スモーカーズ・パラダイスで

2004-11-25 21:32:54 | 市民A
999611a8.jpg先週の後半、西日本にある中小企業数社の用件で中国地方へ行ったが(事前にデータは収集していたので、実態を見てからレポートを作るといったこれからの仕事なのだが)、週末を利用して、帰りながら、観光地をあちこち見ながら帰ってきた。倉敷、岡山、伊部(いんべやき)、姫路(城)。
ブログ用のネタ・疑問・感想はいくつか持って帰ったが、それぞれ熟成期間が必要なので、徐々に書いてみるが、まずは、熟成不要な直接的な話。”新幹線喫煙車”。

21日(日曜)の午後3時過ぎに、姫路駅で東京行きの新幹線を予約しようとしたら、席がない。4時前の「のぞみ」には空席があるが、ただし「喫煙車」とのこと。禁煙車はさらに2時間待ちとのこと。困った。
以前、喫煙していたことがあるが、世の中が分煙方式になった後の「喫煙」スペースは悲惨だ。さらに最大の問題は、昨夜からアレルギー性鼻炎で、粘膜が腫れていること。しかし、2時間待ちはつらい。結局、「喫煙車両で予約しておいて、自由席禁煙車で空いている席を探す」という作戦を考えた。予約した「喫煙」車両は5号車だが、自由席は1-4号車なので2号車から乗って5号車に戻ることにした。

新幹線は東京に向かって16号車が先頭で、車両ごとに随分混み方が違う。2号車と3号車は既に満席。4号車はずいぶん空いていると思ったら「喫煙車」。つまり、この電車はガラガラの喫煙車と満席の禁煙車という組み合わせで東京へ向かうのである。まあ、自分で選んだのでしょうがない。

三人掛けの真ん中の席だったが、結局、通路側の人は一度も吸わなかった。私と同じ非喫煙者なのだろう。よく見ていると、喫煙者は喫煙車両の中の一部だということがわかる。JRだって、灰皿を調べれば、わかるだろう。それと、窓側の人はなんと三人が交替した。3人で4本だった。車内を観察すると、だいたい、駅に近づくと煙幕が上がり、吸っていた人は、煙だけ残して降りてゆく。乗ってきた人は煙の中で顔をしかめて自分の席につくが、案外すぐには吸わないようだ。結局、「喫煙車ではなく混煙車」のようになっている。もう少し禁煙エリアを多くした方がJRの収入増にもなるのかな?ならないのかな?

まあ、私の鼻炎は翌日には全快していたが、時刻表で調べると、新幹線の「喫煙=禁煙車両比率」は、路線別に違うことがわかる。まず、東海道・山陽新幹線だが、のぞみ16両のうちグリーン車で1/3、指定席で3/10、自由席で1/3が喫煙車両。約30%をイメージしていることがわかる。次に東北新幹線やまびこ16両で、グリーンで0/2、指定で2/8、自由で1/6で、20%をイメージしている。上越新幹線とき10両では、グリーンで0/1、指定で1/4、自由で1/5、これも20%だ。

やはり東海道・山陽新幹線は喫煙車比率が約10%分、高いことがわかる。


たばこの話のついでだが、ブータンは12月17日から、禁煙国家になるそうだ。しかし、あまり喫煙者を追い詰めるとよくないかもしれない。ニコチン切れによる犯罪増加とか、「ヤミたばこ」による暴力的組織の資金源となる可能性もあるからだ。

虎ノ門にそびえる日本たばこ産業の入る地上35階建て、高度170メートルのタバコビルを見ると、大納税者である巨大産業であることが感じられる。税額は約2兆円。国税と地方税が半分ずつだ。国税分の1兆円は国家税収の2%だ。タバコ依存症は、個人の問題だけではなく国家の方も同病かもしれない。

ところで、すでに時効の話だが、高校の頃、周りの大勢に吸い始めさせた加害者なのだが、二十才台の中頃で止めてしまった。最初から吸わなければ良かったかもしれないが、しかし、一度はスモーカーにならないと戦後日本の生んだ天才歌人、寺山修司の名歌はイメージができなかったかもしれない。

マッチ擦るつかのま海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや

数十年ぶりに高校の頃の友人と会うと、言われた。「お前のせいで、タバコ始めて、補導されたり停学になって、数十年間経ってもやめられないというのに、先にやめるのはズルいぞ」って。

これに対する適切な回答がある。
「自己責任!」。