安田記念公園

2012-07-15 00:00:50 | 美術館・博物館・工芸品
両国駅北部方面シリーズの最終回は、安田記念公園。ちょうど国技館と東京都慰霊堂(旧被服廠跡)の中間にある。

この公園は元々大名家の下屋敷だった。そして、安政年間に墨田川の水を庭園内に引き込むいわゆる潮入式庭園となる。調べれば調べるほど、その当時の事情がよくわからないのだが、同じ潮入り庭園の浜離宮との関係があるような気配を感じるのだが、調査する気力がないので、あしからず。安田公園に引き込まれるのは淡水で、浜離宮に引き込まれるのは海水ということなのだろうか。生態系が異なるはずだ。

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そして、潮入式の特徴は、海の干満の差の影響を受けるために、池の水位が刻々と変わるため、池の水際の見せ方がイノチになる。

現在の安田公園は、隅田川の汚染のため、引き込みはとうにやめていて、ポンプ循環方式になっているとのこと。だから、往時の面影はないようである。それに、潮の満ち干を楽しむほど暇でもないので。

そして、安田公園というのは、明治になって、この庭園を所有していた岡山の池田藩から安田財閥が買い取って管理していたということである。

しかし、この地を襲ったのが関東大震災による大火災である。隣接する被服廠跡では38,000人が焼死したと言われるほどの巨大被害となる。おそらく庭園も灰燼に帰したと想像できる。

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そして、大正15年に、この公園の復元が行われるのだが、その中心になるのがモダン設計の両国公会堂(鉄筋4階建て)だった。庭園の中に公会堂が組み込まれている。

しかし、公会堂に近づいてみると、さすがに80年を超え風格はあるものの、傷みが激しいようで、休館中の張り紙がなされている。

後で調べると、案の定、醜い裏側があるようで、数年後に取り壊され、再開発され、別のビルが建てられ、外郭団体などが入居するような噂があるようだ。そうなると、庭園部分はどうなるのだろうかと思うわけだが、まあ、墨田区民に任せるしかない。第二次東京オリンピックの選手村にでもしたらいいかもしれない。電気街も近いし・・