女流棋士、奮闘

2009-01-17 00:00:18 | しょうぎ
最近、棋界で話題になったのが、女流棋士の活躍。

まず、1月9日に行われた新人王戦。昨年プロ棋士になった新進の稲葉四段を里見香菜倉敷藤花が破る。女性棋士が男性棋士を破るだけなら記事にならないだろうが、彼女の年齢である16歳というのが、「女流棋士が男性棋士に勝った」最年少記録だそうだ。従来の記録は、同じく新人王戦で5期前に石橋幸緒さんが横山四段を破ったときの23歳だそうだ。里見さんに敗れた稲葉四段は19歳。もしかしたら「女流棋士に敗れた男性棋士」最年少記録ではないだろうか、とも頭をよぎるが、記録を調べる気はないので、深く考えないことにする。

里見さんが、新人王になるためには、あと4人を倒さなければならないのだが、今後、どうなるのだろうか。この新人王戦は、プロ棋士だけでなく、女流や奨励会やアマチュアも参加し、よくハラハラする展開になるので、少し期待している。

棋譜は2月7日から、主催紙である「しんぶん赤旗」紙上に掲載される。近くの図書館で「しんぶん赤旗」の記事をさがしていたのだが、今年になって一面トップが「派遣村」の記事の日が、非常に多くなっている。最近、朝日新聞が、昨今の労働市場の混乱の犠牲者にとって唯一の救いは「日本共産党」である、との第三者意見を、慎重なコトバで紙面に書いていたが、だからといって、朝日新聞をやめてしんぶん赤旗に変えるようにとは書いてなかった。今後、新人王を獲得するまでの彼女の棋譜を知りたい方は、こちらに購読方法が書かれているようだ。

そして、従来の最年少記録を持っていた石橋女流王位の方だが、こちらはもっと大魚を釣り上げる。

1月1日に、主要地方紙に掲載された「王位×女流王位」の一戦で、95手で深浦王位を粉砕する。もっとも若干のハンディがあって、持ち時間が王位10分、女流王位1時間。時間切れ後、双方1分秒読み。言い訳用だろうか。こちらの方は、棋譜が公開されているので、動く将棋盤を作ってみた。

深浦王位は羽生名人と互角の成績を残している大実力者である。この分でいけば、羽生名人を打ち負かす女流が現れるのも遠からぬ日なのだろうか。

以前、伊奈川愛菓女流の女流プロデビューパーティの席で、列席各位からのスピーチの中に、「そのうち、羽生さんを倒してほしい」との激励があったのだが、言われた本人は、まだ覚えているだろうか。



さて、1月3日出題詰将棋の解答。

▲1一龍 △同玉 ▲1三飛成 △1二飛(途中図1) ▲2二角 △2一玉 ▲4三馬 △3二桂(途中図2) ▲同馬 △同玉 ▲3三龍 △4一玉 ▲3一龍 △5ニ玉 ▲4四桂 △4三玉 ▲5三歩成 △同玉 ▲5一龍 △4三玉 ▲5二龍 △3四玉 ▲3二龍まで23手詰

この問題、双玉問題である。「なぜ双玉か?」ということが、カギなのである。この攻め方の玉は、「逆王手」を掛けられるためにあるわけ。

となると、この逆王手用の駒は、配置上、明らかに「飛車」である。ところが、後手は飛車を持っていない。つまり、初手に玉側に逆王手用の飛車を手渡す▲1一龍から始まる。



そして4手目に△1二飛の逆王手になるが、仮に△1二金なら、▲同龍 △同飛 ▲3四馬以下である。そして、8手目がまたも合駒選択。前に進む駒は簡単なので桂合。



今週の問題は、以前、同じような図を公開したように思えるが、少し改造。「軽薄(軽快)な手筋か重厚な手筋か」。

わかった、と思われた方はコメント欄に、最終手と手数と酷評をいただければ、正誤判断。