蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

貞観園  柏崎市高柳町

2010-09-30 22:18:27 | 古民家、庭園
高柳町は県道を通るかぎりごくありふれた新潟の町なのだが、県道裏の急坂を登るとこれはただ者ではない屋敷が広がるのが見えてくる。




裏山からの流れが庭にそそぎ、それが塀に沿った堀に流れ出す日本の庭としては理想的な地勢である。
この庭は、松之山を本拠にして栄えていた村山氏の一族が17世紀にこの高柳町に移住してきた事に始まる、村山家の家屋敷なのである。






門から直ぐの表庭も、それなりの石組が見られる。どこまでがそうなのか、分らないが田中泰阿弥(昭和初期に京都で活躍した庭師)の作品だそうである。


貞観園の中に建つ貞観堂は修復作業が終わったばかりで、一本通った感じのすがすがしい姿を見せてくれた。


数年前から続く庭園の補修作業は未だに完成せず、園路を歩くこともできず、この写真は貞観堂から覗き込むような望遠で撮影している。


まだ陽も高い時分からこの庭園にいたのだが、いつしか夕日が室内を照らし、山際に近づいた。










逆光の夕日が沈むと、木々の葉が作るハレーションを受けなくなり、庭園の風景は急にシャープになる。
細かい所までが見えるようになってくる。

このまま、廊下に座って月の出を待つ事が出来たら、どんなに素晴らしい世界を経験することが出来たのだろう。日本庭園が最も神秘的に魅力的になるのは暮れなずんだ頃だと言った学者もいる。豆電球程度の明かりで、月を邪魔しないで味わうような事は、もうこの国の文化財では出来ないものなのだろうか。


しんばし  越後湯沢

2010-09-29 21:28:04 | 蕎麦
越後湯沢から長岡辺りにかけて、蕎麦といえばへぎそばの文化が確立されている。このお店も広く言えばその内の一軒なのだが、どこかそれでは飽き足らない非凡な所が感じられるお店なのだ。


蕎麦を食べに行く前に、温泉に入りゆったりした。舞茸の天麩羅はきっちりと揚げるのに少し時間がかかるのだが、そんなことはまるで気にならなかった。
今年の夏の暑さは、舞茸の旨みを凝縮するのに大いに役に立ったように感じられた。


神楽南蛮を基にした「からいすけ」でいただく、せいろ。太打ちの蕎麦が様々な薬味をそのまま受け入れる。


やはり蕎麦の迫力を感じるのには、お江戸よりトンネルを抜けた先を訪れるのがふさわしい。

彼岸花の咲く小石川後楽園

2010-09-28 22:16:05 | 古民家、庭園
この夏は本当に暑くて、碑が高い時間帯にウロウロ出歩く気分には全くならなかった。ここへきて、やっと気温が落ち着き、随分久々の東京お庭散歩となった。


小石川後楽園は彼岸花が咲き乱れていた。園内の随所で見られたが、蓮池辺りの花が特に見ごたえがあった。


園内に置かれた、名のある名石と、季節の花の取り合わせは、素晴らしかった。時に流されない石と、この時にしか美しい姿を見せない花の取り合わせ。


大堰川のほとり、この時とばかりに西日に映える花が、不思議な芯の強さを感じさせた。


背景は神田上水の跡。江戸で最初に作られた水道施設と言われる。

筒石の街並

2010-09-25 18:14:45 | 古民家、庭園
筒石は日本海に面する漁師町。


海沿いの一本道の両側に、よく似た規模の家が立ち並ぶ。
家並みの片側の裏は海、その反対側は切り立った崖が迫り、海と山のほんの狭い所に住処を見つけた感じだ。


特別に古い家があるわけでもないのだが、街全体を統一いしたある雰囲気に覆われているところが素晴らしい。


ネコくんも起きだして、御挨拶してくれた。


たった数本しか道は無いのに、無限を感じさせる都市が広がる。

すし活  糸魚川

2010-09-24 19:28:00 | 寿司
8月に訪れた時の印象があまりに強烈だったので、迷わず裏を返すことになった。


前回は地魚で行って、素晴らしい幸福感を味わった。そこで、今回はあえて特上にした。


白身の地魚だけでなく、マグロの扱いがなんとも素晴らしい。二カン、トロが出ているということは、どちらも並みのトロではないという事だ。
左端はものすごい上質の大トロ。トロの身がバターのように柔らかい。右側は、風味豊かなトロ。これはこれで実に良かった。


