蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

せきざわ 大晦日  小布施

2013-12-31 23:12:51 | 蕎麦
大晦日に年越し蕎麦を食べる風習は、話しとしては全国的に伝わっているのかもしれないが、蕎麦屋さんまで気楽に歩いて行ける都市部でないと実行するのは大変過ぎるのではないだろうか。
越後や信州の蕎麦屋さんの多くが大晦日当日にはお店を閉めているのを見ても、それ程一般的な風習ではないことが感じられる。


北志賀高原でも、信州中野市内でも目指したお店は閉めていたのだが、都会からのお客が多いと思われる「せきざわ」さんはお店を開けておられた。
このクラスのお店が開いているのはとてもありがたいのだが、なにぶんお客の数が多い。待ち時間はそれなりにあった。
しかし、席に座り本日の蕎麦の産地をみると待った甲斐があることがわかった。長野県栄村はこちらのお店の自家栽培の蕎麦畑がある場所である。


産地が栄村なので、なるべくシンプルな蕎麦を頼むのが良さそうである。




粗挽きの蕎麦一つを注文した。
寒さが蕎麦の味わいいを引き立てる季節の走り。舌の外側の奥の方に、蕎麦の味わいがしっかりと感じられる。
薬味のネギは、蕎麦湯に合わせるのに調度よい感じだった。


暖炉に火が入れてある店内でゆっくりし、蕎麦自体はささっと味わう。
いつのまにか、席待ちの客もいなくなったと思えば、なんと蕎麦が売り切れた。
2013年、最後の蕎麦を純な食べ方で楽しめた。

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龍寿し  南魚沼郡大崎

2013-12-29 23:09:28 | 寿司
六日町に用事があったので電話を入れてみたら、営業されているとの事
このお店には暖簾がなく、前を通りながらやっていないのかなと思っていたのだが、大間違いだったようだ。


夕方早めの時間帯だったので、カウンターを独り占めできた。
まずは8カンの美濃を注文すると、ご主人はお嫌いなものとかないですかとすかさず聞いてくる。そこで、1カンが大きすぎる握りは苦手だと伝えると、佐渡沖で上がったイカをささっと握って、出してきた。見事な姿である。空腹も募っていて吊られるようにして食べた。そして大きさに全く問題が無い事を告げると、これがご主人の標準サイズだそうで、特別に小さくすることも無く握りが始まった。


佐渡沖で取れた鱈の白子。白子は鮮度が落ちやすいのか、味噌汁の具によく使われているが、このお店の白子の鮮度は抜群。まったく、臭みが無い。


ズワイガニの身と子。それをシャリの上にふんわりと載せ、木製のスプーンで食べる。
ズワイガニのような食材は、少量ずつ味わいたい。もちろん、握って一口でパクリも素晴しいが、この食べ方は蟹好きのいやしい食べっぷりをよく理解したものと思われる。


南アフリカのケープタウンで上がったマグロのトロ。これも驚くほどレベルが高い。


バイガイの中でも最も高級とされるニシバイガイ。
かみ締めるほどに、口の中に出汁が広がる。


新潟産のイクラ。醤油漬けが使われていると思うが、非常に柔らかい味覚があり、醤油で皮が硬くなったりは決してしない。
海苔もパリパリながら、口の中でさっと崩れる。


他ではお目にかかった事の無い、甘エビの頭のミソの塩辛を使った軍艦巻き。ああ、これで日本酒が飲めたらとつくづく思った。


美濃8カンの締めは、淡路島の煮アナゴ。シャリが口の中ではらっと崩れるように、握り方を変えていると思う。何しろ、箸で口に運ぶのがやっとであった。
あまりにも質が高いのと、お腹が一杯までにはなっていなかったので、さらに少し握ってもらうことにした。


この日はヒラメが切れていたので、淡路で上がった鯛。
瀬戸内海の鯛は、立派な体を感じさせ、本当におめでたい時の肴なのだろう。


大締めはウニ。こちらのウニは特別なもの、という予備知識を仕入れていたのだ。
1
北海道の水産業者でも、このような箱で流通させるのはごく限られた数だけだそうだ。
少なくとも、新潟県ではこちら龍寿しさんが注文しなければ、箱での生うにの姿はみられないそうである。
びっくりするほどの甘味を感じるのも、それだけ限られた高級品だからなのだ。値段もそれなりだが、東京で食べたらいくらにつくことやら。少なくとも私にはこちら以外では口にする機会は持てそうにも無い。

