蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

山せみ  神楽坂

2014-02-28 22:55:11 | 蕎麦
山せみさんの蕎麦が、最近非常にレベルが上がったように感じられる。
お店は、蕎麦屋というよりはそば居酒屋だし、サービスも居酒屋の範囲だが、まあそんな事いいから蕎麦を食べようという気になる旨さである。


とはいえ、この日は天麩羅盛り合わせからスタート。
雪のために東京から出られないので、昼からやけ酒である。
蟹の足は、天麩羅にすることでぐっと味がしまった。


天麩羅盛り合わせに、せいろと田舎の二色蕎麦を注文したのだが、天麩羅を食べ終わらないうちにせいろが出て来た。
老舗なら、まず絶対にやらない事だとは思ったが、酒を飲みすぎないためにはこのタイミングがよい。機嫌が悪くならない程度に蕎麦がよい。


本日の打ち手。


田舎は太いが固め。実に都会的な田舎である。しかし、本当に悪くない。


食べ終えてもお腹に少し余裕があったので、ミニ天丼を追加。なかなか、魅力的な姿であった。


ご馳走様でした。


旧古河邸  大雪の翌日

2014-02-26 23:51:36 | 古民家、庭園
土曜日の大雪の夕方には、相当ダイアの乱れがでたようだが、翌日はすっきりと晴れて営団地下鉄も平常通りの運航。旧古河邸に問い合わせても、平常通り開園していますとの事なので、雪姿を撮影に向かった。


午前11時近くに到着したので、気温は既に高く、樹の雪はほとんど落ちてしまっていた。
それでも、和風庭園の中は長靴などで足元を固めないと回遊出来ない状態であった。


今回の大雪は強い寒気を伴い、池の水は凍っていた。
それだけでも、少し珍しい姿か。


大雪は紅梅が咲きそろった時期に、降り積もった。
翌日には、見事な梅の花が咲き誇る姿が見られた。






雪見灯篭の足元が、文字通り雪に覆われた。
この雪の中に浮かぶような姿は、この庭を作庭した小川治兵衛も見ていないのではと想像する。


この庭の、重要な見どころは涸滝だろうか。




それと治兵衛が非常にこだわった滝。
周囲が凍りついた姿であるだけ、滝のダイナミックな流れが分かりやすい。


和み  神楽坂

2014-02-24 23:49:24 | 蕎麦
神楽坂の表通りから少し入った所のお店である。
カウンターの端にするっと座ったつもりだったのだが、すかさずご主人から「ご無沙汰しちゃって」と声をかけられてしまった。本当は、こちらが言うべき言葉、一呼吸遅れた訳である。


不思議なのだが、こちらのお店に一人で入るときはカウンターの左端に座席が自然と決まる。
では、生ビールで始めますか。


これまた毎回注文してしまう、キスに海老の天麩羅。
二人前を想定されている感じだが、揚げ切りがすごく軽く、いつも大満足で二人前を平らげる。


二色蕎麦。
左はシルク。右は赤米。
今回はお店に余裕があり、ご主人の蕎麦修行の事とか、ゆっくり伺う事ができた。
こちらの御主人は、うどん文化を深く味わった方。そもそもの生まれは四国だそうだ。




そういうバックグラウンドがあるので、蕎麦の工夫も発想が斬新である。
今回訪れて、確かにそうだなと納得した感じである。

神楽坂でそれなりに凝ったお酒を出し、それでもお店の中がガサガサ騒がしくならないお店である。


あべや  神楽坂

2014-02-20 23:17:22 | 日本料理
「あべや」さんは、秋田県比内地鳥生産責任者の店である。


寒い中を歩き回った後は、フーフー言って食べるような丼物はとてもありがたい。
しかし、こちらの丼はまず右手前のスープから始めたい。比内鶏の出汁が効きしかも良質の鶏脂で実に熱々なのだ。




丼の蓋をとれば、黄身の色が濃い親子丼の艶姿。
右手前の漬物はいぶりがっこ。奥は、豆腐。


比内鳥は備長炭で上手に焼いてあるものを使う。タレの味も上品だが肉によく入り込んでいる。
玉子自体の味がまったりと濃い。

これだけ上質の素材を使いながら、値段は割に安めに設定されている。
素材のよさの純粋な質を味わいたい方に、お勧めである。


六義園  大雪

2014-02-18 23:24:21 | 古民家、庭園
土曜日の大雪は、夕方になってもどんどん勢いを増すばかり。


酔狂にも午後4時過ぎにわざわざ六義園を訪れた。






園内は人も少なく、しんしんと雪が降り積もるばかり。
江戸時代に時間が戻ったかと思われるようなモノトーンの世界であった。




この日、つつじ茶屋などへの小道は通行止めとなっていたが、藤代峠への小道は通ることができた。なかなか、滑りやすい道ではあるが池に落ちる危険はない。遠景のビルが霞んで、あまり気にならないのも雪の大事な効果かもしれない。






千鳥橋の奥の入江には滝見茶屋と水分石の石組がある。
大雪を纏うと、実に山深い場所にあるように見えてくる。






ゆっくりと池を一周りする間に風雪は激しさをました。
カメラを操作するために手袋をはめなかった右手は、しびれるように冷え切った。
閉門時間も近いし、この辺りが我慢の限界だと思われた。



芳とも庵  納戸町

2014-02-16 23:37:36 | 蕎麦
その昔の廻船は青森を回った。
京都の文化は航路沿いに直に伝えられた感触がある。


津軽蕎麦は、手の込んだ製法が必要という。それは、都の文化の洗練を受けた地の処方の限りを尽くした姿にみえる。
おそらくは、地蕎麦はこのような洗練を持たなかったのであろう。それでも、それを伝える意識が大切に思われる。


