極楽イタリア人になる方法(ジローラモ)

2012-07-16 00:00:22 | 書評
本当のことを言うとイタリア人に知人はいないし、今まで会話をしたこともない。もっともイタリア語はまったくわからないのでそういうシチュエーションが来るのは、同時自動通訳機が世間に普及した後かもしれない。

あるイタリア人が嫌いな日本人元外交官から聞いた話では、外交官と言うオカタイ仕事であってもイタリア人とドイツ人の差は歴然としていて、たとえば会議などの開始時間とか集合時間といったものでもドイツ人は30分とか1時間前に来ているのにイタリア人は、予定時間の30分とか1時間後に来るとか言っていた。

彼の説によると、こちらがちょっと立派なネクタイをしていると、あいさつ代わりにネクタイを手にとって裏返してブランドを確かめたりするそうだ。そういう行動は首相に至っても同じで、イタリア人の特徴らしい。

ji


だから、ジローラモ氏はチョイワルオヤジとして有名なのだが、イタリアに行けばごく正常範囲にあるわけで、本書を読んでも、ある意味それほど驚くことはない。イタリアってこういうものなのだ、ということ。

で、本書には圧倒的にイタリア料理のことでマス目を埋められているのだが、はっきりいって旨そうな話ばかりだが、決して日本では食べられないものばかりで、かといって本書を読む限り、日本人がイタリアに行くと、徹底的にカモにされるということが書かれていて、さてどうしようということになる。

ところで、真偽のほどはわからないのだが、本書でも紹介されているイタリア国旗の意味なのだが、赤、緑、白は、トマトとバジリコとモッツァレラを意味しているという説がある。

イタリアが統一されたのは、そんな昔ではなく日本が幕末でドヤドヤやっていたころで、そういえば日の丸の起源も今一つはっきりしない(というか、真実を知られたくない特定の人たちが意図的に隠しているのだろう)。イタリア国旗の三色も、国土と雪と血ということになっているのだが、アルプスに近い地区に住む人たちが豊かな南部の農地を血まみれにして占領していった過去をうやむやにするために、マルゲリータ・ピザ説を持ち出したのだろう。

安田記念公園

2012-07-15 00:00:50 | 美術館・博物館・工芸品
両国駅北部方面シリーズの最終回は、安田記念公園。ちょうど国技館と東京都慰霊堂(旧被服廠跡)の中間にある。

この公園は元々大名家の下屋敷だった。そして、安政年間に墨田川の水を庭園内に引き込むいわゆる潮入式庭園となる。調べれば調べるほど、その当時の事情がよくわからないのだが、同じ潮入り庭園の浜離宮との関係があるような気配を感じるのだが、調査する気力がないので、あしからず。安田公園に引き込まれるのは淡水で、浜離宮に引き込まれるのは海水ということなのだろうか。生態系が異なるはずだ。

yasuda1


そして、潮入式の特徴は、海の干満の差の影響を受けるために、池の水位が刻々と変わるため、池の水際の見せ方がイノチになる。

現在の安田公園は、隅田川の汚染のため、引き込みはとうにやめていて、ポンプ循環方式になっているとのこと。だから、往時の面影はないようである。それに、潮の満ち干を楽しむほど暇でもないので。

そして、安田公園というのは、明治になって、この庭園を所有していた岡山の池田藩から安田財閥が買い取って管理していたということである。

しかし、この地を襲ったのが関東大震災による大火災である。隣接する被服廠跡では38,000人が焼死したと言われるほどの巨大被害となる。おそらく庭園も灰燼に帰したと想像できる。

yasuda2


そして、大正15年に、この公園の復元が行われるのだが、その中心になるのがモダン設計の両国公会堂(鉄筋4階建て)だった。庭園の中に公会堂が組み込まれている。

しかし、公会堂に近づいてみると、さすがに80年を超え風格はあるものの、傷みが激しいようで、休館中の張り紙がなされている。

後で調べると、案の定、醜い裏側があるようで、数年後に取り壊され、再開発され、別のビルが建てられ、外郭団体などが入居するような噂があるようだ。そうなると、庭園部分はどうなるのだろうかと思うわけだが、まあ、墨田区民に任せるしかない。第二次東京オリンピックの選手村にでもしたらいいかもしれない。電気街も近いし・・

