックスはここ数年3割台の勝率であり、実力でいえば、こちらが消えるべきなのかもしれない。今回の問題は、単におカネの問題(経営能力)になっているが、野球のレベルの問題はまったく未解決だ。

ダイエーの話は、かなり前から話題になっているので、きょうは西武の事情を考えてみると、
1.名前は西武だが、西武鉄道は兄弟会社であり、本当は「コクド」という球団名でなければおかしかったはずだ。かなり違和感がある。

2.200億円で、売り出しているようだが、ちょっと前に「西武鉄道株の押し売り」が発覚したばかりなのに、やすやすと買う社があるとは思えない。それも赤字の球団に200億円も払う人を探すのは大変だ。名前の上がっている9社リストの中には西武鉄道株の売却でトラブっている社はないと思うが、相当な無神経さである。
またライブドアに話を持っていったのは仙台落選が発表される前だというのだから、さぞかし堀江社長も驚いただろう。

3.本拠地を所沢球場においたまま、球団を買う企業がいるとは思えない。さらに、年間ボックスシートは、納入先企業に押し付けているのだが、球団を新規購入した企業はチケットを売り切ることができないだろう。

それに、所沢にしても千葉ロッテのマリンスタジアムにしても、周辺住民の多くは東京の会社に勤めていて、午後6時に都内の会社を出ても、なかなか試合開始には間に合わない。本拠地の場所が不都合なのか、開始時間を考えるべきかもしれない。

4.コクドのビジネスモデルは「押し付け販売」と「土地の購入」が特徴であり、ものを売ったり、会社を売ったりという普通の営業は苦手なのだろう。誰しも買い物は楽しいのだが、ものを売るのは難しい。



実際に、西武を買う動機が一番強いのはロッテではないかなとも思うのだが(赤字縮小策)、ロッテは、セリーグのチームの方を買いたいのだろう。

しかし、ダイエー問題も西武問題も時間切れで来年に突入するのかもしれないが、来年はまた別の問題が起きるだろう。セリーグの方でも大方のチームは巨人戦のテレビ放映料頼りのわけで、交流戦の結果、巨人戦が減ってセリーグ側にも赤字球団が発生しそうである。今は巨人戦14試合で20億円位の収入があり、これが何試合か減り、さらに巨人戦の契約料が引下げられる可能性もある。

では、どうすればいいのだろう。

個人的には、Jリーグとの大きな差は、「昇格、陥落制度」にあると思うので、1リーグの変形として、上下2リーグ(もちろんその下に3、4リーグ目があってもいい)制にして、6チームか8チームかの単位で上下2チームずつ入替のようなスタイルがいいと思っている。レベルも上がるはずだ。1リーグ制の問題点として消化試合が早々と始まることが言われているのだが、「入替制あり」となると話は別だ。

もちろん、そうなると球団の資産価値は激落する。球団を買ってもいつまで一部リーグにいられるかわからない訳だからリスキーだ。逆に、3部とか4部リーグにでも参加してしっかり稼いでいい選手を集めて、上のリーグに上がっていけるという仕組みを作っておけば、参入チーム数は増え、ファンも拡大するのではないかと思う。

また、多くの球団が高額なドーム球場の建設に走ったわけだが、500億から700億円の建設費をまかなうことは無理なのだろう。だいたい6月の梅雨時には試合を休めばいいじゃないかと思うのだが。

で、6月にやることは何かといえば、4、5月に不振だった選手や監督のトレードや入れ替え、赤字チームの売買など、球場外のプレーを楽しめばいいのかもしれない。  

藤田アキト展&藤田喬平展at大阪

2004-11-08 22:00:38 | 美術館・博物館・工芸品
cde2b578.jpg友人、藤田アキト画伯の個展の第二弾が、場所を大阪に移して開かれる。弊ブログ10月11日付け「アキト meets 喬平 in dream-box」で紹介したとおり、今年9月18日に亡くなられた、父であるガラス工芸作家、藤田喬平氏の「手吹きガラス創作展」と連続しての開催になる。東京会場では同時開催であったが、大阪なんばの高島屋大阪店での大阪シリーズでは、アキト君の方が、11月17日から23日まで、続けて喬平氏の方は11月24日から30日までである。


