次の手は?

2005-06-02 22:34:18 | しょうぎ
6e823965.jpg日本将棋連盟の棋士総会が、5月26日行われ、任期二年の会長職には突撃男こと中原誠氏に代わり、米長邦雄氏が選ばれた。中原氏は新設の副会長職ということになり残る6人の理事とともに会長を補佐することとなる。内実は、米長派、中原派、内藤派といった派閥抗争に嫌気を感じた若手グループと4グループが各二人の理事を当選させたため、今後、何かと決定事項が遅れるのではないかと心配になる。なにしろ、長期的な目標もさりながら、目前に迫った課題も多く、きわめて多難だ。なにしろ、棋士は個人営業であり、浮世離れの考え方の方も多い。将棋が強い人は、きわめて頭が良いかといえば、きわめて天才的なタイプときわめて普通のタイプと二分され、中間はいない。新理事8人のうち、この平凡派は中原氏1人で天才派が7人ということだ。

では直前の最大問題はといえばアマチュアの瀬川さん(35)のプロ入会問題だ。現在のプロ棋士は、養成所である「奨励会」の卒業者に年間4人の枠が与えられているだけなのだが、この瀬川さんは奨励会の卒業年齢制限の26歳を過ぎてからアマの世界で強くなり、対プロ棋士の成績が17勝7敗。そしてプロ棋界に入れないと具合が悪くなりそうな状況なのであるが、ルールを改定するには、またも利害関係がでてくるわけだ。とりあえず、テストをしてプロ入会の可否を決めるということになったのだが、テストの内容を近々決めなければならなくなっているが思考回路の違う人たちばかりなので・・

次に、女流棋士の問題だ。女流棋士は棋士ではないことになっている。つまり将棋連盟は社団法人であり、社員の総体が将棋連盟ということになるのだが、社員の資格は、現役の男子棋士と引退棋士ということになっている。なぜ、女流棋士が入っていなくて、逆に将棋を指さない引退棋士が入っているか、まともな説明は聞いたことがない。

このあたりは、米長体制になれば数ヶ月内で結論が出そうなので、それから考えればいいかと思う。


ところで、面白い記事が日刊スポーツに出ていた(5月23日)。

「高校職員が校内で賭け将棋、200万負ける」

宮城県教育委員会は23日、勤務時間外に学校内で賭け将棋をしていたとして、仙台市内の
県立高校の42歳と30歳の男性用務職員をそれぞれ停職6カ月と減給3カ月の懲戒処分とした。

8回の対局で「飛車角落ち」の42歳職員が全勝。30歳職員は消費者金融から借りるなどし
て計約208万円を払ったが、困り果てて上司に相談、04年11月に恐喝容疑などで仙台中央署
に告訴したが、同署は「立件は難しい」と回答した。

県教委によると、04年6月から10月にかけ、42歳の職員が対局を持ち掛けた。1回の賭け金
は10万~50万円。買い物に行かせて代金を立て替えさせ「将棋に勝ったら返してやる」な
どと言って対局に持ち込み、賞金は自分の自動車の修理代や旅行費用などに充てていた。

よく考えると、将棋とはあまり関係ないのだが、博打のエッセンスが詰まった話だ。順を追って考察。
1.賭け将棋は勤務時間外・・・ほんとうかなあ?
2.勝ったのは42歳で負けたのが30歳。・・年が逆なら深みにははまらなかっただろう
3.飛角落ち・・実力が大きく違うのだろう。飛車角落ちは五段と初段以上の差がある。勝ち目なし。
4.八連敗で200万・・賭金が大きすぎる。やるなら1局1000円くらいにしたら?
5.困って上司に相談・・相談は弁護士にすべきだった。
6.立件は難しい・・当然。違法行為をしていたのだし、博打に勝っていれば黙っていたはず。
7.警察に持込む・・正しい行き先は、裁判所だろうが、さて・・
8.処分・・博打で負けた上、減給3ヶ月とは痛すぎる。傷口にムチか・・・

  注意:飛角落ちは大きな差のように見えるが、攻撃的な大駒がなくても守備駒は全部揃っているため、なかなか弱い方は勝ちきれない。定跡書は多数あるが、すべて強いほうが指導でメシが食えるように、奥深いワナが多数ある。弱い方が勝つつもりなら、がっちり守ってカウンターを狙うべき(とサッカーのような話だが)。


で、宮城県の賭け将棋の話はジョークのようだったのだが、笑えない噂が入ってきた。前述の(悲しい身分の)奨励会員制度であるが、彼らはプロの卵であり、決してアマではない。それなのに、都下某所でこっそり行われている賭け将棋クラブに入り浸り、1局5,000円で生計にあてていたらしい(ただし、私が証拠を持っているわけではなく、単にうわさだが)。ついに発覚し、追放処分となった(らしい)。またも問題発生というわけだ。部外者の私の耳に入るぐらいだから噂は拡がっていくだろう。アマチュアに手を出しちゃいけませんね。