初段認定書がないために

2012-07-14 00:00:10 | しょうぎ
半月ほど前に書いた話の続きだが、小学生には級位認定書を乱発するのだが、中には初段的な子もいる。ということになると、2級、1級、初段、というように認定していけばいいはずだが、事態はそれを許さない。

まず、普及指導員に認められているのは、「級位認定」と「初段申請」。この認定を申請の差は厄介なのである。つまり私が初段と認定すると、「初段申請」ということになる。そして、現金31,500円と引き換えに桐箱入りの免状が与えられる。

問題は、こどもに初段を認定すると、31,500円出費してもらわなければならなくなるのだが、そででも申請する親もいるだろうし、馬鹿馬鹿しいといって、金を払わない親もいるだろう。

つまり、こどもが可哀想なことになる。

なので、強い子に教室を出て行ってもらうしかない。



さて、6月30日出題作の解答。

as12


▲2七金 △2五玉(△1五玉) ▲2六金 △1四玉 ▲2五銀 △1三玉 ▲2四銀 △1四玉 ▲1五金 △同飛 ▲1三銀成 △同玉 ▲2三金 △1四玉 ▲2四金まで15手詰。

盤面に2五へ攻め方の金を配置すれば、2手目の非限定は回避できる。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

0714


チマチマと迫ってください。常識の範囲を出ない一局。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。

江戸開城のあじ

2012-07-13 00:00:13 | あじ
田町駅の近くに、西郷・勝会談の記念碑が建っている。官軍による江戸突入予定日の前日、西郷の待つ薩摩藩蔵屋敷を勝海舟が訪れ、なんとか江戸の街、そして江戸城の焼失を食い止めたとされる。

以前より、勝がどうやって、その両軍の対峙する場所に辿りついたか?という疑問があり、私なりには、勝海舟は運河を使って一旦海上へ出てから、海路、薩摩蔵屋敷を訪れたのだろうと思っている。蔵屋敷の裏は岸壁になっていて薩摩藩のプライベートバースだった。そこに全国の物産を運び込み、江戸市内で金儲けを行っていた。

tokyosiba


そして、それと同じ仮説を読むことになった。東京港醸造という造り酒屋のHPでだ。

この東京港醸造だが元は薩摩藩御用達の酒屋だったそうだ。若松屋という屋号だった。例の薩摩屋敷焼討の際は、屋敷から大量のお宝類がこの酒屋の蔵に運ばれたようだ。ちょうど海陸の接点の場所が、この酒屋の場所とのことだ。

そして、その後、この若松屋は、よき後継ぎを得ることなく長く休業を続けていた。そして100年が経ち、数年前に若松屋は復活し、東京港醸造となり、はえある2種の酒を発売を始めた。

「江」と「江戸開城」。

kaijo


実は、若松屋に行き、この酒を試飲してみた。この近くで宴会を行うことになっていて、そこへの持ち込み用にしたいと思っていた。懐に余裕のある人は、何らかの持ち込みを行うことになっているわけだ。

ところが・・・

「江戸開城」は、どぶろくだったわけだ。

強烈な味だ。


今夜の宴会に集まる紳士淑女の好みに合っているとは、とうてい思えなかった。本当に幕末の殺気立った志士たちの味である。

手ぶらで宴会に行くことになり、貧乏人グループの方に入れられた。

東京の歴史名所を歩く地図

2012-07-12 00:00:29 | 書評

河出書房新社からの文庫本だが、これがなかなかおかしい。

tokyorekishi



有名過ぎる場所は、徹底スルーだ。

たとえば、千代田区の名所といえば、なんといっても皇居(江戸城)とか二重橋、国会議事堂ではないかと思うのだが、本書で取り上げるのは、次の四か所。

 玄武館跡(千葉周作の名が轟いたマンモス剣術道場)
 ニコライ堂(日露戦争中も祈りを続けたロシア正教教会)
 将門の首塚(ビル街に佇む心霊スポット)
 桜田門(多くの事件の舞台となった)