藤田アキト氏の最近のテーマは「気のエネルギー」と「優しさの光」である。



彼からのメッセージです。

ごあいさつ
世界に満ちている優しさの光を描きたいと思っています。
何卒ご高覧くださいますようお願い申し上げます。

一方、藤田喬平氏の作風は、「絢爛豊潤」である。そして、もう会場に本人が現れることはないのである。

東京会場では、父子ともに、作品はどんどん成約していたようである。  

サハリン1、日本向け天然ガス供給の中止の背景

2004-11-07 22:02:17 | MBAの意見
7a911761.jpg11月2日から3日にかけ、多くの一般紙で報道されていたサハリン1の日本向け天然ガス供給の白紙化について考えてみた。数年前、利権のおこぼれを狙って調査していたのだが、やっとの思いで函館の代理店ルートにたどりついた時には既に利権化が進んでいて、やむなく工作をギブアップした時の資料を読み直してみる。

まず最初に一言だが、原油やガス田の開発などというもの、問題の塊である。環境破壊も半端じゃないし、利権の分配から、国際問題までありとあらゆる価値観の人が登場するので、一つ一つの善悪を考えるのは難しい。自分で掘らねば誰かが掘るだけだし、環境保護といっても意味がない。先住民やコクジラの生態系はだいなしなのだが、あまり感情移入せずに、説明してみる。

まず、サハリンの開発状況だが、実は、ぐるっと一周とりまく大陸棚のすべてが鉱区になっている。それをサハリン1からサハリン9までのエリアに割り振っている。すでにサハリン6までは採掘権を持つ会社が決まっている。サハリン1とサハリン2は、サハリン北東部の1区画の中に共存している。というか最初に試掘した何本かの井戸をエクソンモービル(サハリン1)とシェル(サハリン2)に分け与えた形にしている。

ではサハリンの埋蔵量の総量はどれくらいだろうかというと、正確には誰にもわからないのだろうが、結構多いのではないかと思われている。なにしろエクソンとシェルという二大メジャーが血眼をあげているのだ。サハリン1はエクソンモービルの出資が30%、日系のサハリン石油開発(公団、伊藤忠、丸紅)が30%、インドの会社20%、ロシアの会社2社20%という構成だ。がっかりする話をすると、このサハリン石油開発という日系企業の出資金の大半の1100億円は国際協力銀行からの融資だが、そのカネの出所は郵便貯金と年金だ。投資ではなく出資金なので、利子分は配当で支払われるものの、元本は返ってこない。遠い将来、油田を掘り尽くした後に会社解散して返ってくる。もちろん開発に失敗すれば、配当もなければ、元本もなくなる。

シェルが中心のサハリン2では三井物産、三菱商事が一枚噛んでいるのだが、サハリン最南部まで原油とガスの陸上パイプラインを敷設し、そこからタンカー出荷を予定している。

一方、エクソン系のサハリン1は、原油は対岸のロシアまで短いパイプラインを敷設し、一方、ガスは長躯、海底パイプラインで稚内沖から日本海を通り、石狩市からいったん日本へ上陸し、札幌近郊から苫小牧を通った後、再度海底パイプラインとして太平洋岸を南下し、九十九里海岸(白子)から再上陸すると言う壮大な構想だったのだ。完成予定は当初は2008年、その後2010年に変更になり、さらに。とうとう中止になりそうだ。

なぜ今回、日本向けが中止になり、原油と同様に大陸向けパイプラインになったのかということかなのだが、最大の問題は、漁業補償の問題のような噂が聞こえてくる。日本の漁業に被害があるかと言われれば、海底パイプラインによる影響はまずない。それで当初エクソンはパイプライン構想を打ち出したのだろう。しかし、今のところ高額な漁業賠償金が要求されているらしく、デッドロックになったのかもしれない。なぜ、もめるのかと言うと、いわき沖ガス田開発で、まずい補償の前例を作ったからだろう。くわしく書くと江戸前の穴子の餌にされそうなので書かないが、巧妙にやっているようだ。今回も、ここぞとばかり多大な補償金を要求したのだろうが、それでは事業がなりたたず、日本向けは止めたということだろう。

日本企業や日本のカネがないと開発できないはずだったのに、今さら中国や韓国向けでは困ると言う声もどこからも聞こえてこないのではあるが、今度のエクソンモービル側の「脱日本戦略」は経済産業大臣に対して「早く漁協問題を解決しなければ、日本にはガスは渡さないぞ」というゆさぶりをかけてきたのだろうと思う。しかしサハリン石油開発社の単独の問題としては、仮に、日本にガスや原油が来なくても、中国や韓国に販売して投資に見合うリターンがあればいいのだろう。

