走る女、現れる

2005-06-01 22:35:27 | スポーツ
84192d88.jpgレッサーパンダが直立歩行したり、女性ゴールドメダリストが妙なところで開脚したり、ミンダナオ島で怪しい話があったりする今日この頃、23歳の女性ドライバーがインディ500に登場したところであまり驚くことでもないのかもしれないが、1周4キロのコースを200周するレースで終盤では一時トップを走り、おしくも190周目(あと10周)でガソリンセーブ走行に切り替えざるを得なくなり、結局4位フィニッシュしたというと、快挙であろう。ダニカ・パトリックさん(Ms.Danica Patrick)。インディ500史上16人目の女性ドライバー。過去の女性最高記録は1978年のJanet Guthrieの9位ということだ。
米国では、「男女同権」は与えられるものではなく、勝ち取るものなのだろう。もちろん「公民権」もそうだった。「自由の環」は押し付けようとしているのだが・・

ところでインディ500だが、世界3大レースの一つといわれる。「ルマン24」、「F1モナコGP」、そして「インディ500」だ。欧州を主戦場として世界を回る「F1」に対して、アメリカ国内中心のレースとしては、インディ500をメインレースとした「インディ・レーシング・リーグ(IRL)」と「チャンプカー・ワールド・シリーズ(カート)」の二つがある。IRLは、茂木(日本)で1レースあり、カートは韓国で1レースを行う。F1は19戦、IRLは17戦、カートは14戦だ。

そして、F1のエンジンは、ルノー・フェラーリ・BMW・メルセデス・フォード・トヨタ・ホンダと世界から腕自慢が集まるが、アメリカ系の二つのリーグでは、シボレー(GM)とホンダとトヨタの3社だけに絞られる。そして米国では今年はホンダエンジンが強い。アメリカのコースはだいたいが楕円形のオーバルコースで、ぶんぶん走るだけのところが多いのだがそうするとF1のようにコースが複雑なところとはエンジンの設計も変わるのだろう。しかし、F1の方では今年のホンダは睡眠中だ。トヨタは、どっちも中途半端だ。シボレー(GM)はもうおしまいかもしれない。会社と同じだ。自動車摩擦は日米の問題かもしれないが、日本メーカーがいなければ、米国はレースもできない状態なのだろう。世界から集まってくるのはレーサーだけだ。

インディ500と同じ5月29日に行われたF1は、第7戦ヨーロッパGP。実はF1の19戦のうち、ナショナルグランプリでないのが、このヨーロッパGPだ。開催場所はドイツ。つまりドイツではドイツGP(ホッケンハイム)とヨーロッパGP(ニュルブルクリンク)の2レースを開いていることになる。イタリアもイタリアGPとサンマリノGPを開催しているがサンマリノは一応、モナコと同様に国家だ。なぜこんなことを書くかというと、日本でも早晩、「ホンダ系の鈴鹿」と全面改装された「トヨタ系の富士スピードウェイ」の両者がF1招致争いを始めそうだからからだ。1レース増やして片方を極東GPとかにすればいいのだろうが、またも隣国の同意が要りそうだ。そしてレース数が多すぎる(19戦)ような状態で、参加チームの負担はさらに増えてしまう。

そして、ヨーロッパGPは1周約5キロのコースを60週するのだが、2大会連続優勝のライコネンが最終周回でタイヤ表面の一部がツルツルになり、スピンしてリタイア。タナボタで。1位になったのは第2戦から4戦まで3連勝したアロンソ(ルノー)。これからは二人のマッチレースになりそうな雰囲気である。

このタイヤ交換禁止ルール(F1)、もともとは、F1参加チームの費用を低減する目的だった。何しろタイヤ交換は4本を同時に交換する必要があるため、大量のピットクルーが必要となる。わずか数秒の仕事のために、大勢の人間を雇用しなければならないからだ。しかし、「タイヤ交換禁止ルール」の最大の問題は、雨に備えて、若干の溝を切っているタイヤの表面が、均一に擦り減らないで一部分がツルツルになると挙動不安定となり、運良くゴールにたどりつけばいいのだが、大方はスピンしたりパンクしたりするというようなかなり危険な状況になるのである。レース終盤は、各レーサーはさまざまな理由で、さまざまな速度で走っているため、1台がスピンすると思わぬ事故になりやすい。

もちろん最初からゆっくり走って、タイヤの磨耗を防ぐような走り方をすればタイヤだけは問題ないが、なかなか人間はそういう考え方はしないものだ。もちろん車体やドライバーのヘルメットにまで貼り付けられたCMのLOGOマークのスポンサーは0.1秒でも長くテレビカメラに写ることを要求するわけだから、いつでも先行逃げ切りしか意味がないわけだ。

ということで、今のところカメはいないわけだ。それに出場選手全員がカメノコになったら、本末転倒だろう。