つまり、B級名所ということ。A級は、みんなが行っているからだろう。

文京区の牛天神というのも妙なものだ。本当の名前は、「太田神社」。わたしのハンドルネームと同じだ。何を祀っているかというと、なんと、・・・

「貧乏神」。

とんでもないものを祀るものだ。由来は、太田という旗本は、長い間、貧乏暮らしを強いられていたが、ある夜、夢の中に貧乏神が現れて、「長い間、お世話になったが、これから立ち去ることにする。ついては、長い間のお礼に福を賜ろう」ということになり、その後、この神社は「貧乏神さま、どうぞ我が家からはご退出ください」という祈願を立てるものが増加したそうだ。

うかつに近づくと、貧乏神に乗り移られそうなので、ちょっと怖い。


日本のクー☆タ☆計画

2012-07-11 00:00:35 | 市民A
ある長寿の方のことを調べていると、昭和19年あたりにク☆デ☆ー計画に関与していたということがあったようだ。どうもその方のお兄さんの一人も別の計画をもっていたらしい。

事の善悪はさておき、そういう計画と言うのはどれくらい起きているのかというと、日本史では、それほど多くはない。というのも、やろうと思っても実際に実行しない限り、何も起こらないわけである。その特徴は、首都で行われることである。

ます、1995年の地下鉄サリン事件。まったくの失敗。
1945年8月14日夜の玉音盤奪取事件。失敗。
東條英機暗殺計画。未遂。
226事件。失敗。

ずっと遡って

大塩平八郎の乱。失敗。
由井正雪の乱。失敗。

まだ天下統一していないが、

本能寺の変。成功、しかし、その後・・・

源実朝暗殺。成功。

大化の改新。成功。

つまり、歴史上、現代に近づくにつれ、うまくいかないというか、政権そのものが、長持ちしないので、自壊の構造になっているわけだ。


そういえば、先日、皇居の脇を通ったところ、お堀の水鳥を撮影している人がいたのだが、江戸幕府の時代なら、堀に石を投げて深さを推測した丸橋忠弥が逮捕され、平和島で磔になった旧事を知らないのだろう。

しかし、この有名な事件のことは知っているのだが、堀に小石を投げるだけで、どうして堀の深さがわかるのだろうと、思い始めてから数十年経っている。

どちらがコヤシに・・・

2012-07-10 00:00:15 | 市民A
週末に、東京ビッグサイトに行っていたら、AKBの握手会をやっていて、大混雑していた。この握手会にも2種類あって、全国握手会というのと個別握手会というのがあるらしい。ビッグサイトでやっていたのは「個別握手会」らしい。AKB(のうち一人)と、ほんの少しだけお話ができるそうだ。

しかし、握手会って不潔じゃないだろうか。

ほぼ不特定多数の人と、次々に手を触れ合うのだから、もしかしたら女性の別の職業のようだとも言える。たぶん、一人ずつ終わると消毒したりしてはないだろう。生レバーより危険かも。

そして次は、じゃんけん大会だそうだが、・・・

AKB48増田有華、じゃんけん大会辞退 主演ミュージカルを優先

9月18日(2012年)に開催される「AKB48 29thシングル選抜じゃんけん大会」の組み合わせ抽選会が7月8日に行われた。このじゃんけん大会で勝ち抜いた16人が、AKB48の29枚目のシングルの表題曲を歌うことができる。

このじゃんけん大会を、チームBの増田有華が辞退した。AKB48の正規メンバーで出場しないのは増田だけだ。

増田は理由について、7月8日に更新したブログで、「ミュージカルの稽古が8月から、本番が9月から始まるということで急ですが、こういう形となりました」

「応援してくださっているファンの皆さんには一つのチャンスを逃した形になってしまい、本当に申し訳ないと思っています その分、本当に後悔させないように、全力で稽古を頑張ります!集中します!!」

