あんかけスパゲティの罠

2005-06-28 21:29:31 | マーケティング
a0492c64.jpg人生、思いもかけない穴にはまることがある。そして、その穴にはまってしまった。

職場の近くに、イタリア風のパスタ店ができたのは、少し前だったのだが、いつも昼時には列ができていて、かなりのパスタ好きの私でも、ちょっと遠慮していた。カウンター風のつくりで、明るく、比較的客層は若そうだが、意外にも年配者も並んでいる。そして店の名前が「パスタ・デ・ココ」というのは、何かイージーな名前のような見立をしていた。

数日前、たまたま、昼の時間が忙しく、やっと外出したのは2時半頃。グリーンモスの1,000円バーガーでも食べようかと歩きはじめたら、そのパスタ店がすいていることに気づく。そして、方針変更したのが、異次元ワープへの入口だったのだ。

カウンターに座って、メニューの写真をみると、スパゲティなのに、赤っぽいソースがかかっている。それもすべてにだ。よくみると、「あ・ん・か・け」という文字が眼に入る。「あんかけスパゲティ?!?」そしてもう一つの恐怖の単語が眼に入る。「名古屋」だ。はまってしまった。

帰るのも情けないので、蛮勇を奮い、メニュー最上段から選ぶことにするが、中央には、単に、麺の上に目玉焼きが乗っかっているのもある。550円。でも、それはちょっと私の美的食事観から5,000キロくらいはずれてしまうので目をそらす。結局、ベーコンと野菜炒めが乗ったものを注文する。650円(正直言って、短時間ではメニュー毎の区別がつかなかったのだが)。

そして、待つこと10分弱。あんかけスパゲティが登場したのだが・・・

違う!ウソだ!スパゲティではない!。どう考えても「うどん系」でしょ。イタリア大使が食べたら国交断絶間違いなし。

もっとも近いのは「ちゃんぽん」の麺か、「モツ鍋」の最後に投入する麺。そして、もっと驚愕は、上にかかった「あんソース」だ。地球上にはありえない微妙な味だ。若いときに、香港チャイニーズの貨物船で1時間かけて胃袋に流し込んだボイルドチキン・オン・タイ米・withあんかけソースの味に近い。アジアの薬草的辛口だ。やはり名古屋は只者ではないな。

そして、落ち着いて店内を見渡すと、夏季限定の涼風メニューがあった。ちゃんぽん麺の上に、長芋とオクラのみじん切りと、さらに納豆!を乗せ、上から赤い薬草ソースをかけたものだ。ねばねばの3乗だ。夏の暑さを克服するにはクールビズなどという消極的考えではなく、積極的に攻めようということか。

メニューを見ていると、既に東京には二軒出店していることがわかる。神田と虎ノ門だ。外側から都心を攻めるのだろう。それにしても、いつも満員だということは、既に名古屋人の首都圏洗脳が始まっているのだろうか?あるいは単に名古屋人が周囲から集まってきているだけなのだろうか?今度は昼時に潜入して、三河弁が店内標準語かどうかチェックしてみよう。

そして、店内にあった「お客様の声」ハガキに、「ミソ煮込みソースで食べたい」と書いて、投函してしまったのだ。