「写真が伝えた戦争」展は・・

2005-06-05 22:28:25 | 美術館・博物館・工芸品
322694ad.jpg新聞少年の像は、横浜関内にある日本新聞博物館の近くに立つ。新聞博物館に行ったのは、「新聞少年と新聞拡張員の関係」を歴史的に調べようと思ったからではない。6月26日まで「戦後60年・写真が伝えた戦争」展が開かれている。主に、満州事変以降の極東での戦争の報道写真を、共同通信がデーリー・ニューズ社より入手し、公開することにより過去の戦争を振り返ろうという企画だ。約200点。真珠湾、太平洋、中国、沖縄での激戦、朝鮮戦争の悲惨さを、戦闘直後の重なり合う戦死者や降伏した兵隊、占領された地の住民、捕虜、連行されるスパイ、原爆・・・。

1枚の写真でも戦争を語るに十分なのだろうが、無数のモノクロが語りかける。そして、死者の山。

革新っぽい街、横浜だから、こういうのが公開されるのだろう。東京で開催したら、展覧会の開催自体が賛否沸騰するだろう。修学旅行生や、横浜観光の個人客が会場には多いが、多くの写真に思わず予定時間を過ぎてしまうようだ。今、イラク戦争での捕虜の扱いとか問題になっているが、写真展を見る限り、戦場にはルールはない。降伏しようとしてもハチノスにされた兵士の方が多いのだろうと思ってしまう。

一方、新聞博物館の常設展の方は、新聞社側の都合のいい部分が展示されていて、配達制度は肯定的に表現され、新聞拡張員の話はまったく存在しない。ドイツやソ連や中国の新聞が、政府ご用達になったという事実は表現されているが、日本の戦時下のことは書かれない。広告の面積比率が新聞紙面においてどんどん広がっていったことは触れられていない。新聞の広告が増えることにより、段々厚くなり、また、重くなり、新聞少年は苦労し、南洋材は伐採され、森林破壊につながっていると思うが誰も語らない。

一方、驚いたことに大手新聞社はこぞって「航空部」なる部門を持っている。多くのヘリを持っているところまでは知っていた。例の事故現場荒らし行為だ。そしてさらに小型のプロペラ機やジェット機まで数機ずつ持っているそうだ。持っているだけでなく、いつでも使えるようにしているのだろうから、維持コストは相当高いだろう。そこまで求めている読者はあまりいないのではと思ってしまう。ヒマなときは、離島への新聞輸送にでも使ってみたらいいかもしれない。

航空部の紹介のところで、各新聞社の飛行機の機数が公表されていたが、日経新聞の記載がないのだが、飛行機は持っていないのかな?と思ってしまう。まあ、経済の実態は数字で読むべきもので、空から撮影するものではないのだろう。それに、日経には、その代わり「小説部」があるらしい。部長は渡辺淳一氏だ。

意外であったのが、大事件を報じる新聞の一面記事だが、僅か数年前の事件でも、今の感覚で考えれば、「的外れ」な解説記事も多い、といったところか。そして、新聞紙というのは、ずいぶん変色が激しいようだ。数年で、黄色くなってしまう。そういう意味で、早々と歴史の審判で的外れになる記事には、早々と劣化して黄ばんでしまう物理的紙面は、お似合というべきなのだろうか。英語でイエロー・ペーパーというのはこのあたりに語源があるのだろうか(どうかは全く知らない)。

名人戦第5局と経営諮問委員会

2005-06-05 22:26:09 | しょうぎ
736fd56e.jpg1.名人戦第5局(羽生勝ち)の棋譜と解説は、こちら
羽生挑戦者2勝、森内名人3勝で7番勝負はあと2戦。
実は、人気者の羽生が名人になるかならないかで、段位免状の売上げがかわるらしい。免状に墨で署名するのは、名人と竜王と連盟会長なのだが、羽生は現在、そのどれでもないのだ。(だからといって、主催者の将棋連盟は、一方だけを応援できないし)

2.泥沼選挙で中原誠前会長を失脚させた、米長新会長の新施策の目玉が「経営諮問委員
会」設置だった。社外取締役のようなものだろうが、人選で失望。
中原伸之氏といえば、以前、(株)東燃社長の時、あまりに日本的経営方針であり、親会社のエクソンから追い出された人物。将棋は実力五段だが・・
ちなみに、彼の宿敵は、当時エッソ石油(日本)社長で、以後エクソン、シティバンクで副社長を歴任したあと、新生銀行社長になった八城氏である。

要するに、中原伸之氏は古きよき日本を代表するセブンティーズだ。
  
都知事との交遊も深いとは聞くが、視線を若い人におかなければ、文化は廃るだろう。

選挙の結果、米長派、中原派、内藤派、若手グループと4派が二人ずつ理事を送り込んだ現状では、何も決まらずにズルズルになってしまうおそれもある。

それよりも、引退棋士が正式メンバー(社員)で女流棋士がメンバー外(非社員)であることも改善しなければならないのだろうが、引退棋士を将棋連盟から引退させると、米長会長自体が引退しなければならなくなるわけだ・・

3.月刊詰将棋パラダイス誌に掲載された作品。15手詰(画像)。
選評は「序奏に工夫を感じる」。あっさり作品。解答者に賞品は、ナッシュビル。