と説明した。増田は演出家の宮本亜門が手がけるミュージカル「ウィズ~オズの魔法使い~」の主演・ドロシー役のオーディションに合格していたのだ。


どうも、彼女はAKBを芸のコヤシにすることに成功しているようだ。

一方、大部分はAKBのコヤシにされていると思われるわけだ。小沢新党もそういう構造なのだろう。

東京国際ブックフェアへ

2012-07-09 00:00:37 | 書評
毎年、有明の国際展示場で開かれる「東京国際ブックフェア」に今年も行こうと思ったのだが、あいにく週末に軽井沢で、ゴルフをすることになっていた。で、ゴルフの翌日に眠い目をこすりながら東京に戻って、そのまま有明に向かうことになっている。

bookfair


ところが、展示場内は、すごい人波なのである。キャンピングカーの展示場もかなり人が入っているものの、どうもAKBの握手会に殺到しているようだ。キャンピングカーだってAKBだって、少し変わった人たちの集合なのだろうが、それでも成り立つのは東京だからだろう。それに「握手会」なんて・・・

fair1


それで、今回、仕入れてきたのが、『命のビザ、遥かなる旅路』と『「満鉄」という鉄道会社』、『和泉式部』の三点。その選択の中にも、ちょっとした理由もあるので・・。

詳しくは、各書籍を読んでからということになる)

東京都慰霊堂

2012-07-08 00:00:00 | 市民A
両国シリーズである。国技館の裏手の横網町公園にある東京都慰霊堂。相撲だから横綱町と名前を付けたわけじゃない。第一、横綱じゃなく横網だから。いわゆる陸軍被服廠跡である。

確か20年ほど前に行ったことがあったのだが、国技館との位置関係については全く記憶になかった、そういうものだろう。

irei


要するに関東大震災の時、この公園で38,000人ほどが亡くなったとされる。火災旋風でほぼ全滅したことになる。遺体は、この公園のどこかで火葬され、大量の遺骨を安置するために、この慰霊堂が完成したのだが、それから14年後に第二の災害が東京を襲う。

東京大空襲。昭和20年3月10日である。この時の犠牲者は、各地の公園に多く埋められていたのだが昭和23年から、再度、公園を掘り返して、この慰霊堂に収めたそうである。

しかし、・・

何か割り切れないところがあるのは、最初の犠牲者は天災によるものだったのに、後の犠牲者は、あきらかに人為的な戦争行為に基づくものである。戦争の責任をあいまいにしたままでよかったのだろうか。

将棋文化検定

2012-07-07 00:00:00 | しょうぎ
将棋連盟から次々に「将棋文化検定」受験の勧めが郵送されてくる。10月21日の実施の予定とのこと。最初に文書が届いた時には、振込用紙が一枚だったのだが、それを破って捨てたのを見透かされたように、次の便では振込用紙が二枚だ。

どうも、今回が最初と言うので、二級、四級、六級、九級の4段階の試験が行われるらしい。どうせ受けるなら最難関でしょ、と思うが、一級ではなく二級。そのあたりの精神構造がよく理解できない。

で、問題の出題範囲と難易度だが、今回はヒントが出ていて「名人位400年を記念して名人関係の問題が中心」ということだそうだ。

二級例題として、結構難易度の高い問題が例示されている。

Q:三世名人の伊藤宗看は、どこの出身ですか。現在の都道府県名で答えてください。
A:島根県

確かに難問だ。

ついでに、名人関係の問題を自分で作ってみた。二級クラスよりも難問かもしれない。

 1.13世名人の記念館の休館日は何曜日か。
 2.14世名人の息子か現役引退後勤務していた将棋関係の職場は何か。
 3.15世名人がなぜか好んでいた神奈川県の旅館は何か。
 4.16世名人のことを2chではある一文字であらわすことがあるが、その字は何画?
 5.17世名人の実家の寺院の所属する宗派の始祖を漢字で書け。
 6.18世名人の出身の中高一貫校の卒業時の所在市は?
 7.19世名人が小学生時代、対局時に愛用していた野球帽の所属チームは。

解答はこちら


さて、6月24日出題作の解答。

s12


▲2八銀 △同歩成 ▲1八銀 △1六玉 ▲3四角 △1五玉 ▲2五金 △1六玉 ▲1四金まで9手詰。

逃げ道封鎖のあと、例の手筋のソッポ金。まあ、軽い快感という感じで作図。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。

0707


ちょっと、粋じゃないのを強引に詰ませるようなもの。

手数は、ラグビーの選手並みだが交代選手も必要だ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

サンパチバー cava?

