詰-1グランプリ、真の勝者は?

2009-01-10 00:00:34 | しょうぎ
1月4日にNHK衛星第2で放送された「大逆転将棋2009」の中で、「詰-1グランプリ」が行われた。司会は神吉宏充六段。登場した解答者は4人。



前回優勝者の柳田明さん(第三代全国詰将棋連盟会長)、解答選手権チャンピオンの宮田敦史五段、熊倉紫野女流プロ、小学4年生(奨励会員)。

100題の詰将棋を解くスピードを争うのだが、むろん最初から結果はわかっているようなもの。宮田五段の圧勝に対して、どれだけ抵抗できるか、ということに尽きる。(私も、以前、彼と同室で解答を書いたことがあるが、異質なスピードである。先日、BBCのサイエンス番組を見ていたら、「人間の脳の特殊技術として、炎に囲まれた消防士のような極限状況で人間の脳は、時間の流れを遅く認識する、つまり超短時間に思考する能力がある」というようなことを言っていた。そういう異常事態的なスピードなのだ)

そして神吉六段によれば、100問の内、ところどころに「双玉問題」を配置していて、そこがポイントになるだろう、と予測。



実際に、最初の関門が第30問。双玉問題である。柳田さんがアッサリ解いたあと、なんと宮田五段が立往生。そしてかなり考え込んでから正解に到達。残りの二人は、30問目をクリヤできなかったようだ。その後、次の難関が第70問。こんどは柳田さんが立往生。宮田五段はその間に、どんどん解き進み、都合45分で終了。



一応、第30問と第70問の図面を掲示してみる。どちらの双玉問題も「逆王手を掛けさせない」というパターンである。まあ、双玉詰将棋にもいろいろあって、逆王手を掛けさせてから逆転する、というのを得意形にしている詰将棋作家もいる。

つまり、司会の神吉六段にしてみれば、「宮田五段はすばらしいが、出場者を困らせる双玉問題を作った私はもっと素晴らしい」と、いうことを暗に言っているようなものだろうか。

実は、神吉六段は「双玉詰将棋傑作選・上/下」という本を出している。自著の宣伝みたいな話だ。この傑作選でも、逆王手を掛けさせないというポリシーの作品が圧倒的に多い。

ところで、宮田五段は約2年前に急性胃潰瘍で手術をしたこともあり、昨年まで休場していた。その結果、順位戦C1組では最下位の張出し扱いである。ルール上は、降級点を1.5回取ったことになっているそうだ。今季は今のところ5勝2敗。昇級はきびしそうだが、なんとか、あと1勝して降級点を減らしたいものである(もちろん昇級の可能性は僅かにあるはず)。



さて、12月27日出題の「一応年賀詰」の解答。

▲2八銀 △2九玉 ▲3九飛 △2八玉 ▲2九飛打 △1七玉 ▲1八歩 △1六玉 ▲1七香 △2五玉 ▲2六歩 △2四玉 ▲2五歩 △2三玉 ▲2四歩 △2ニ玉 ▲2三歩成まで17手詰。

正月用の、いたってのんびりした作意を牛の歩みに喩えて表現。

収束は、丑年らしく四歩あるいて、と金を作って終了。最終手、▲2三歩不成の余詰めがある、と言われないように玉型の2一歩を2二歩にすればいいが、それだと牛が三歩になり、と金もできない。途半ばで夭折するみたいになって縁起でもない。

本譜では、最後に▲2三歩成と「と金」ができて、今年の世界経済のささやかなリカバリーを祈念することになる。

ただし、歩が成るときに、時計の逆回り方向に駒が回転して裏返しになれば、「と金」となるのだが、うっかり、時計の針と同じ方向に回して裏返してしまうと、歩は「牛魔王」に成ってしまい、今年が、「天変地異、阿鼻叫喚の生存競争の一年」になってしまうので、注意が必要だ。Please Try!?

動く将棋盤は、こちら



今週の問題は、双玉問題。

神吉式とは異なる。逆王手がかけられないように逃げ回ったりはしない。

誕生したばかりの問題である。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評をいただければ正誤判断。
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