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モータースポーツを考えた場合、アメリカでは、主に楕円形のオーバルコースで行われるインディカーを始めとする各種レースがある。欧州ではF-1だ。日本人のメンタリティで較べれば、オーバルコースをぶんぶん飛ばすだけという米国式はとても人気を得ていないと思える。しかし、米国で参戦しているエンジンメーカーはトヨタ、ホンダ、シボレー(GM)の3社だがGMは撤退しそうだ。中でも圧倒的にトヨタが勝っている。しかし、F-1でのトヨタの超不振は、一体どういうことなのだろうか。エンジンの質の違いなのだろう。
また、どんなスポーツでも自分で疑似体験が可能な方が楽しい。箱根の坂道をドライブする楽しさは欧州の曲がりくねったサーキットに似ているが、アメリカのオーバルコースと日常的に似ているものはない。
ところでF-1で使われているエンジンの排気量はどれ位か知っているだろうか?。あの300KM/H近いスピードから5000CC位を推測されるかも知れないが、現在は3000CC以下である。排気量だけならタクシーみたいなものである。これも1950年台の4500CCから段階的に小さくなっている。80年代後半は1500CCのホンダターボエンジンが全盛になり、ホンダバッシングがおこり、ターボは禁止になった。また、もちろんクルマはエンジンだけではなく、タイヤやギアやその他のハイテク設計の結晶なのだが、ルール(レギュレーション)は年により大きく変化する。理由が明確な場合もあれば、前述のホンダターボの時のように表向きの理由と異なる小賢しい理由の場合もある。
さて、2004年を振り返ると、2003年と同様、M・シューマッハとフェラーリが大勝利の年であったが、ひたひたとホンダがポイントを稼ぎ、次シーズンに向け期待をふくらませたわけだ。一方でチーム数の減少も危機的な問題が残る状況だった。ピーク時の半分の7チームになるという噂があったが、何とか今のところ10チームのまま減らないようだ。そんな中で、2005年のレギュレーションの変更と2006年の変更予告が発表になった。内容を見ると、やはり第一は、なりふり構わずのコストダウンという観点。そして第二はシューマッハバッシングかと思える。
2005年度の変更の最大のポイントは、「タイヤ交換の禁止」である。もちろんパンクの場合は交換可能だが、挽回不能のペナルティがつき、完走だけが目標になる。タイヤメーカーへの負担は増えそうだが、これによりピットクルーの要員数は大幅に減らすことができる。同時に4本のタイヤを交換しなければならないため、クルーの必要人員はタイヤ交換で決まる。レース中に交換しないならゆっくり1本ずつ交換すればいい。また、細かな話だがエンジンの基数も2レースあたり1ドライバー1基となったり、テスト走行日数の減というようにコストカット方向の変更が大部分だ。
一方、さらに翌年の2006年の変更が予告されている。最大のポイントは、排気量の縮小化だ。2400CCのV8エンジンだ。さらに車体搭載のハイテク装置は90年代から次々に禁止になっているが、ついにセミオートマテックトランスミッションが禁止になりそうだ。簡単に言うとAT車からマニュアル車になるということである。この辺の事情は、公式の理由はともかくとして「シューマッハ、フェラーリいじめ」だろう。強すぎることにより人気がなくなるというのは、どのプロスポーツでもおこる話で、もっとエキサイトなレースを目指そうということだろう。このへんは欧州的な感じがある。ただ早く走ればいいというのではなく、レースの基本に戻ろうということだろうか。
しかし、本当に負担がかかるのはレーサーの方だろう。ヒール・アンド・トゥとかパワースライドとかのテクニックでタイヤを酷使すれば、タイヤは磨耗し、いずれグリップを失うし、燃料の補給もなしにしたいとなると、燃費を考え、むやみにアクセルは踏めないし、誰が勝つかわからないように拮抗したレースだと、他車をマークするにも戦略的に色々頭を使わなければならない。マニュアルになるとコーナーリングでハンドルから片手を離さなければならず、車体の安定性は低下する。もちろん期待を裏切ればボコボコに批判されるのは今と同じだ。
しかし、2006年にトヨタにチャンスがくるのかといえば、やっぱり「大味」では無理かなって思いたくなる。ルノーの大勝利でカルロスゴーンが高笑いするのだろうか?それとも日産・ルノーのジョイントチームになるのだろうか。
一方、経済的負担に耐えかね、次々に下位チームの存続が危機に陥るのは費用が高額になっているからだ。正確にはわからないが、1チームの費用は約200億円位と言われる。事情はそれぞれ違うが、エンジンメーカー(フェラーリ、ホンダとか・・)が約半分位負担し、スポンサーが残りを負担しているらしい。上位チームのヘルメットに小さなロゴを入れるだけで、1億円と言われる。基本的にF-1はモータースポーツであるが、同時に巨大な広告産業なのである。そして直接的にスポンサーに返ってくるものは何もない。計測不能な宣伝効果だけである。