2012-07-06 00:00:33 | あじ
有楽町の事務所に来て3ヶ月も経つのに、おいしくて手頃なプライスのランチが見つからない。高ければ美味いかと言われても、そうは感じない。安ければ、もっと不味い。結果、大戸屋とかリンガーとかマックとかチェーン店に行ったり、あるいはコンビニとかで妥協する時も多い。

それで今のところ見つけた中でのヒットメニューが、一つだけある。

場所は国際ビルヂング地下(つまりタニタ食堂のある帝劇ビル地下と一体化した地下スペースの一角)にある。

店名は、『サンパチバー cava?』という変な名前のついたバーである。どうも夜のメニューがオール380円ということで、サンパチバーになったようだ。(消費税が8%になると「サンキューバー」に10%になると「サンキューパチバー」になってしまう。)

そして実はランチのメニューは、たった2種類しかない。580円のカレーライスと650円のナポリタン。(念のため、380円でないことを強調しておく)。

さらに言うと、レジに並んでカレーを頼むと、レジ横のジャーからライスを皿によそって、その隣の大鍋からカレーをかけて、それを手渡されて終わり。店員一人で片付けられる。カレーライスを受け取って、空いている席に座る。

そして、もう一つのメニューである「ナポリタン」こそが、この店のメインディッシュである。レジで注文すると、番号札を渡される。番号札を持って席に座って5分ほどで、調理終了で番号を呼ばれて、取りに行く。

380


見えないところにある厨房では、ナポリタンだけを作り続けているはずだ。徹底した少人数経営だ。レジ+カレー+店内整理係計1名、ナポリタン+皿洗い係計1名。後はセルフだし。


そして問題のナポリタンだが、まず量が多い。通常の1倍半だろう。盛りつけの高さは10センチ弱。そして、和風ナポリタンでもなく、麺の硬さはアルデンテ。ケチャップベースではあるがトマトは大量に使われている。

そして、最大の特徴は、山盛りの麺の上に乗っているのが半熟玉子とベーコン。なんとなくラーメンに煮卵とチャーシューを加えるようなものかもしれない。

味は濃厚である。薄味だと大量の麺を食べているうちに、飽きてしまうのかもしれない。昔ながらのナポリタンとは異なる味だが、おそらくは世界のどこにも存在しないオリジナル料理だろう。

あえて欠点を上げれば、食べる時には細心の注意を払わないと、シャツにケチャップが飛び散る。赤いシャツを着ている日には好適かもしれない。もっとも、ナポリタンと言うのはそういうものだが。


でも、注文して5分で、麺を茹でるところから始めて、この豪快な料理ができあがるわけもないので、なんらかの方法で間に合わせるのだろうが、あえて詮索はしないことにする。(時々、麺が柔らかいこともある。)

四十七士の処分と異なるのは、荻生徂徠と輿石東の差か

2012-07-05 00:00:25 | 市民A
新幹線で1時間位のところを往復する仕事があって、中途半端な時間を、目を閉じて瞑想タイムにあてていたのだが、小沢一派に対する民主党の処分というのは、綱吉が行った四十七士(一人は討ち入りに参加しなかったので四十六士)に対する切腹処分みたいなものか、ということ。

四十七士にしたって、元々はバカ殿のご乱行によって処分されたのだから動機が正しいとは言い切れない。幕府に対して抗議するならともかく被害者の吉良を襲うというのだから、現代の裁判制度をあてはめて考えれば、とんでもない暴挙である。

