昨日深夜に義父が亡くなり、急遽帰宮することになつた。随分と久しぶりだ。
義父の弔ひでの帰郷は仕方ないとは言へ、心の準備なく帰るのはやはり落ち着かないものである。父を失つた娘としてはどのやうな思ひで車中を過ごしたであらうか。義父は娘を待つて逝つてくれた。
そんなことをあれこれと思ひつつ、列車に乗り込んだ。日豊線は本線であるが、単線である。駅で待ち合はせることが多く、進みは遅い。この感覚も本当に久しぶりである。
緊張して神経がささくれだつてゐるやうに感じる。
曇り空に、沈痛な思ひは滞つてゐる。