ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

「ながら脳」のできない脳みそ

2005-08-07 13:03:26 | 脳みその日常
同業者のなかには驚異的な脳みその持ち主がいるらしい。限られた時間のなかで、信じられないほどのレビューを書くからである。どうやったらそんなに仕事がこなせるのだろう。ワシなどは音楽を聴きながら原稿を書くなど絶対にできないからである。音楽を聴く時にはじっくり耳を傾け、他のことは一切しない。そして原稿を書く時にも他のことは一切考えない。いや、考えられないと言うほうが正しい。

つまり、音楽の新譜批評をするにあたって、ワシの場合は音楽を聴く時間とそれを書く時間が必要になるというわけだ。単純な脳みそしか持たない人間からすると、同時にいくつものことができる人は本当にスゴイと思う。

昨日書いたような原稿の場合、たかが4枚ほどの原稿なのにやたらと時間がかかった。まず20枚ほどのCDを聴く時間が必要だからである。そこから5枚をセレクトして原稿を書く。1枚のCDあたり1時間としても聴くだけで20時間かかる勘定になる。もうそれだけで発狂しそうになるのだが…。もっとも、なかにはくだらないCDもあるので、実際には20時間聴き続けているわけじゃない。それでも10数時間は聴いていただろうか。

さて、その作業が終わるとようやく原稿に取りかかることになる。実はもうこの時点で仕事は終わったも同然なのだ。書く内容はすでに頭のなかで決まっているのだから、あとは文章化するだけ。せいぜい2時間もあればこの原稿は書けてしまう。

それにしても原稿料から計算してみると何と効率の悪い仕事であることか。単純に時給で換算すると、とてもここには書けないほど恥ずかしい金額になる。そう考えてみると「ながら脳」の持ち主は羨ましいなとつくづく思う。

ところが、そこにはちゃんとオチがあった。「ながら脳」で仕事をしているという人に話を聞いたところ、時間的に無理だなと判断した場合はロクに音楽を聴かずに書くのだとか…。おいおい、そりゃマズイだろ。
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