一方、現代の謀反劇だが、よく主張を考えていると、小沢グループ(というか独裁者)の言い方は、「マニフェストと違う」ということと「やるべき順序が違う」ということだが、マニフェストの有効性というのは、どれくらいなのかということの認識がそれぞれ違うのだろう。やるべき順序といっても、もともと鳩山=小沢連合で政権を取った後の時間、やるべきことはほとんどできなかったというか、日米関係、日中関係をこじれさせ、日ロ関係、日朝関係は何もやらなかったし、マニフェストといってもガソリン税を期間限定で引き下げたのと金額減少で中途半端になったこども手当位で、今頃「順序」もないかな、とか思うわけだ。

要するに、党が自分の意のままにならなくなったから、意のままになる人たちを連れだして、また政権抗争を作り直そうということなのだろう。

まあ、政治は「理念」なのか、「リアリズム」なのか、ということなのかもしれない。

それで、四十六士は、全員が切腹を命じられて、即実行ということになったのだが、判決が出る前に約1ヶ月間、あーだこーだと幕府は検討を重ねていた。処分慎重論と激辛派がいたようだ。しかも世論は幕府の考えている激辛処分には否定的な雰囲気だったそうだ。にも拘わらず、全員切腹という、かなり辛口の処分に落ち着いたのは、お抱え学者の荻生徂徠の意見であったとされる。まあ、ルールを守るという筋を貫いたといえばそれまでだが、結局江戸幕府はその後160年も続いたわけだ。

それに比べて今回の民主党の処分は、なんとも馬鹿馬鹿しいというか、新党に加わる人は除名(参院議員はおとがめなし)。法案反対したものの離党しない者は党員資格2ヶ月停止(鳩ポだけは6ヶ月停止)、棄権したものは厳重注意、ということだそうだ。なんと柔軟な処分だろうか。

元教育者たる幹事長輿石東の能力の限界はこういうものなのだろう。もっとも江戸幕府は簡単に滅びるわけには行かなかったので厳しい処分が必要だったが、民主党は自壊してしまうのだろう。

処分を具体的に考えると、痛い目にあったのは鳩ポだけではないだろうか。もっとも、一時は引退すると言っていたのに出てきて、その後の行動を見ると、「何やってんだろう」ということだ。


ところで、四十七士の時代(1700年頃)の将軍は綱吉。綱吉といえば、お犬さまと言われるように生類憐みの令は日本中の国民を苦しめていた。よく調べると、四十七士の時も、生類憐みの令は有効であった。たぶん当時の国民の幕府に対する意識は、かなりよくなかったのだろうと想像できるのである。

1000店に近づく

2012-07-04 00:00:18 | 投資
先週、スターバックスジャパンの株主総会に行く。

2011年度は売上高(1078億円)、経常利益(81億円)は過去最高ということであるが、詳しい説明や株主との質疑応答の中でわかってきたのは、既存店売上高はほとんど伸びていないことと新規出店もそれほど多くないこと。

どうも、一時暴騰していた琲豆の価格が下落したことと円高効果による原価の減が寄与しているようだ。

stb


それと、売り上げ構成について、本来の商品であるコーヒーに付加的にフードの売上を期待し、さらに豆やカップを売ろうとしたものの、新商品として投入した各種フラペチーノが好調だったため、逆にコーヒーやフードの比率が下がったということらしい。

私も店内で観察していると、顧客を注文別に分けると、「A:コーヒー類のみ」、「B:コーヒー類+フード」、「C:フラペチーノ」となっていて、AからBへの転換を図ったものの、BではなくCに向かっているということなのだろう。確かにフラペチーノとフードを組み合わせる人は少ないかも。

そして、3月末には955店舗となった国内展開だが、そろそろ1000店舗目を意識しているようだ。1000号店はどこか?

