蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

庭のある蕎麦屋  岡寮

2007-06-30 09:49:24 | 蕎麦
近年、新潟の蕎麦屋さんは「へぎ蕎麦」をもって、その特徴とするところがある。確かに、それはそれで好いのだが、歴史や伝統を踏まえると、更に深い世界が展開するような期待感を新潟の蕎麦に持つようになってきたのも、事実だ。国道17号線や117号線沿いのお店は、現状でも商売を手広く展開しているが、そこから少し入った地域に、これはという蕎麦屋さんが有るように思う。


実に興味深いのだが、国道17号線の裏街道とでも言うべき国道291号線沿いの蕎麦屋さんは、「へぎ蕎麦」形式のボッチもりではないお店が、俄然多くなる。291号線は最終的には、清水峠を越えて上州にいたる裏ルートであった。この街道を利用していた人々の意識はどんなものであったのだろう。


蕎麦は文句なし。なかなか端正な十割。山に近い、この場所の水は力がある。


汁は、江戸風の濃いものと、田舎の塩辛いものの二種類との口上。しかし、江戸風は何かを間違ったようなベタ甘汁。それに較べ、田舎汁の出汁が光ること。やはり、蕎麦には甘みは無用。


車で行ったので、酒は無しですが、「とろろ」を試したら、絶品。濃厚な味わいが素晴らしい。


こちらが蕎麦屋を始められたのは、最近のようです。広い建物の、一部を使いお店をされていますが、奥には庭もあります。


母屋は池に面しているようです。スケールの大きさに圧倒されます。

越後湯沢  小島屋

2007-06-29 22:44:55 | 日本料理
湯沢の温泉街は、賑やかなお店が多く、ちょっと落ちつくにはモードが違う感じがするのですが、一本裏に入った所で鰻屋さんを見つけました。すっかり暮れてしまう前の時間に座敷に上がりこみ、まずは鰻重を注文です。でも、時間かかるでしょ?と聞いたら、25分かかるそうです。これは、期待できます。


となれば、まずは、生ビール。それに続いて「おしんこ」に緑川一合です。緑川は、よく冷えていて口当たり最高。手前は、つき出しのさらし鯨。


予定通り、おしんこ全部を食べきらないうちに、鰻重登場です。嫌味な甘さがまるでなく、でも照りがあり、朝早くから走り回ったこの日には、最高の夕食となりました。


やはり、山椒は、欠かせません。
肝吸いも、やさしい味です。


只見  長谷部家

2007-06-27 22:06:18 | 古民家、庭園
関東の様々な道の名に「鎌倉街道」が付けられているのと同様に、越後から上州への道に「沼田街道」という名が付けられている。これは、越後の更に先の会津にまで至る道でも同様で、こちらの長谷部家の前をまさしく、江戸時代からの街道が走っていた。


これだけ山深い背景を背負ったルートなので、恐らく相当の昔からルートは変わってはいないのだろう。こちらに番所を供えれば、関所逃れの旅人はそうは多くなかったのだろう。


武士階級のための専用玄関を用意したので、屋根の構造はちょっとだけ複雑になる。しかし、それが積雪時にどんな負荷を強いることになるのやら。


とても新しそうに見えるのだが、実際は何時ごろのものなのだろう?意外に古いのかも知れぬ。


縁側の足元の花は、雪国らしく地味だが芯が強そうだ。


背景から前景まで、只見らしい豊かな緑に囲まれて、茅葺屋根が本来の姿を主張する。奥に見えるのは、旧五十嵐邸のようだ。

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只見  山六食堂

2007-06-26 22:20:58 | 蕎麦
会津田島や、南郷の辺りには「そば」ののぼりもあるのですが、その先となると、不思議なくらい蕎麦屋さんは、見かけません。只見の町近くになると、ラーメンなどの提灯は見かけるのですが・・・。


それで、只見の駅前まで来ると、さすがに駅前蕎麦屋さんが数軒あるようです。その中でも「自家製粉 手打ち」の看板にひかれて、山六さんに入りました。


蕎麦は自家製粉らしい、ざらっとした口ざわり。なかなかダイナミックな仕上がりです。それにしても、海苔は、存在を主張しすぎに感じました。でも、このようなお店は常連さんが、付いておられると思われますので、蕎麦の姿一つ変えるのも、とても大変なのでしょう。


海苔をはずしてみましたが、こちらの方が、個人的にはときめくものがあります。
只見も今や蕎麦ブームらしく、駅前から数キロ走ると、石臼挽きだの、いろいろあるようです。しかし、駅前蕎麦は、只見の蕎麦第一歩として、とてもふさわしく思えました。


奥会津地方 歴史民族資料館

2007-06-25 21:36:32 | 古民家、庭園
会津の人々は、自分たちの郷土や歴史をとても大事にするらしい。会津田島の町から阿賀川沿いの道を10分位登った山深いところに、23,000点の民具を収蔵する立派な資料館が建てられている。資料館には広々とした庭が付属し、4軒の歴史的建造物が移築されている。




移築された仔民家は、多くの場合それが建てられた土地から切り離された、建物としての生命が感じられないのだが、こちらではこれらの建造物を比較的上手に活用している。この旧杉原家は、もともと染物屋であったのだが、今も染物の教室として、実際に利用されている。私が訪れた時も、10人程の女性がにぎやかに製作作業を進めている最中だった。


家の前の物干しは、染め上げた布を干すための、実用品。


旧大竹家では、男性が一人で黙々とわら細工を作っていた。




こちらは、旧山王茶屋。山王峠に入口に400年前からあったもの。ただし、建物自体は明治2年に立て直された。
手前の格子窓の隣に一般客用の入口があり、その先の物々しい構えは武士階級専用の玄関。




