蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

諏訪家の庭  上越市川端

2012-06-27 22:27:44 | 古民家、庭園
地方新聞社はその守備範囲の地域の文化を伝えることに、頭が下がるほどの情熱を燃やしている。その功績はそれなりに大きいと常々思っていた。
新潟日報事業社が刊行するキャレルという月刊誌がある。その、別冊として「新潟のオープンガーデン案内」が刊行された。
そこで見つけたお庭である。普段は公開されない一般家庭の庭である。


お庭の公開は6月一杯まで。ギリギリのタイミングで、なんとか拝見させていただくことができた。
上越市のこの周辺は一面の豊な平地が広がる。一軒の敷地がそれぞれ広大である。
その中で、一つ一つの庭石、庭木を丁寧に植えていった歴史を持つ庭である。




それ程に規模の大きい庭ではないのだが、一人の人間が管理するとなると、随分大きく立派な庭に思える。
石も、灯篭などもお好きなご主人から少しだけ、庭造りの話をお聞きする事ができた。


苔と石燈籠の調和がみごと。


この石の隣に植えられているのは萩。素晴らしい花を咲かせるという。残念なのは、この石の背後にしだれ紅葉があり、その姿とこの石の取り合わせが実によかったのだそうだ。今年(2012年)の大雪で紅葉の樹は折られて枯れてしまった。


諏訪家は茶の師匠を務めるそうだ。茶会となれば、懐石料理までを自家製で供するという。
その時に生けられるのは全て、この庭で育てられた茶花だそうだ。
実に大変な事だと思うのだが、それを楽しみとしてしまうタフな姿勢に、驚きとともに尊敬の念を強く覚えた。



金寿司  新潟市南区白根

2012-06-25 22:40:04 | 寿司
町村合併で新潟市の一部となったが、新潟の市井とはかけ離れた環境にある。
日本庭園を公開されていた高橋邸からは2キロと離れていない場所にある。


玄関にも立派な石組が置かれていて、それを保護するかのように壁が囲む。
土着の文化が不思議なほどの豊さを見せる、新潟平野の中でキラリと輝く物のある土地のように見えてくる。


ノンアルコールビールしか飲めない状況だが、お通しに枝豆が出てきた。
走りの豆を、枝ごと茹でてある。時期として早すぎではないかなどという疑いは吹き飛び、食べれば幸福になる豆であった。


上生寿司。2100円!
これは、驚きである。





実に日本海ネタ採れたてを感じさせる三カン。
寿司の姿も美しかったし、海苔のパリパリ感が実に幸せな世界を口の中に作ってくれた。






こんなトロがいただけるのは、まるで夢のよう。
寿司は洗練された小ぶりな握り。小ぶりと言ってもシャリだけで、ネタは濃厚な味を味わえる。
これで2100円とは、どうなっているのだろう・・・




ワラビ(でしたよね)の煮もの。鰹節が最高に効いて、素晴らしい味わい。
実に出汁の効いたお味噌。
不思議なほどの洗練が感じられるお寿司屋さん。これ程に、日本の文化を集約して語るお店も珍しいと感じた。



古民家・庭園一覧(3)