貝類も自然の出汁がたっぷりで、それでいてゴムのような固さはどこにもない。


巻物の海苔は、パリパリ。これって大事だと思う。
これに前回紹介した鉄火巻きが付く。
なんだか、また行きたくなってくる。

高浪の池  糸魚川市

2010-09-23 16:58:15 | 自然
県道483号線沿い、ヒスイ峡の手前に高浪の池がある。相当に標高が高そうな所にあり、このまわりは急傾斜な坂だらけだが、ここだけ平地が広がり、池になっている。


明星山をひかえた場所にあり、ちょっと神秘的な感じがする所だったのだろうと思う。


残念ながら、現在では湖岸はグラウンドゴルフ場として芝地になっていたりして、手つかずの自然とはかけ離れた状態にある。
この日はまるで風がなく、明星山が湖面に映る様子を撮る事が出来たのが、唯一の成果のような気がする。

ヒスイ峡  小滝川

2010-09-22 21:10:55 | 自然
姫川を上流へ遡ると、右手にゴツゴツとした岩の塊のような明星山が見えてくる。


小滝川沿いに西へ向かえば、翡翠を産する明星山が独特の姿を見せる。標高1189メートルと、高い山ではないのだが、非常に威厳がある。


ヒスイ峡には狭くて急傾斜な県道483号線からアプローチする。この道の左右は、ビックリする位狭い所までもが棚田に作られ、昔からの美しさを見せている。おそらく、この棚田の担い手は相当に高齢化しているのではないだろうか。


小滝川直ぐから、明星山の絶壁が建ちあがる。沢の水は音をたてて流れ落ち、しばし絶景に見入ってしまう。

圓福寺  新潟県魚沼市

2010-09-21 22:30:18 | 古民家、庭園
圓福寺の由来は奈良時代まで遡るというが、国道17号線の裏手にひっそりとたたずむ、緑豊かなお寺である。




境内には樹齢何百年という杉が立ち並び、その足元は緑の苔が素晴らしい。


片隅には、キリシタン地蔵菩薩の姿もある。




本堂裏手には、琵琶湖を模した池を中心とした苔庭が作られている。18世紀初頭に、京都より庭師を招いての作庭だそうだ。


池はL字型に渡り廊下まで廻り込み、茶室からはまた別な眺めが展開する。
それにしても、苔庭に面した窓は全てきっちりと鍵がされていて、写真を撮ろうにもガラス越しでしか撮れない。


程なくしてそうする理由が判明した。渡り廊下の壁が大型のハチの巣になっているのだ。

大正橋近くのつり橋

2010-09-20 22:40:33 | お散歩
糸魚川は翡翠で有名なまち。北アルプスの麓を通り、ついには町から海へと注ぐ川には姫川の名が付けられている。翡翠という冨を産出する神のおわす川という事なのだろう。


糸魚川市から国道148号線を南下し、県道483号線方向に右折する際に、昔のつり橋の橋脚のようなものが目に入った。ドライブマップには大正橋と書いてあるが、それは国道148号線の橋の事らしい。こういうものに目が行くのも、レギュラーコメンテイターの方の影響が大きいと感じた。今では、文字通り粗大ごみ扱いのようだ。


対岸のペアになる橋脚をみても、実に立派な基礎工事がなされている感じだ。素人なのでよく分らないが、地上に出ている部分よりも深い所に工事の本質があるような感じだ。


随分、細かいところにまで工夫をこらしていたようだ。

田麦そば  十日町

2010-09-18 21:43:06 | 蕎麦
ちょっと古い資料によれば、こちらは自家栽培のお店。つなぎもフノリ以外は入らない。


このお店では、薬味にカラシを使うようだ。ちょっと、心配になってきた。


蕎麦の量は見事だが、大盛りを注文する気が起こらない。
甘めの汁に、カラシの組み合わせは、ちょっと冷やし中華を連想させる。
越後の人はよく働き、よく食べる。60過ぎと推測される夫婦が、これに天麩羅を付けてペロリだった。