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瀧本家(2)  上越市頸城区

2013-12-26 22:00:01 | 古民家、庭園
この舘は春と秋に、それぞれ一日だけしか公開されない。


天気予報は悲観的な事を言っていたが、紅葉の映える天候となった。




瀧本家の敷地は三千坪と広大だが、母屋は大分前に失われ庭の一部となっている。
その昔に存在した母屋をしのばせるのは、石積みの基礎だけのようだ。
そのような条件もあって、庭をみるとき、これが正面という方向性が失われ捉えどころのない印象を受ける。


母屋から90度の方向の池の端に、離れの「懐徳亭」が残されている。
現在の庭では、この離れが視点を集める建造物である。




懐徳亭は、格天井の書院と、手前の座敷からなる。
それぞれ一流の材が使われた贅沢な造りである。




午前中はこちらを舞台として地元の音楽家によるイベントが開催されていたのだが、それが終了した後にこの贅沢なる離れから見る庭園の姿をゆっくりと撮影することができた。
おそらく、普段は公開されない多くの舘にこそ、驚くほどの洗練された文化がいまだにひっそりと伝え続けられているのだろう。

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仁の蔵 2013年新蕎麦  信濃町

2013-12-25 22:51:21 | 蕎麦
2013年春に店の改装が行われるとともに主たる運営メンバーが変わり、ちょっと蕎麦の様子も変化した感じがあったのだが、いつの間にか以前からの蕎麦の姿に戻ったようだ。


今年は冬が早く、11月には雪が積もり気温も氷点下に達した。
その寒さにさらされたためか、新蕎麦が絶好調のようだ。


秋の名残を惜しげなく揚げた天麩羅をつけた。
手前右手のリンゴの天麩羅は始めて食べる味であった。




地物の蕎麦は、田舎風の手打ちでありながら繊細な滑らかさを感じさせる質の高いもの。
確かに野菜天麩羅は素晴らしく美味であり、この日は午前中の一仕事もあり空腹度はいつもに増していたが、本当に旨いのは単純なもり蕎麦、という感じを受けた。


ご馳走様でした。
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林 富永邸(2)  上越市三和区

2013-12-24 23:29:24 | 古民家、庭園
林 富永邸の母屋の周りには広々とした平地が広がるが、全体に年代のついた木々に覆われているためか、午後早々の時間に日陰になってしまう。


富永家は幕末から明治にかけて、名外科医として名を成した。
そのためなのだろうか、この舘は主玄関から訪問客を招き入れる。
主玄関を役人専用にして、それ以外の日常の出入りには脇の戸を使わせた庄屋の家とは発想が違う感じがする。


今年の紅葉の色付きは今一つであったが、母屋西側に紅の姿をみる事ができた。


書院は日常に使われている形跡を留めながら、この舘の所有者の趣味の良さが感じ取られるあしらいであった。




この庭の苔の手入れは素晴らしい。
雪深い土地だからなのか、複雑な形を示すもみじを背景に、石燈籠が映える。




この舘の庭は、廻遊というか散策に向いている。
平坦なような庭は、実は段々畑のような構造になっていて、主庭園より少し下がった位置からの眺めが最も美しいように思う。


半年待って、桜の頃にまた訪れようと思う。

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てんぷら割烹 初音  高田

2013-12-21 22:17:28 | 日本料理
上越市の高田駅から直ぐのお店である。


お店は高田の駅の目と鼻の先にある。多くの場合、場所が良すぎるとお会計は高く、味は凡庸になるのだが、このお店にはそのような雰囲気がまるで感じられなかった。


てんぷら屋さんなので、昼食の基本は天ぷら。


しかし折角ここまで来たのだから、日本海の魚を生でも味わいたいと思ったら、ちょうどよいお昼のコースがあった。




おひたしや、漬物もつく。
コースの全景からはこのお店の特徴はうかがえないが、驚くほどの切れ味のあるお店である。
このコースを注文すると、刺身などの冷たいものはささっと用意され、ご主人が入魂の天ぷらを揚げる。それが手早く、しかも実に繊細な手配りを失わない。