2012-06-25 21:50:19 | 古民家・庭園一覧 新潟から福井
[新潟]
若林家  村上市   
村上旧市街 
春の庭百景巡り 村上市(3)  料亭  村上市
春の庭百景巡り 村上市(2)  メインストリート周辺  村上市
春の庭百景巡り 村上市(1)  城前エリア  村上市  
渡辺邸  関川村 
渡邉邸 関川村 平成の大修理1
渡邉邸 関川村 平成の大修理2
渡辺邸 平成の大修理後(1)  関川村
渡辺邸 平成の大修理後⑵  関川村
東桂苑  関川村  
東桂苑  関川村 室内を中心に 
清水園  新発田市 
梅雨のさなかの清水園  新発田市
清水園(3)
清水園  梅雨入り直前
市島家  新発田市
市島邸 再訪(1)  新発田市
市島邸 再訪(2)  新発田市
石泉荘  新発田市
清水園  梅雨入り直前
石泉荘(2)
五十公野御茶室  新発田市
無為信寺  旧水原町
椿寿荘  新潟県南蒲原郡田上町 
椿寿荘(2)  新潟県南蒲原郡田上町
旧笹川家  旧味方村 
孝順寺  安田町  
旧伊藤家(北方文化博物館)  新潟市沢海
旧伊藤家 紅葉   新潟市沢海 
旧伊藤家(北方文化博物館新潟分館)  新潟市 
旧齋藤家別邸   新潟市
旧齋藤家別邸 紅葉   新潟市
旧齋藤家別邸  紅葉の頃(2)
安吾 風の舘
砂丘舘   新潟市
旧小澤家   新潟市
旧小澤家(2)  新潟市中央区
赤塚・中原邸  新潟市
中野邸美術館   新津市
中野邸美術館 紅葉の姿(1)アプローチ  新潟市秋葉区
中野邸美術館 紅葉の姿(2)座敷から  新潟市秋葉区
中野邸美術館 紅葉の姿(3) もみじ園
二宮家   北蒲原郡聖籠町
二宮家  聖籠町  新潟
二宮家  聖籠町(3)
「絵のある風景」  新発田市米倉
高橋邸   新潟市南区西白根
浄専寺  新潟市西蒲区
長谷川邸   長岡市
長谷川邸(2)   長岡市
旧久須美家庭園(住雲園)  長岡市
旧大阪屋三輪家別荘 楽山苑  長岡市
佐藤家住宅  魚沼市 
目黒邸  魚沼市
目黒邸(1)  母屋と中庭
目黒邸(2)  樗亭、茶庭
目黒邸(3)  目黒邸と自然
旧佐藤家住宅  魚沼郡大倉
圓福寺   魚沼市
関寓房  南魚沼市坂戸(旧六日町)
開興寺  塩沢町
高田の雁木   
糸魚川の雁木   
筒石の町   
十二峠  新潟県   
大棟山美術博物館  松之山
大棟山美術博物館(2)  松之山  
カール・ベンクス流古民家再生  松代
古民家で生け花  奴奈川姫の家  松代地区
貞観園  柏崎市高柳町 
貞観園(2)  柏崎市
貞観園(3)  柏崎市
貞観園(4)   午前の光
貞観園  萩の花の頃
貞観園  萩の花の頃2
飯田亭  上越市大島区
静雅園  柏崎市
龍雲寺  柏崎市黒滝
飯塚亭  柏崎市(屋内より)
飯塚亭  柏崎市(秋幸苑より)
松雲山荘  柏崎市
荻ノ島かやぶき集落 冬姿  柏崎市
瀧本邸   上越市頸城区
瀧本家(2)  上越市頸城区
林 富永邸   上越市三和区
林 富永邸(2)  上越市三和区
林 富永邸  新緑
保阪邸  上越市
保坂邸 春の公開  上越市戸野目
保阪家 環翆亭  上越市
坂口記念館  上越市
松風園  上越市中央
字喜世の庭  高田
旧今井染物屋  高田
関山宝蔵院跡  旧妙高市
谷村美術館  糸魚川市
玉翠園  糸魚川市
翡翠園  糸魚川市
[富山]
護国寺  朝日町
天真寺  黒部市
西徳寺  黒部市
浮田邸  富山市   
内山邸  富山市宮尾 
金岡邸  富山市  
北前船回船問屋「森家」  富山市   
富山市陶芸館  
円山庵  富山市民族民芸村
佐伯家住宅  高岡市
光薹寺  高岡市 
国泰寺  高岡市
国泰寺 雪姿  高岡市
光久寺茶庭  氷見市
宝性寺   小矢部市
岩瀬家  五箇山
菅沼合掌集落  五箇山
相倉合奏集落  五箇山
村上家  五箇山
[石川]
金沢  兼六園 
玉泉園(1)  金沢
玉泉園(2)  金沢
玉泉園(3)  金沢 
寺島蔵人邸   金沢
志摩   金沢ひがし廓
松任ふるさと館  白山市
苔の園  小松市日用町
小松  那谷寺
座主家  七尾市 
室木邸  七尾市
平家  志賀町
喜多家  宝達志水町
妙成寺  羽咋市
上時國家  珠洲市
下時國家  珠洲市
角海屋  輪島市天領黒島
蔵六園  加賀市橋立町
[福井]
福井市  養浩館   
福井県丸岡町  坪川家 
福井県丸岡町  坪川家(2)
福井県  丸岡城   
平泉寺 白山神社  旧玄成院庭園   
旧橋本家   
朝倉氏一乗谷遺跡  
池田町   梅田氏庭園
池田町  堀口家住宅   
今庄  京藤家   
敦賀市  柴田氏庭園
敦賀市  柴田氏庭園(2)
河野村  右近家
武生  春駒   
三国  福井県   
鯖江市恵美写真館   
鯖江の料亭 
圓照寺  小浜  
萬徳寺  小浜