ということで、当日の資料にあった各県別の店舗数と、自分で調べた各都道府県別人口を組み合わせて1店舗あたりの人口を計算してみた。

stb2


実は、作表しながら気付いたのだが、日本はずいぶん人口のバラツキが大きい。よく東京は3000万人都市とか言われるが、東京・神奈川・千葉・埼玉を合計すると3500万人もいる。茨城の中でも半分ぐらいは東京エリアと言っていいし、3600万人都市か?一票の格差なんとかするべしだ。

表を見て、いくつか特徴は、鳥取と島根がゼロ、「スタバのない県」だ。ユニクロはあるのかな。青森も1店と少ない。全国平均は1店舗あたり13万4千人ということになる。そう思えば昼間人口の多い東京だって、1店あたり人口は5万人なのだから、いつも席が一杯なのはどういうことなのだろう。それと、山梨と沖縄。人口に対して店舗が多い。山梨はまったく不明だ。沖縄は米兵の利用が多いのだろう。そういえばイラクやアフガンでの米兵の不満の上位に「スタバがない」というのがあったはずだ。

1000店舗目は、鹿児島とかではないかとか奇抜な予想を立ててみたが、個人的には目黒駅のまわりか、新横浜駅の新幹線改札の内側に作ってくれないものかと思う。


ところで、株主質疑の中で、原発との関連質問があって、ちょっとお門違いかと思ったが、店舗の省エネ問題が見えてきた。どうも、夏場の冷房と、サードプレイスを提供するという関係で使われている間接照明が、電力を食っているそうで、悩みの種らしい。特にコーヒーを沸かす関係でスタッフの健康管理は問題で冷房を落とせないということだそうだ。個人的には、冷房と間接照明のどちらかを取れと言うなら冷房でしょう。本を読むなら直接照明でいいし。元々、都内のスタバはサードプレイスとは大きくかけ離れているようだし。

超高齢社会における老年医学

2012-07-03 00:00:51 | 市民A
有楽町の東京国際フォーラムの前に大きな看板が置かれていた。この看板の奥が昼間は屋台村に変わる。

第54回 日本老年医学会学術集会が行われるようだ。副題が「超高齢社会における老年医学」ということだそうだ。

ronen


実は、「超高齢社会」というのは初めて聞いた言葉ではあるが、75歳を「高齢者」と呼んでも怒られる時代に、「超高齢」とは大胆な言い方だ。たぶん80歳とか85歳を意味するのかもしれないし、あるいは、記憶回路になんらかのトラブルを抱えている人たちのことを指すコトバなのかもしれない。

そして、思うに「超高齢医療」というのは、考えてみれば、医学ではないのかもしれない。

哲学? 社会学? 政治学? 製薬会社のコヤシ?

残念ながら、学会の内容は、不明である。

欲しくない遺産

2012-07-02 00:00:02 | 映画・演劇・Video
週末に六本木の麻布公民館で開かれていた麻布演劇市で、劇団ホワイトエンゼルの「遺産相続」とプラス1を観る。

たまには観劇もいい。そして、市民劇団をステージ間近で迫力あり、という感じもいい。観客と役者のボーダーレス感がある。

isan


で、この「遺産相続」だが、登場するのは末期がんの患者とか、執行の近づいた死刑囚とか、本来「生と死」という大テーマなのだが、その深刻さは漂わない(とりあえずは)。

そして登場するのは「死神」である。

なぜ、死に瀕した人間に余裕の笑いがあるのか。それは、死神から約束された「命のリレー契約がある」からだ。死にそうになったら、遺産を相続する相手を選ぶ。そして自分の臨終の瞬間に、その遺産相続人の体に乗り移るわけだ。その男から追い出した魂は、死神の栄養になる。

そして、その男はペリーが日本に上陸した瞬間にも立ち会っているのだが、ついに殺人に手を染め死刑を待つ身となる。しかし、面会にきた売れない物書きに遺産を無償譲渡することに成功。死神に後の手はずを託そうとするのだが、売れないながら物書きの想像力を甘く見た結果、リレー契約を見破られ、相続放棄を実行され、あえなく刑場の露と消える。

死神は、この上なく強欲だった250歳の男の魂を栄養にすることに成功。そして、「強欲な人間を減らすのだから、自ら天使である」と宣言してしまう。


つまり喜劇だったわけだが、つらつら思えば、この舞台劇のスタイルというのも、既に死に体となったギリシアの最盛期に確立されたことに気づき、「強欲な人間は滅んでも、その文化としての形式は、世界に普遍性を与えることになるのだろう」とか思ってしまうのだ。