これは面白かつた。けれど、内容が難しくて了解出来たかと訊かれれば、それは無理でしたとしか答へられない。観て損はないとは言へるけれども、もう一度観たいとは言へない。さういふ映画だつた。
広島と長崎とが最後の方で言及されるが、確かに不快ではあつたが、戦争とはさういふものであらう。敗戦国の語る戦争観が正しい訳ではない。
良心の呵責に悩む主人公にも、従つて同情もしない。科学者とはさういふものとの自覚があればその呵責は引き受けるべきものだらう。それと同じぐらゐの栄光も受けたはずである。
3時間は確かに長いが、十分惹きつけられる時間であつた。