ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ポリシーは曲げられない

2008-01-22 06:42:26 | 脳みその日常
今回は愚痴のようになってしまうけれど、まあ、お付き合いを。

原油価格の高騰によって、我々の生活には様々な影響が出始めている。原油に由来する材料を使った業種は、モロ直撃。それらの企業にとっては死活問題。で、どうするかというと商品の価格を上げることになる。「材料費値上げのため」という理由で。

大企業と中小零細企業間の「格差」もまた拡大の一途をたどっている。こちらの問題は原油価格の高騰に加え、直接間接的に北京オリンピック開催に起因するらしい。たとえば鉄関係などが良い例。オリンピック開催に向けて北京では鉄の需要が高まり、価格も高騰する。そのため鉄を材料として加工する中小の企業では仕入れ価格の高騰で利益が上がらない。

ならば「材料費値上げのため」と謳えば良いではないかと思うが、そうはいかない。なぜなら彼らのクライアントである大企業はそれを認めないから。大企業が決めた価格でしか取引をしないのだ。そうなると、中小企業は自らの利益を縮小してでも取引するほかはない。「そんな条件だったら取引してやらんよ」と言えば、もう次から注文は来ない。そうなるのが怖いから中小企業は泣く泣く条件をのむ。

でも、利益のでない経営では設備投資もままならない。そこで社長はカネ貸しに融資を依頼するハメになる。不本意だろうが仕方がない。返済できる企業はまだいい。多くは返済のための借金を繰り返し、場合によっては融資すら断られるケースもある。近年中小企業の倒産が相次いでいるが、ほとんどはこうしたアリ地獄のスパイラルにハマってしまったことが原因。気の毒というほかはない。

もちろんこれは他人事ではない。業種こそ違えど、ワシだって同じこと。さすがに中小企業のような材料費は必要ないけれど、こちらで値段を決められない点は同じ。原稿料を決めるのは、あくまでクライアント。その価格が理不尽なほど安くても従うしかない。もし「そんなギャラだったら、受けられません」などと言えば次から仕事は来ないと思って間違いない。

仮に時給換算してみると高校生のアルバイトより安かったりする。シャレにならない。

で、そうなるとズルいことを考える奴が現われる。400字いくらの計算なのだから、とりあえず字数を書けば良い。内容がスカスカだって構わんじゃないか。こうすれば短時間で仕事が終われるんだし。仕事は要領よくやらなくちゃ…って。いわゆる「字数稼ぎ」ってやつである。

確かに仕事は要領よくやるに越したことはない。でも、ワシは内容のクオリティを落としてまで短時間で終わらせたいとは思わない。ポリシーに反すると思うから。いや、オーバーに言えばさ、なんか悪魔に魂を売っているように思えるんだよね。

でも、クライアント側はそんなこちらサイドの事情なんてわかっていないし、彼らにとってはどうでもよいこと。悲しいことに原稿の内容が詰まったものであってもスカスカであっても大した問題じゃないとする担当者もいるからねえ。

ポリシーを曲げたらカネは稼げるかもしれない。だけどそこまでしてカネを稼ぎたいとは思わない。あー、ワシはつくづく世渡りがヘタだなと思うよ。
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