高御位山 (たかみくらやま) *志方町成井
磐座(いわくら)
加古川近辺の人々が、最も早く神を祭った場所は高御位山の山頂であったと思われる。
もともと日本人は、神を祭る場所として神社というものを持たなかった。
神社などという建造物の無い時代であるので当然である。
天から降臨した神々は、もっぱら樹木や岩石に宿った。
古代人は、神が樹木などに宿った場所を「ひもろぎ(神籬)」といい、岩などに宿った場所を「磐座(いわくら)」と呼んだ。
そして、家も田も潰してしまう豪雨。稲の花を飛ばす暴風。
古代人は、森を焼く雷、恐ろしい火山の爆発など、すべては山からやってくる神の仕業であると考えた。
山は、大昔以来、大切な崇拝の対象となった。
古代人は、これらの神の宿った「ひもろぎ」「磐座」を神として祭ったのである。
高御位山山頂は、形の良い、まさに天井から神々の降りてこられる磐座にふさわしい場所であった。
もとは「たかみくら大神」
高御位山の山頂の磐座は、このあたりでは最も優れた磐座として知られている。
後世、高御位山の神は大貴己命(おおなむちのみこと)とされているが、もとは単に、この磐座に宿られた神、つまり「たかみくら大神」として祭られたと想像だったのであろう。
ササユリの咲く山
体力が無いので、山頂までは登れない。でも、6月になると山へ行きたくなる。
理由は、ササユリが咲いているからである。
さいわい、登山口の階段を10分ばかり登ったところにササユリの咲いている秘密の場所がある。
毎年、そこまでは出かけることにしている。
登山者と出会う。「こんにちは・・・」
そんな時は、決まって心地よい風が顔にあたる。
*写真:高御位山山頂の磐座(いわくら)