オール・ザット・ジャズ(1979年 映画)

2017-02-27 00:00:46 | 映画・演劇・Video
アメリカのミュージカル(キャバレー他)の監督で振付師でもあるボブ・フォッシーが自らの死期が近づいていることを知り(勘違い?)、時間に追われ、何もかもギリギリ状態の映画監督を主役とする自伝的ミュージカル風映画にした作品だ。実際には映画完成から実際にサヨナラするまで8年もかかった。

jazz


自伝的作品といえばフェリーニで生涯何作も自伝的映画(仕事に行き詰った監督が主役)を撮っている(「8 1/2」とか「アマルコルド」とか)。フェリーニの場合は病気とは何の関係もない。

主役の監督役(ギデオン)を演じるのは、ロイ・シャイダー。女優陣はたくさん登場し、監督を愛しているのか、単に自分勝手なのかよくわからない。たぶん両方なのだろう。また制作会社の役員は、芸術性より商業性に重きをおく人間たちとして描かれ、監督が過労で入院すると、そのまま死んでくれた方が保険で儲かると算盤をはじいたりする。

いずれにしろ、四六時中、酒とタバコと精神安定剤を飲み続ければ、ボロボロになるわけで、わかっていても止められずに病院超特急になるわけだ。世界の禁煙率向上に貢献した映画なのかもしれない。

なお、監督のそばには、いつも死神がまとわりついているのだが、これが美女のわけだ。美女が死神になって、「こっちへおいでよ」というのを断るのは難しいような気がする。