ここは、東京都新宿区納戸町。
目と鼻の先にバブルの頃の超高級マンションが並ぶ。

津軽蕎麦は、一度地元で死に絶え、東京は池袋の横町で復活し、再開発とともに文京区の地蔵横丁に移転した。
今は、その親戚筋が納戸町で構えるお店が繁盛している。

昼時に入店した時、女性客が多いなと思ったのだが、蕎麦の食べやすさと微妙な関係があるのかもしれない。

ブラッスリー・グー  神楽坂

2014-02-14 21:34:13 | 洋食
実にリーゾナブルな値段で、たとえ非常に空腹な状態であってもきちんと答えるフレンチのお店である。
普段の昼は予約無しでは席につけないが、大雪で交通が一部遮断されれば、お店に行きつけるもの勝ちになる。




前菜は、鴨のコンフィ。それに生野菜が付くだけに見えるが、右下はアクセントのピクルス。野菜にもよくこなれたドレッシングが付き、3種類の味を堪能できる。
コンフィはフランスパンに合わせるのがよくて、パンを二皿お代わりした。


メインは羊肉のワイン煮込み。
脂身がそれなりにある部位なのだが、処理が素晴らしく、どんどん食べ進んでも胃に全くこたえない。
脂身の甘みが、素晴らしかった。

食後のコーヒーは付かないが、これで1000円(厳密に言えば消費税50円が付く)。
ランチAの一例である。


暖かい昼食の間にも、外の雪は降り積もっていった。


小石川後楽園  大雪

2014-02-13 23:14:00 | 古民家、庭園
本州の南側を低気圧が通過し、土曜日の早朝から大雪になった。


後楽園の園内も珍しく雪が積もった。わずかの積雪により、石組は普段とは異なる姿を見せる。


徳川光圀が愛した梅の花が咲きだした時期、降りしきる中の健気な姿を見た。


この日は厳しい雪雲が空を覆い、激しい風が吹き付ける。
手先が凍えるような状態であったが、蓬莱島の辺りも江戸の昔思わせるような姿となった。


大泉水を泳いでいた水鳥が、突然上がって来た。




庭園南側の、木曽川を写した渓流。江戸の用水として最初に造られた神田上水を利用して、江戸城の外堀への流れであったと推察する。
水資源が限られた江戸の台地にある上屋敷の中に水が滞留した池ではなく流れを造れるのは、資源を持つ者の特権だろう。


すっかりモノトーンの世界となった蓬莱島。




大堰川の沢渡り。リズミカルに石が配置されているのだが、この日は降雪で滑りやすく立ち入り禁止になってしまった。




屏風岩に西湖の堤と、この辺りは見どころが多い。






この庭で最も緊張感があるのは内苑だと思う。それは、雪姿でも変わらない。
浮世絵の画家たちの装飾技法でも表現しきれるか考えてしまう程の雪姿の松の樹。
すらっと伸びた薄いアーチの石橋。
やはり格の高い世界らしいと納得する。




桂舟  前橋市

2014-02-12 23:06:33 | 蕎麦
こちらは十割に合わせる鴨汁でならした蕎麦屋さんという印象を持っていた。しかし、この日は十割はすべて予約済みとの事。


おとなしく二八のおろし蕎麦くらいでも実によかったのかもしれないが、なにかスペシャル感を求めていた気持ちが落ち着かなくて、割子を注文した。
冷静に見れば、割子は蕎麦自体の味は味わいやすくはない。わざわざ蕎麦の上に種物を載せるのはピュアリストにとっては、邪魔な存在にも見える。


蕎麦喰いの賞味するもの、あまりに求道的になるのも面白みが薄れる。滋味豊かな鶉の玉子に蕎麦をぶつけるのも味わいのひとつ。しかも、ご主人が蕎麦の香りをマスクするような海苔を割子の後ろ半分に集めて下さったような印象。まずは、玉子もトロロも押し寄せない所から箸で二三本蕎麦をすくい取り、何も付けずに口に含めば、素姓のよい蕎麦らしき受け答えこそ感じられる。


天ぷらは勢い。さっさと食べ終わるのが一番。とはいえ、春菊のエグ味を蕎麦に合わせれば、華と寂のコントラスト忘れ難し。


割子の三段目にニシン蕎麦が出た。ニシンは甘辛く濃い味に仕立てられ、おろしが付くのも頷ける。
関西のかけ蕎麦とも異なる割子蕎麦。蕎麦汁の文法を、大きく踏み外してはいないと思う。


ご馳走様でした。


旧土岐邸洋館  沼田市

2014-02-10 22:28:46 | 古民家、庭園
土岐家は18世紀半ばからの沼田藩藩主。


この洋館は、土岐家が大正13年に渋谷に建てた邸宅の、洋館部分のようだ。元々は渋谷に建てられたようなのだが、平成二年に沼田城址公園に移築された。




丸アーチの窓の上の石工細工は優れ物と感じた。この舘の施主が、音楽が七人のミューズの中の重要メンバーであるという想いを伝える伝統的文化の良き理解者であったことを現わしている。




玄関左わきのステンドグラス。具象的なモチーフが全く使われていないので、イスラム建築のようである。しかし、見事な色彩のハーモニーである。




一階の洋室部分。カーテンのフリルは光を受けてなかなか美しい。
置かれている家具は、その時代のものとは程遠いように推察されるが・・・


一階の和室は、縁側から全く和風の様式に切り替わる。




洋舘建築の一つの見せ場である階段を上がれば、二階の洋室はカーテンの姿が更に美しい。




二階の和室は格式が高く、上段の間のしつらえがある。






大正末期の洋風建築となると、ライトの影響の大家石や貼りだしたポーチ、ドイツしたみ貼りとか、様々な建築要素がてんこ盛りに使われた舘である。