「赤い月」を観て、暗くなる

2009-01-06 00:00:52 | 映画・演劇・Video
正月休みに、以前のVIDEO映像の在庫を観ていた。

「赤い月」2004年。主役は常盤貴子さん。

第二次大戦末期、昭和18年から3年ほどの満州を描く。



小樽から渡満し、関東軍御用達の酒造会社「森田酒造」を立ち上げた森田家の若女将である森田波子(常盤貴子)が戦争の時代に次々と愛する男を変え、こどもたちと生き抜くストーリーである。

彼女を愛する男たちは、それぞれ、異なる死に方を見せる。関東軍参謀の大杉は、終戦直前に、死に場を求めて、ソ連軍に突入。夫の勇太郎は終戦後、自らソ連の捕虜となり強制労働中に病死。さらに工作員だった氷室は、戦時中の残虐行為の懺悔として、戦犯として出頭。

この映画のポイントは、「波子のような(生きるためには何でもありという)女性」について、共感できるのか、できないのか、ということによるのではないだろうか。生理的に嫌いだ、という潔癖症の人には向かないだろう。もっとも、そういう極限状態になれば、潔癖症のままの人は生きていけない。

そして、1945年の満州の悲惨さは、「現実の歴史」である。映画よりも醜いこともたくさんあっただろう。


結局、人口のあふれた日本から満州に渡って、夢を追いかけた人たちって、何一つ手に入れることなく、そこに取り残されたわけだ。「しょせんは他人の土地だった」と思いながらも、「短い夢を見ることができた」という気持ちの中で、多くの国民は、無一文で引き揚げ船に乗り、戦後の日本を生き抜くことになったわけだ。


つまり、正月から、ちょっと暗澹たる気分になったのである。(もっとも、「赤い○○というのは、山口百恵シリーズだったかな」と、うろおぼえだった私がマヌケだったのだが)


ところで、森田酒造という実名の酒造会社は倉敷市にあり、創業100年を超えているらしい。この社の代表的なブランドの「荒走り」のラベルは、海軍旗のような朝日マークである。そのラベルからの連想で、なかにし礼原作の小説に名前が使われたのかもしれない、と思ってみたりする。
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