奇妙なことに、ロシア側のパイプライン構想の図面を見ると、パイプラインは中国から、北朝鮮ピョンヤンを通った後、ソウルまで行くことになっているが、朝鮮半島の事情を知らないのだろうか、それとももうすぐ統合されると信じているのだろうか。

実際には被害のない漁業補償の問題を外国企業に対して持ち出せば、結局はこういう結果になるのは当然なのだろうが、今、パイプラインを敷かない限り、今後のサハリン3から9までの開発分も安定的に日本には供給されない確率が高い。もちろんLNG(液化天然ガス)による輸送は可能だが、船による輸送となれば、世界のどこへでも向うことになる。フィクサー鈴木宗男は別のおつとめが決まっているし・・・  

スギヒラタケにも「縄張り」問題か?!

2004-11-06 22:04:01 | 市民A
68c110eb.jpg主に野生のキノコ「スギヒラタケ」を食べて、脳症を発生する人がでている。9月以来2ヶ月で46人の方が発症し、実に14名の方が亡くなられている。致死率は30%と高い。特に46名中43名の方は腎臓疾患をもっていて、かなりの因果関係があるというように思える。原因不明と言われているが、要はこのキノコを食べなければ発症しない。秋なのだから、他にもキノコは大量にあるわけだし、ほとんどが野生であり、経済的損失など微々たるものである。たまたま、薬事関係の方に聞いて見たら、原因の推定の他、思いもかけない話があったのだ。

まず、原因だが、新聞等ではウイルスや細菌説も書かれているが、たぶん違うだろうとのこと。第一、未知のウイルスが山林から出てきたらそれこそWHOマターだそうだ。エボラ出血熱みたいな話ではないだろうとのこと。それで原因はというと、異常気候でキノコに微量含まれていた毒性が増したのだろうとのこと。成分が変わるのがキノコの特性とのこと。地域的にも秋田から山形、新潟といった連続的な地域で発生していることからして、天候との関係が強いと思われるとのことである。
また、人間の解毒作用は肝臓で行えるものと、腎臓で行えるものの2種類があるが、このキノコの毒は腎臓解毒型であって、そのため、腎機能に障害がある方に発症が見られるのだろうと推定された。

次に、なぜ2ヶ月もほったらかしになっているかということだが、その方の推測では、役所の縄張りだろうとのことである。数年前のBSE騒動の時も、厚生労働省と農林水産省で責任の押し付け合いをしていたのを思い出す。さらに厳しく言えば、前回は狂牛病の牛が見つかった段階で、人間に発病したということではなかった。スギヒラダケは既に14名も犠牲者が出ている。

ここから先は単に私の憶測が続くのだが、調べてみると、厚生労働省と農水省林野庁の対応を次のとおりだ。
まず、厚生労働省は、各保健所あてにスギヒラタケについて「腎機能が低下されている方への安全性が確認されるまでの間、これらの方々に対しスギヒラタケの摂取を控えるよう注意喚起をお願いします。」と文書を出している。また林野庁は「厚生労働省が注意喚起を通知したので、その自生している特徴はしかじか」という文書をプレスで流している。

まったくふざけた書き方だと思うのは、厚生労働省の発表した文書は添付書類も付いて12ページにもなる。早い話が「スギヒラタケを食べないように」と書けば、わずか15文字だ。それに「安全性が確認されるまで」といっても安全でないのは明白である。さらに「摂取を控えるように」というのは遠まわし過ぎる表現で、少しなら食べてもいいようにも受け取れる表現だが、それはキノコ1本ならいいのか2本までならいいのかとか考えてしまうではないか。また、保健所長に指示をしても、患者の情報が保健所に来るときは手遅れということではないか。

また林野庁がキノコの特徴を示すに留まるというのも、無責任と思える。確かに日本の法律では毒キノコを採取したり、食べたりしても法律にはふれないようである。また林野庁は山や森林の管理はしていてもキノコの管理はしていないということだろう。