ご馳走様でした。こういうお店に出会えるのが、地方をターゲットにした食べ歩きの醍醐味だと思う。
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保阪家 環翆亭  上越市

2013-12-19 22:12:51 | 古民家、庭園
保阪家から東方向、集落の中にある町屋である。


ともかく長閑な風景がみられる集落である。




環翆亭が保阪家とどのようなつながりがあるのか、の説明は無しに保阪家公開と同時に展示即売会が行われていた。


この比較的規模の大きい町屋は、以前に医院として使われていたらしい。


家の奥にある裏庭には立ち入ることはできなかったが、結構広さがありそれなりに造り込まれた印象も受け、今から整備すれば30年後には見事な姿を見せてくれそうな期待がある。




この集落で古い時代の雁木の雰囲気を唯一伝える、貴重な町屋である。

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保阪邸  上越市

2013-12-18 23:44:52 | 古民家、庭園
新潟県の豪農の館は新潟市周辺に多いのだが、上越市周辺でも三軒が期間限定ではあるが公開されている。


表門に面して、正式な玄関があるが、この建物はもっぱら接客のために使われた離れのようだ。




書院も広間も、いずれも格の高い造りである。
最盛期の勢いが、臨場感をもって感じられる。


保阪家の母屋は裏手に品よく造られている。


露地をたどって行けば、いきなり母屋の座敷前の靴脱ぎ石に到達する。




母屋の佇まいは派手な所はなく、庭園の味わいをよく取り込んだ感じがある。








母屋の周囲を一周りすれば、いくつもの紅葉の見どころが見られる。
石組に頼らない独特の優れた感覚がひかっていた。


この籐椅子で和菓子とお茶をいただいた。洗練の極みである。


母屋の奥には竹も植えられている。

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てんぷら 天仙  江戸川橋

2013-12-16 21:42:34 | 日本料理
たまに江戸川橋のお店にお昼の時間に遠征すると、普段よりひとつ、ふたつ上のランチを狙う方々でお店が一杯の事が多い。
上司のおごりで、昼からビールというグループもそれなりに見られる。


やはり、このお店の本領は夜のカウンターで発揮されると思う。
まずはサラダに、突き出しの煮込み。天汁の味をすっかり吸い取った感じの旨みが深い。




海老が二匹つくコースを注文した。
パリパリに揚がった頭を一口食べれば、このお店の揚げ方の腕がわかる。身はほくほく。


たっぷりとした大きさの椎茸には、海老しんじょが挟みこんである。
この日は外気温が相当に冷え込み、天麩羅にはもってこいの気候であった。


銀杏がほっこりと揚がり、塩で食べれば口の中で香りが広がる。


ホタテの味が、揚げる作業により凝縮されている。
やはり、レモン塩でふうふう食べる。




キスに穴子。どちらも押しも押されぬ種。
キスは、やはりレモン塩でいった。
穴子の二口目から、天露が大活躍。


いつも同じになってしまうのだが、締めのかき揚げは天丼にしてもらった。
揚がった直後の天麩羅を、高温で煮立てた露にくぐらす手法を使う。
ご馳走様でした。
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旧安藤家(2)  南アルプス市

2013-12-13 00:20:43 | 古民家、庭園
旧安藤家の庭園は日本庭園観賞便覧によれば江戸期のものである。


母屋はそれなりの広さがあり、ついこのごろ茅葺屋根のふき替えが終わったばかりのようだ。
かなりの大工事であったのだろうと推察する。




離れに立派な茶室があるのだが、前回訪れた時は茶席に使われていて、立ち入ることが難しかった。
今回は、この茶室の内外を紹介しようと思う。




初めて茶室の内部から庭を眺める事ができた。
なかなかの姿である。




茶室から見て左手に池が造られているが、これは意外に新しいものかもしれない。


池に落ち込んでいくような流れのある枯山水。年代的にはこちらの方が古そうな感じがある。


豪農の舘として、なかなか見ごたえがあった。

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