ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

芸術の香りが…田沢川ダム

2021-09-19 06:53:12 | 山形(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は山形県酒田市山元にある最上川水系の田沢川(たざわがわ)ダムを訪れます。アクセスは国道345号から平田浄水場を目指し、県道363号から県道315号に入り旧阿部家を過ぎて進んでいくと到着します。

まずは田沢川ダムの全貌をご覧ください。



では、順を追って見ていきます。県道315号を登ってくると道路にはこの看板があります。



そして、まず目にするのが田沢川ダムの管理所の建物。





駐車スペースは道路沿いにあり、そこには田沢川ダムの案内板があります。洪水調節、河川環境と機能の保護、水道用水の安定供給を目的とした多目的ダムですが、諸元表の「位置」を見ると「飽海郡平田町(あくみぐんひらたまち)大字山元」とあります。しかし平田町は2005年11月1日から八幡町(やわたまち)、松山町とともに酒田市に合併したため現在の住所は記事の冒頭に示したものが正解。



案内板の隣には周辺案内図。田沢川ダムは田沢川と「クサイ沢」を堰き止めて築造されたとあります。いや、「クサイ沢」って…。臭うんでしょうか…知りませんが。



ダム横近くには「ひらた赤滝湖」のプレートが嵌め込まれた石碑。これが貯水湖の名称ですね。



石碑の裏側には名称の由来が丁寧に説明されています。「ひらた」はここの地名。「赤滝」はここから10km上流にある滝の名称。赤(アカ)は梵語やアイヌ語で「信仰の水」「浄水」を意味し、長雨や旱魃出会ってもその水量に大きな変化はないと伝えられているそうな。いや〜、勉強になります。



ダム横には「フローラ」と題する彫像。作者は酒田市出身の彫刻家、高橋剛(たかはしごう:1921-1991)。東京美術学校(現在の東京藝術大学)彫刻科を卒業し、ダンサーや裸婦像などを多数手掛けたことで知られています。





フローラ(Flora)はローマ神話に出てくる花と春と豊穣を司る女神ですが、その彫像の足下には周辺自治体の「花」のプレートが嵌め込まれています。

松山町(酒田市合併以前)「ツツジ」


平田町(酒田市合併以前)「ミスミソウ」


酒田市「トビシマカンゾウ」


彫像付近からダムを見るとこんな感じ。



管理所脇には「定礎」の石碑。1994年7月。



その付近からダムを見るとこんな感じです。



これがダム上。歩いてみましょう。



ダム上、中央から見た「ひらた赤滝湖」の様子。幅が広いのでパノラマで撮ってみました。写真左奥に「クサイ沢」、そして右奥が田沢川になります。



一方、ダムの真下はこんな感じ。高さ81mはなかなかの迫力です。



そして下流側の遠景。山だらけ…。



ダム上の途中には「惠水」と題されたブロンズ。作者の石黒光二は1952年に旧平田町に生まれ、多摩美術大学彫刻科を卒業。高橋剛は師匠。2001年に完成したこのブロンズについて石黒は次のように述べています。
「男性の右手は天からの雨を指し、左手でそれが荒れくるうことのないよう鎮め、女性は恵の雨が広く大地に染み渡り、豊かな稔りをもたらすことを願う。全ての生命の源である水への感謝と畏怖の念と祈りを込めて」(参考





別の角度から。


対岸(左岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。



対岸からさらに進むと「遊歩道入口」があり、それを登って行くと記事の冒頭で示した写真のような景色を見ることができます。



田沢川ダムは2001年に完成したようですが、芸術性が加味されており、センスの良さを感じさせるものでした。オシャレだわぁ。
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