ブラック・レイン(1989年 映画)

2017-02-09 00:00:05 | 映画・演劇・Video
マイケル・ダグラスがアメリカ人の刑事として高倉健の演じる日本人刑事と協力して、大阪のヤクザ(松田優作)と戦う。実際には、大阪のヤクザは内部抗争中で、抗争に乗じて組織内部に侵入するわけだ。

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マイケル・ダグラスと高倉健は、アメリカと日本の食い違いについて飲み屋で激論したりするのだが、今日的話題の貿易不均衡の話が出てくる。

アメリカ人は日本との貿易赤字が気に入らないというのだが、日本人代表として高倉健は、「米国で輸出できるのは映画と音楽だけだ」と言い、さらに「アメリカ人が何も作れないので、日本人が工場を作って一生懸命製品を輸出してやらなければならない」と言うわけだ。まあ、アメリカ人が国際的に無知なのは、あまり海外旅行しない国民だからだそうで、今度の大統領も外国旅行の目的は夜の買い物という説もあるらしい。

補足すると、当時、もう一つアメリカが誇る世界的な産業は航空機産業だったのだが、こちらは現在では部品の半分は海外からの輸入ということになっている。一方、アメリカが今でも非常に強いのは、コンピューターのOSで、いわゆるwindows○○というOSを世界中に売っているのだが、これこそ雇用で抱える人員は少ないだろう。(本来、雇用というのはコストになるわけで、普通の会社は企業活動上は雇用数を減らす方が良い結果をだせるわけだ)

話を映画に戻すと、この映画が公開されたのはアメリカでは1989年の9月22日、日本では10月7日である。松田優作が膀胱がんで40歳の生涯を終えたのは公開後約1ヶ月後の11月6日だった。つまり遺作というのかな。

しかし、映画の中で登場するファッションは30年近く経って、ずいぶん変わり、登場する飛行機もジャンボ(B747)であるのだが、大阪の街は今とほとんど同じだ(いや退化しているように思える)。

タイトルのブラック・レインは原爆投下の後に広島に降った雨のことだそうだ。