アナリストの指摘する最大の危機

2017-02-07 00:00:37 | 投資
先週、ある證券会社の主催するアナリストのセミナーに行く。アナリストというのも様々な得意分野があり、今回は各種マーケットの中を動き回るマネーの流れから生じるチャートの変化から相場のエネルギーを予測される方だが、前段の政治的リスクとしての「顕在化するトランプリスク」について、個人的には、最大のリスクは5~6月と読まれているようだ。

新大統領は今のところ、ムチャぶりを発揮しているが、たとえばGMとかTOYOTAとかMEXICOとか移民とか、ようするに反撃されない相手に「弱い者いじめ」をしているだけで、反撃されそうなところには手をつけていないのだが、大問題は「イスラエルの米国大使館をエルサレムに移転すること」。イスラム諸国の反撃が始まるのではないだろうかと思われるそうだ。

イスラムと言っても、現在は「○○派」とか「IS」とか「武装組織」とか正規な国家そのものではなく「イスラムの中の一部」が米国を打倒しようとしていたものが、大使館移転発表によって「全イスラム国家対米国」というような状況になるのではないかと思われるとのことだった。

補足すると、テルアビブからエルサレムへの米大使館移転については1995年に米国議会承認されているのだが歴代の大統領が、半年ごとに移転凍結の大統領令を出していてオバマ前大統領も12月に半年凍結している。予測されているのは5月24日のイスラエルの祝日であるエルサレムデーに移転を発表するのではないかということ。

さらに個人的意見を書けば、他の国も一緒にエルサレムに大使館を動かすかどうかで、まあ、それはイスラム側から見れば踏み絵のようなことになるかもしれないわけだ。思えばエクソンモービルCEOが国務長官というのも、米国向け原油の輸出禁止に備えた配置にも見えるわけで、原油のない国(実際には世界のほとんどの国)にとっては本当に困ったことになるわけだ。

もっとも、「弱い者いじめ」の相手がいなくなり、強い敵があらわれてしまって5月までに足が止まってサンドバッグになることもないことではないだろうが、不安要因はたくさんあるということ。

米国が言っている為替操作で日本が円安誘導というのも、金融緩和を世界中が続けていて、アメリカだけ出口戦略ということから起きている現象だし、トランプ当選によって円安になったのに逆のことを言っているとのこと。(註:経済を強くするという目標が成功すると通貨が強くなるのは当たり前であり、現状でもどうみても米国の方が全体では景気がいいわけだ。産業が高度化する中で国内に少数の失業者がいるのは、日米ともに労働力の量の問題ではなく質の問題につきる)

そして、日本の株価については、海外勢が売り越しに転じるときに日銀がETF買いするということで支え続けて、いつの間に残高が10兆円ということで、これが出口をめざすときに売りパニックとなるだろうとのことで、その兆候を見極める必要があるということで、それについて話を聞くことになったのだが、以下省略。