死せるムンク、生者の欲望を走らせる

2005-06-09 22:15:58 | 美術館・博物館・工芸品
354e616c.jpg去年から、死せるムンクが走っている。最新のニュース(6月4日)は、まさに驚愕が・・

(共同:6月4日)
 ノルウェーの画家エドバルト・ムンクのこれまで知られていなかった作品とみられる絵画がドイツ北部のブレーメン美術館で見つかり、同美術館が4日までに公開した。1898年製作で、同美術館が保有している唯一のムンクの作品「死せる母」の修復中、表のキャンバスの下に別の絵が描かれているのが見つかった。
 いすに座る裸の少女の前に仮面のような男性3人の頭部が浮かんでおり、「少女と三つの男の頭」と名付けられた。


つまり、ブレーメン美術館の”お宝”を補修しようとして、額からはずしたら、どうもキャンバスが2枚張りになっているようだと、そおっと1枚目をはがしたら、2枚目が現れたということだろう。当然、3枚目があるかとは思っただろうが、なかったのだろう(この辺は全部推測)。

記者会見の写真では、色がはっきりしていなかったので、少し画像を復元して額縁も付けてみた。完成作なのだろうか?そしてなぜそんなところにあったのだろう。残念ながら1枚目の「死せる母」の画像は見つからなかったのだが、普通に考えるなら下の絵のほうが先にできていたのだろう。わからない。
ゴッホは、習作時代には貧乏だったので、一回描いた絵を塗りつぶして次の絵を描いたのは確認されているのだが、ムンクの二枚重ねには何か意味があるのだろうか?そうなると私のような凡人には見当がつかない。ムンクは母親の死の直後に多くの秀作を描いているのだが、それこそ「Why!ムンク」と「叫び」声を上げるしかないか・・

少し話は離れていくが、きっと、ムンクの作品を所蔵している世界中の美術館では、夜中にこっそりと額からはずして二枚目探しが行われることと思われるのだ。一枚買ったら、おまけにもう一枚ついてきたというのでは、まるであれではないか。

一粒で二回楽しめるのは、こどもの世界では「グリコのキャラメル」で大人の世界では「バ○ア○ラ」と思っていたが、「ムンクの絵画」もそうだったのだ。

そして、今年2005年3月には、ムンクの小作品3点(リトグラフなど)が移送中のノルウェー南部のホテルから盗まれた。幸いこれはすぐに犯人がつかまり、3点は回収されたのだ。しかしその半年前の8月22日にはオスロのムンク美術館から、世界に4枚あるうちの1枚の「叫び」と、1枚しかない「マドンナ」が武装強盗に奪われていて、現在も解決されていない。その時は、アテネオリンピックの頃で新聞では、「チョーキモイ男」の下のほうの記事になっている。

実は、オリンピックとムンクとは奇縁があり、リレハンメル五輪の時も記念展覧会の会場から、1枚盗まれている。これは身代金を払ったのではなかったか?(記憶に自信なし)

なぜ、オリンピックの時にムンクの絵画が狙われるのか考えてみた。
犯罪者にはムンクが好きな人間が多いのではないだろうか?(逆は真ならず)。そして、オリンピック期間中はチャレンジ精神が高まってくるのかもしれない。泥棒オリンピックの金メダルか・・

私も自宅を探して、何か1枚でも、はがせるものを探してみたが、何もない。はがせそうなのは、靴擦れでできた足の裏のカサブタぐらいだ。