プロ野球では、パリーグの恒常的赤字状態がついに爆発したわけだが、6チームの赤字を合わせるとF-1の1チーム分くらいだ。しかし、パリーグの場合は、もしかすると黒字になるかもしれないという「幻想」が手術を遅らせたわけだが、F-1のスポンサーの場合は、費用を埋めるものは、宣伝効果以外に何もないのは明白だ。
さて、2006年のレギュレーションの大変革の前に2005年シーズンがあるわけだが、「タイヤ交換なしルール」が、レースを面白くするのか、あるいは、「うさぎとかめ」の寓話のように、最初からノロノロ走ったマシンが「最後には勝つ」ようになってしまうのか予測がつかない。個人的には、「カメの子レース」だけはお断りだが・・・・・
さて、2004年を振り返ると、2003年と同様、M・シューマッハとフェラーリが大勝利の年であったが、ひたひたとホンダがポイントを稼ぎ、次シーズンに向け期待をふくらませたわけだ。一方でチーム数の減少も危機的な問題が残る状況だった。ピーク時の半分の7チームになるという噂があったが、何とか今のところ10チームのまま減らないようだ。そんな中で、2005年のレギュレーションの変更と2006年の変更予告が発表になった。内容を見ると、やはり第一は、なりふり構わずのコストダウンという観点。そして第二はシューマッハバッシングかと思える。
2005年度の変更の最大のポイントは、「タイヤ交換の禁止」である。もちろんパンクの場合は交換可能だが、挽回不能のペナルティがつき、完走だけが目標になる。タイヤメーカーへの負担は増えそうだが、これによりピットクルーの要員数は大幅に減らすことができる。同時に4本のタイヤを交換しなければならないため、クルーの必要人員はタイヤ交換で決まる。レース中に交換しないならゆっくり1本ずつ交換すればいい。また、細かな話だがエンジンの基数も2レースあたり1ドライバー1基となったり、テスト走行日数の減というようにコストカット方向の変更が大部分だ。
一方、さらに翌年の2006年の変更が予告されている。最大のポイントは、排気量の縮小化だ。2400CCのV8エンジンだ。さらに車体搭載のハイテク装置は90年代から次々に禁止になっているが、ついにセミオートマテックトランスミッションが禁止になりそうだ。簡単に言うとAT車からマニュアル車になるということである。この辺の事情は、公式の理由はともかくとして「シューマッハ、フェラーリいじめ」だろう。強すぎることにより人気がなくなるというのは、どのプロスポーツでもおこる話で、もっとエキサイトなレースを目指そうということだろう。このへんは欧州的な感じがある。ただ早く走ればいいというのではなく、レースの基本に戻ろうということだろうか。
しかし、本当に負担がかかるのはレーサーの方だろう。ヒール・アンド・トゥとかパワースライドとかのテクニックでタイヤを酷使すれば、タイヤは磨耗し、いずれグリップを失うし、燃料の補給もなしにしたいとなると、燃費を考え、むやみにアクセルは踏めないし、誰が勝つかわからないように拮抗したレースだと、他車をマークするにも戦略的に色々頭を使わなければならない。マニュアルになるとコーナーリングでハンドルから片手を離さなければならず、車体の安定性は低下する。もちろん期待を裏切ればボコボコに批判されるのは今と同じだ。
しかし、2006年にトヨタにチャンスがくるのかといえば、やっぱり「大味」では無理かなって思いたくなる。ルノーの大勝利でカルロスゴーンが高笑いするのだろうか?それとも日産・ルノーのジョイントチームになるのだろうか。
一方、経済的負担に耐えかね、次々に下位チームの存続が危機に陥るのは費用が高額になっているからだ。正確にはわからないが、1チームの費用は約200億円位と言われる。事情はそれぞれ違うが、エンジンメーカー(フェラーリ、ホンダとか・・)が約半分位負担し、スポンサーが残りを負担しているらしい。上位チームのヘルメットに小さなロゴを入れるだけで、1億円と言われる。基本的にF-1はモータースポーツであるが、同時に巨大な広告産業なのである。そして直接的にスポンサーに返ってくるものは何もない。計測不能な宣伝効果だけである。
プロ野球では、パリーグの恒常的赤字状態がついに爆発したわけだが、6チームの赤字を合わせるとF-1の1チーム分くらいだ。しかし、パリーグの場合は、もしかすると黒字になるかもしれないという「幻想」が手術を遅らせたわけだが、F-1のスポンサーの場合は、費用を埋めるものは、宣伝効果以外に何もないのは明白だ。
さて、2006年のレギュレーションの大変革の前に2005年シーズンがあるわけだが、「タイヤ交換なしルール」が、レースを面白くするのか、あるいは、「うさぎとかめ」の寓話のように、最初からノロノロ走ったマシンが「最後には勝つ」ようになってしまうのか予測がつかない。個人的には、「カメの子レース」だけはお断りだが・・・・・