高橋邸  新潟市南区西白根

2012-06-22 22:21:59 | 古民家、庭園
新潟市の南部は、海沿いに弥彦山が展開するが、信濃川流域の内陸には延々と平地が続く。その地形を活かして、旧白根町と旧三方町では凧合戦が有名なようだ。


この辺りは江戸末から明治初期にかけて多数の豪農を産出した。近くには大庄屋笹川家や、田上家の椿寿荘がある。
高橋家もそのような新潟の旧家の一つである。広大な敷地の中の主庭を今年(2012年)の5-6月、公開された。


20年ほど前までは、割烹を営んでいたというが、苔の具合は近年どんどん良くなってきたという。


規模は大きいとは言えないが、築山の奥にも十分な空間があてられ、奥行きを感じさせる。
個人所有の庭らしい、家主の趣味が表に現れる良さが素晴らしいと思う。




このような質の高い庭園が全く無償で公開される、という事にこの地域の人々の意識の高さを強く感じた。いや、それどころか、無理を言って訪問させていただいたにも関わらず、凧合戦にちなんだお菓子まで頂戴してしまった。本当に暖かいおもてなしの心を感じた。


樹庵  高崎市

2012-06-21 21:14:31 | 蕎麦
北関東エリアはうどん文化が色濃いのだろうと想像していたが、近年重過ぎない、それでいて粋なお店が登場したようである。


まずは玉子焼きを注文。出汁が十分に効いていて旨い。
合わせるのがノンアルコールビールというのは、少し残念。




辛みおろし蕎麦を注文した。
蕎麦は太めで元気がいい。汁は、ちょっと甘め。もう少し、出汁は効いても甘さが前に立たない(アンチ江戸前のような)田舎風にするのも面白いと思った。


連れが注文したミニ天丼。ご飯は少なめだが、ネタの種類も多く、これでミニとはちょっと遠慮しすぎなようだ。十分なボリュームだったようだ。


ご馳走様でした。


二宮家  北蒲原郡聖籠町

2012-06-19 19:00:29 | 古民家、庭園
二宮家は相当に規模の大きい豪農の館であるが、いまだに当主が住まい、基本的には公開されていない。
5月下旬から6月にかけて庭のみが公開される。


母屋の規模をみると、玄関は簡易な形に造りなおされたような感じもするが、奥座敷までを見通し、この家の庭の一部であった弁天潟までもが一望される。




母屋は天井も高く、格の高さを感じさせる。
家屋の中は公開されていないので、望遠の一コマで雰囲気を想像していただきたい。


母屋の反対側、奥座敷の奥の庭から。




座敷の床の間の横、手水鉢の石組が実に豪華である。






座敷の縁側から庭を望む。
弁天潟がみごとな遠景となっている。
この庭は相当に石に力の入った庭とみた。




この庭はなかなか規模が大きく、座敷からは見通せない所までも造り込まれている。
弁天潟に張り出す茶室。新発田市の清水園の茶室を連想させる。


築地を盛り上げた脇にも、このような石が置かれている。おそらく、東屋があったのだろうと思われる。


蔵の周りの裏庭に、ローズガーデンまで造られていたのには驚いた。


ととや  越後湯沢

2012-06-18 21:45:45 | 寿司
湯沢駅東口直ぐにあるのだが、お店は地下なので地上の看板に気をつけないと見逃してしまうかもしれない。
湯沢は時折小雨がぱらつく状態で、温泉街も人出は少ない。お店は空いているだろうと思って午後6時に入店したら、カウンター周りはすでに満席だった。