一般客用の囲炉裏。そこから、振り返ると武士階級用の座敷や上々の間が望める。
外は日差しが厳しいが、家の中は風が通り、ひんやりとする。

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会津  大内宿

2007-06-24 22:38:18 | 古民家、庭園
大内宿は、その存在を始めて知った時から、ずっとあこがの地であった。




今なお、厳しい峠越えの会津西街道に面し、宿場全体がよく保存されている、というのは中々得がたい環境だろう。


道の両側を澄んだ水が流れ、それに沿って季節の花が植えられている。


昔は1,2軒だけだった、というが、想像していたよりもはるかに多くの蕎麦屋さんが並んでいる。


その中で、当代で二十代目になるという、佐藤家で「高遠蕎麦」をいただいた。高遠は信州の地名だが、そちらの藩主の保科正之が会津に移ってしまい、高遠から蕎麦職人も連れてきてしまった、という。それで、会津に高遠蕎麦が多いらしい。


十割の香りはそれ程でもなかったが、大根おろしの辛さが、その昔を想わせる。


梅雨の時期の、短いが本当に良く晴れた日だった。

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越前大野  七間本陣

2007-06-22 22:39:08 | 蕎麦
福井の蕎麦食べ歩き達人に案内していただき、大野市の「七間本陣」さんの蕎麦を味わうことが出来た。こちらは、営業時間が短く(なにしろ、正午をはさむ3時間のみ)、それでも売り切れ終いになることもあるという。


こちらのお店の第一のツボは、画面中央のもり汁。みじんも甘さを感じさせず、不思議に大豆の若い香りがパッと立つ。お江戸の汁に匹敵する濃さだが、嫌味なところが少しも無い。


第二のツボは、十割のお蕎麦。これは、一目見てほれぼれする。売り切れ終いになるのも、無理は無い。
福井の伝統的なお店は、二八や九一が多いようだが、こちらは十割。若い世代の蕎麦屋さんが、すこしずつ、新しい味を福井に紹介しているようだ。ちなみに、こちらのご主人は、京都府のご出身。しかし、福井の蕎麦に魅せられて、大野でお店を始められたそうだ。


もちろん、越前おろしがけにしても、とても魅力的な蕎麦だ。
おろしがけで食べるか、もりでいくか、かなり真剣に迷う。


お店の近くで、とても良い水が沸いている。これは蕎麦屋さんをやるには、実にいい条件だろう。

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武生  春駒

2007-06-20 22:27:05 | 古民家、庭園
武生は歴史の街であると伴に、この地方の名産である繊維物の取引の勝負の場所であったと推察される。それで、街の規模に較べて、料亭の数が多いのではないだろうか。春駒さんは百年以上の歴史を誇る料亭で、現在は料亭としての営業はされてはいない。それなりに格の高い建物で、演奏会の企画があり、微力ながらお手伝いをさせていただいた。




ようこそ、いらっしゃいまし。女将の姿が目に見えるようだ。


確かに料亭らしい入り組んだ造りである。よくよく、襖をみると、思い当たる部屋もあるようだが。


こちらは、少し奥まった広間。それにしても、欄間や襖の細工が細かい。想えば、越前は林業も盛んで、樹木のケアも良いし、何よりも細工職人の伝統が素晴らしい。


料亭の伝統があるので、お客様の集まる前の打ち水は付き物。こういうところは、流石の一言。




二階の奥に、とても素敵な座敷を見つけました。その、細工物の凝っていること。なかなかです。

武生  まつもと屋

2007-06-19 18:48:24 | 蕎麦
武生は歴史の街である。古くは国府が置かれ、奈良、平安の昔から福井(越前)の中心として栄えた。空襲も免れたので、古い町並みがそのまま残っている。蕎麦屋の歴史も古い。文久元年(1861)創業という七代続いた「うるしや」さんという、蕎麦屋が数年前まで営業していたという。残念ながら「うるしや」さんは、そこで途絶えてしまったのだが、蕎麦の味の系譜を受け継ぐ店がある。こちら「まつもと屋」さんは、先代から「うるしや」さんと交流があり、唯一その味を伝える店だという。


お店は、武生の中心近くにあり、古い町並みを形造っている。写真でみると、屋根が相当にたわんでいるのが分る。


蕎麦は二八だというが、蕎麦の生きた香りがたつ。大根は辛味があり、汁も甘みのないしゃっきりしたもの。最近、蕎麦汁に辛味や旨みは必要だが、甘みは無くても好いのではと感じる。


蕎麦を切るときに、包丁を微妙に寝かせるのだろう、切り口が斜めだという。これは「うるしや」さんから受け継いだ切り方だそうだ。確かに、エッジがキリキリと四角い感じではない。


とろろかけも、とても美味しかった。


ご馳走さまでした。

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武生  御清水庵

2007-06-18 19:53:18 | 蕎麦
御清水庵と書いて「おしょうずあん」と読みます。


なにしろ、こちらは水に縁のあるお店です。蕎麦を打つ水にもこだわって、伏流水のお水を使っているそうです。しかし、それだけでは、ありません。




なにしろ、お店の裏手には閻魔様の祠があって、その奥では水が(それも飲める水が)湧き出しているではないですか。武生の駅の直ぐ近くだというのに!JRの特急が止まる駅ですよ。実に凄い町です。


まずは、へしこを刺身(焼いていないということでしょう)でいただきました。へしこの香りが大根のつまと食べると、また一段と引立ちます。




蕎麦は、勿論越前おろし蕎麦。ぶっかけにすると、不思議に大根の甘みが前に出てきます。蕎麦は細身で、口当たり滑らかです。


お店の中でも、水の流れが見られました。この季節には、とてもさわやかに感じられます。

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