人口問題の第二弾は、ちょっとシリアス

2004-11-24 21:34:39 | MBAの意見
人口問題を調べるのに便利な数字が総務庁統計局から発表されているが、その中で世界の男女人口比率をしらべていると、少し気になる数字が見えてきた。

普通、男女の数は同数と思われているが、結構違う。原因は二つある。一つ目は、男女の出生率が違うということだ。男の方が少し多い。二番目の原因は女性の方が長寿であるということだ。言い換えれば毎年の死亡率が男性の方が少し多いということだ。結果として、子供の頃は男が多いが、年をとって老年に達すると、女性の方が多くなる。

現在の日本の場合、男女の数が同数に均衡するのは49才である。若いときに女性にモテなかった男性も、毎年、学校の同窓会に出席を続けていると、50才になるとモテはじめる理屈になる。さらに80代になると、生き残った男は女性の1/2、90代では1/3になる。生きているだけで人気殺到のはずだ。もっとも、たがいに相手の顔の見分けがつけばの話だ。
またモテる男のまわりには女性が集まるという原則があるので「女性独り占め男」現象は何歳になっても変わらないのかもしれない。

ここから話はシリアスな方向に進む。

男女出生率を比較すると、人類は2つの国を除き、世界中ほとんど同じ比率であることがわかる。女性100.0に対し、男性105.0だ。最近の日本は104.9だ。人口大国インドも105.0だ。どの国でも105.0プラスマイナス0.2の中にある。ただし、二つの国を除いては。

一つ目の例外国は、米国である。男児比率は、104.5。200人に1人の割合で他国に対して男が少ない。誤差のような誤差ではないような数字だが、たぶん意味がある。完全な推測だが、国籍選択権を広く与えている国だが、親が国籍権を行使する際に、男性の場合、非米国籍を望む比率が少し高いのかなって思う(この推測には根拠はない)。

二つ目の例外国は、中国である。実は統計上、大きく男女比は違う。女性100に対し、男性比率は約120である。通常より15%男性比率が高い。実際は女性比率が低い!ということであろう。これは統計誤差というような範疇ではなく、何かのはっきりした原因があると考えられる。

原因の一つは、未登録の問題である。中国では「黒子」といわれる。一人っ子政策の影響で、男児が生まれなかった場合、女児を登録せずに次のこどもを望むということである。このケースの場合、実際の人口は、公表数よりも多いことになる。学校にも行けないし、パスポートも正規には手に入らない。

しかし、15%の差のすべてを「黒子」で説明できるのかどうかはわからないが、実際の人口がそれほど違っていると、あちこちに問題が起きそうなものなので、大きな差を説明するには、別の理由を考えざるを得ない。が、私にはこれ以上の想像はできない。後世の中国研究家が明らかにすることなのだろうと考えるが、案外、中国経済に押しまくられてしまうと、米国が追及を始めることになるのかもしれない。