さらに付け加えると、スーパーでの販売自粛をお願いするとしたら、経済産業省の管轄だ。

では、どうすればいいかといえば、名案はあまりないのだが、法律の裏道のような作戦ではあるが、暫定的に環境庁がスギヒラタケを「希少生物」に指定してしまい、採取禁止にしてしまうというのはどうだろう。それなら直ちに大臣名でできるはずだ。それなら、採取すること自体が違法になる。もちろん今年の秋を乗り越えられれば、来年までには原因は特定されるだろうから、それまでの暫定と考えればいい。採取しなければ患者も出ないはずだ。

とここまで書いてから、希少生物を保護する法律を調べてみると、まったくきちんとできていないことに気が付いたのだが、何とか既存の法律群の中で、一種類のキノコを指定することぐらいはできるだろう。利害関係者がいるとは思えないし。

早く!! 秋はおわってしまう。  

献血センターに集団で訪れる元気会社社員にバラ色の未来を!

2004-11-05 22:05:26 | 市民A
25bdac96.jpgブロガー「ガ島通信」さんの10月28日付「献血もしましょう」に同感の意を表し、献血に行かねばと思いながらも、毎日飲んだくれているとDMが届いた。次のとおりだ。

*400ml献血のお願い*
 いつも献血にご協力いただき心より御礼申し上げます。
 たび重なる台風の上陸と、先日発生した「新潟県中越地震」のため東京都内・近県及び新潟県では例年にない輸血用の血液不足が続いております。ご多忙中恐縮ですが、是非400ml献血のご協力をお願いいたします。

「言われる前にやるように」というのは、中学校の時、口うるさい教師に言われた記憶のある言葉だが、手遅れだ。こうなれば、何とか調整して行くしかない。退社後、渋谷のSHIBU2センターへ向う。渋谷駅南口を出て左側の横断歩道橋を渡り、左側にある一階にメガネスーパーの入ったビルの8階だ。数年前、骨髄バンクのドナー登録した場所だ。そして、エレベーターを降りると目がくらむほど明るいフロアーが待ち受ける。受付の人に献血手帳を渡すと、問診票や本人確認を行い、さらに予備的な血液検査の結果、超近代的な献血ベッド(チェア)に横になる。渡された「献血後のお願い」を読むと、献血直後は飲酒、スポーツ、重労働、階段を上ることはダメと書かれている。直後とは1,2時間のことだそうだが、1時間と2時間ではだいぶ違うのだが。

こういっては何だが、400mlはちょっときつい。200か400かという選択ではなく300というのがあってもいい。いつも最後の100のところで時間がかかる。ヨレヨレになるような気がする。時間がかかってもいいように、小型の液晶テレビが見られて、”山上兄弟のてじにゃーな”などやっていたのだが、まああまり楽しむ気分にもなれない。心配性のものだから、そばに担当の女性がいないと、無限に血液をポンプで吸い取られるのではないかと思ってしまうのだが、不思議に終了直前に現れる。

献血終了後10分位、ソファーに座って水分の補給などしていると、エレベーターからどやどやと若い男女の集団が登場した。渋谷の会社といえば、ファッション系かIT系なのだろうが、このグループはIT系に間違いない。20代の男女が6人と30代中ごろの女性が一人。課長のようだ。楽しそうな雰囲気は、献血のあと宴会なのだろう。禁止項目の一だ。

渋谷のITといえば、深夜残業が定番だ。実は昨年末に、あるレポートを完成するため、日本の現状を知ろうという意図で、渋谷駅発25時30分の国道246号線方面の深夜帰宅バスに乗ったことがある。年末の12月の金曜の25時30分なら全員が酔客かと思っていたのだが、何と何と、半分以上の乗客は、ダークスーツの男女。バスに乗ると、無言でパソコンを開き、仕事の続きを始めているでは・・・
その時は、本当にこの国に未来があるのかって思わず嗚咽が出てしまった。今年もまた年末には定点観測してみようかとも思っている。
でも、きょうの献血の後は、お仕事はナシ(だろうね)。

ビルを出ると、さっきの横断歩道橋の長い階段を上らなければ駅に戻れない。階段は禁止項目だがしょうがない。えいっ、よろよろ、えいっ、よろよろ。満員の電車で帰宅すると、暑い風呂に入り、またぐびぐびと飲んでしまった。禁止事項の山盛りだ。やれやれ(と村上春樹風に)  