奥の座敷に陣取って、生ビールから始める。


まずは日本海産の本日のお勧めを数カン。
ビールの後に塩沢の酒、鶴玲へ移行。








続いて白身づくし。イサキ、アラハチメ、メバル(だったと思うが間違っていたらご指摘を)。どれもシャリを小ぶりにネタを強調して握られ、非常に洗練されたものを感じた。
本ブログにもコメントをいただいた大塚店長が直々にご説明に来て下さった。




続いて海老づくし。海老の味が、驚くべく濃い。これはこれで絶品。






平目に、ウニに、ズワイガニ。
どれもお酒がぴったり。


締めは鉄火巻きで。


いやいや、今回もご馳走様でした。



龍府(ロンフー)  青山

2012-06-15 23:45:59 | 中華料理
ちょっとした運動の後の中華料理はいろいろなバランスが良くて、安心していただける。




おつまみに出てくる中華ソーセージは、控えめな甘みが運動の後にぴったり。練りがらしがさらに味を引き立てる。


鳥肉は皮と身の間が旨いと思う。それを分かりやすく食べさせてくれる料理法に感謝。


ブロッコリーの炒め物、カニあんかけ。
ブロッコリーの芯まで熱々の仕上がりである。


個人的には最も期待した白身魚の唐辛子煮込み。
スープもきっちり完食した。唐辛子の実はさすがに全部は食べられなかったが・・・
白身の魚も身離れが良く、山椒も少し感じることが出来た。
もう少し過激であっても、あえてこれを注文する人は文句を言わないような気もするが。


ビーフンで締めた。見た目はちょっと白っぽいが、スープの味は、きっちりと入り込んでいる。


ちょっと前から小皿料理も始めた。
ご馳走様でした。

加賀屋  神楽坂

2012-06-13 22:26:11 | 日本料理
赤城神社の脇は神田川へ向かう急坂になっている。 自動車交通の普及もあり、江戸の坂は大分緩やかになったと聞くが、この辺りは昔の姿が残っているようだ。
加賀屋さんは、その急坂の一画にあるそれなりに名を知られた居酒屋である。


まずは、ラッキョウを注文した。酢漬けで出てくるかと思ったら、季節がぴったりで生のラッキョウが供された。
上に乗る厚削りもぴったり。


名物のモツ煮込み。
なかなかのインパクトだった。


てんぷら 天仙  江戸川橋

2012-06-11 21:38:49 | 日本料理
今は神田川の名で呼ばれているが、旧平川の主流は、その昔は江戸川と呼ばれていたのではないかと推測する。
その江戸川にかかるから江戸川橋。徳川家が庇護した護国寺への参道が江戸の絵図に書かれている。


そのような歴史が味を伝えるものかどうかは分からないが、今日においても有楽町線江戸川橋駅周辺には意外な名店が多い。
こちら天仙さんも、ビルの地下に位置するが夜は予約が必須の名店である。
写真は、突き出しのイカ。


コースは海老の頭の唐揚げから始まる。
カリカリの食感が期待を持たせる。


海老の鮮度は見事。尻尾までカサっと揚がっていて味わえる。
こちらのお店では、レモン塩、塩のみ、汁におろし、の3種類を用意している。
レモン塩がぴったりだった。


肉厚な椎茸の裏には海老のすり身が。なかなか贅沢な取り合わせ。


小柱にピーマンだったか?
お酒がだいぶ回ってきて、ともかく幸せに食べた事は確かである。


泣かせの稚アユ。丸ごとパリリと。ワタの風味もいいですね。


ちょっと変わった形をしているが、ホタテを2枚使った豪華揚げ。
こういうのには、やはりレモン塩がよく合う。


グリーンアスパラは太めの、しかし実に柔らかいものが供される。


やはり、無くてはならないきす。ふんわり、カリッと揚がり具合が最高。


アナゴにレンコンのはさみ揚げ。
どちらも十分な実力を持つ。不思議に、お腹が重いとかそういう不快感につながるような感覚は一切無かった。


〆のかき揚げ。私のこの日の選択はさらっと汁でいただいたが・・・




このような食べ方も選択できる。

この日、夕方の一番客となったのだがご主人は気負うことなく準備を進めておられた。その時点で全ての準備は整えられていたのだろうか。
18時を合図にするかのように、次々とお客が来店。あっという間にお店は満席。
一時は30人以上のお客に熱々の天麩羅をご主人一人で供されていた。その手際に脱帽。