「珈琲あんぱん」と「生ずんだあんぱん」

2017-02-17 00:00:00 | あじ
鶴見は川崎の次の駅で横浜市である。ここは江戸時代には東海道の川崎宿と神奈川宿の間にあって、ちょうど江戸からの旅人がお昼の時間に通ることが多かった。

江戸時代の旅人は、宿を出るのが朝4時というのが相場で、かつ現代と異なり食事は朝夕の二回だった(古代ギリシアは一日一食だった)。

となると、お昼に立ち寄る茶店というのが休息と栄養補給という重要な役目を追うことになるのだが、鶴見はまさに茶店の街だった。当時の東海道は、ちょうど京急線の線路の隣になっていて、現代でも同じく饅頭を売っているのが清月という店で、今でも「よねまんじゅう」という商品を売っている(以前に紹介したことがある)。

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そして、当時、「覇王樹茶屋」というのがあった。読めるかな?サボテン茶屋と読むのだが1679年(延宝7年)に開店。300年以上続いているのだが、いつのことか茶店から洋菓子店に業態を変更。「エスプラン洋菓子店」というのだが、実は現在は洋菓子というよりもパン屋さんになっていると言った方がいい。というのも絶大なヒット商品を完成させた。

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第一弾:「珈琲あんぱん」

第二弾:「生ずんだあんぱん」

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店内は、ほとんどパン屋さんである。洋菓子の延長でコーヒーあんぱんを作ったら大うけしたのだろう。そして先祖返りでずんだもちをパンに入れてみたのだろう。

ただ、食べてみると、結構ヘビーである。さすがに朝4時に家を出て、鶴見に寄ってパンを二個食べて、さらに歩いて東京の会社まで行くのはお勧めできない(遅刻するから)が、東京から横浜に仕事で行くことがあるなら、途中下車して、江戸時代の旅人を体験してみたらどうだろうか。