スペシャルオリンピックスにかけるナイトクラブ社長

2004-11-04 22:08:10 | 市民A
46d51a34.jpg10月31日弊ブログ「6421万対1500万って?」に書いた愛知博は人知れず進行しているのだが、来年2005年2月26日から長野で開かれる2005年冬季スペシャルオリンピックスもまた、一歩一歩開会式に近づいている。あまり騒ぐ人もいないので、実は私も、赤坂の”将棋の指せるナイトクラブ”「ク・・・・プ」のI社長に教えてもらうまで知らなかった。自分の無知と反社会性に少し反省することになった。

このお店、れっきとした赤坂のクラブであり、造りも普通でカラオケも完備している。しかし、なんといってもお客様の大部分は、アマチュア将棋指しである。なんと飲み放題3000円で、カンバンまで将棋が指せる。現代は、将棋道場の大部分がネット将棋に押され経営困難になりつつあるのだが、何軒かのこうした「低価格で飲みながら仲間内で指せる場所」が、かろうじて生き残っている。ネット将棋も「お気軽で」いいのだが、ネットのこちら側で一人で飲むのもつまらないし、酔いが回ると負けてしまう。店で飲んでいれば、みんな同じように酔っていくので、相対的な酩酊度は一定だ。

実は、どういう経緯か現在、私は将棋連盟の”普及指導員”なるお役目を頂戴している関係で、サークルをいくつか持っている。その中でこの赤坂のお店での最初の集まりを10月29日に開いた。世間では、あちこちに「生と死」が渦巻く1日だったのだが、まあ市井の自分に直接できることも少ないし、と割り切り、文化活動の方だが、今回のグループ5人と社長や女将などと楽しい時間を過ごしているうちに、社長の2枚目の名刺にある「スペシャルオリンピックス日本」のことを話してもらった。聖火リレーにあたる「トーチラン」の実行委員をされているそうだ。

知的発達障害者を対象とした大会の起源はケネディ家に至る。JFKの妹に障害者がいたわけだ。1963年にアメリカで開始されたスペシャルオリンピックスの歴史は、「スペシャルオリンピックス・遠藤雅子著・集英社新書」に詳しいが、想像される通り、市民権を得るまでは苦難の道であった。IOCから正式にオリンピックの名前を認可されたのは1988年だそうだ。今回は長野である。夏冬合計19回の大会の中で、アメリカ以外で開かれるのは4回目だ。2年後の2007年は夏季大会が上海で予定されている。そして長野はオリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスという3つの大会を開くことになる。80カ国2500人位の選手が参加する。詳しくは大会HPで確認してほしい。

実は知的発達障害者のボランティアというとほとんどが家族に障害を持った人になってしまうのが現実だ。確かに、日頃、障害者と接していなければ、難しいことも多いそうだし、もはや開催日間近で組織への参加ということを表明するには遅すぎるし、聖火のトーチランなどに参加するのも欺瞞的なので(それに冬季競技の手伝いなどとてもできるレベルでない)、個人的に、安い飲み代のおつりの気持ちで寄付金を払うにとどまることにした。次の将棋の例会の際は、会費に上乗せをして、全員から強制的に取り上げてしまおう。


余談であるが、この社長も私も、既に六段免状の資格を持っているのだが、二人とも免状発行の申請を保留している。免状には、時の名人と竜王という二大タイトル保持者の署名が入るのだが、羽生善治、谷川浩司の二人の巨頭が揃うまで待っているのである。ちなみに現在は、両方とも森内俊之が独占している。タイトルの移動は年1回だ。私にはまだまだ、その日を待つ時間は十分だが、社長はどう思っているのだろう。当日は社長の63回目の誕生日で、バースデーケーキのお裾分けまでいただいてしまった。  

1 ShotLog-1 名古屋港の一隅

2004-11-04 22:06:47 | PHOTO
c08bf6c8.jpgきょうから、新しくフォトログ風の企画を始めます。不定期で週1位を予定。1葉の写真に、数行のコメントというスタイルです。略して、1ショットログ。(もちろん普通ブログはそのままです)
普通ブログも、もともと短いつもりが、長くなってしまったのではありますが・・
被写体は、海・街・建物・動植物などが中心です。

第一回は”名古屋港の一隅”

運河にかかる、跳ね橋です。
橋が降りるのは数日に一回らしい。
地下鉄名古屋港駅より歩いて7分。