蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

冬の海

2011-12-31 20:06:06 | 自然
能登半島の西側の浜の夕方です。


冬型の気圧配置が非常に強く、海は大荒れでした。
少し離れた高台から見ても怖いくらいの波でしたが、この場所では毎年の風物詩なのでしょう。


IL FELICE  地蔵横丁 文京区

2011-12-29 22:53:08 | 洋食
神田川に平行した地蔵横丁は、それなりに歴史のある商店街のようだが、ごく近年まで非常に古いスタイルのお店が並ぶ目立たない場所だった。




神楽坂がグルメスポットとなって数年して、徐々にこの地味な商店街にもおしゃれな店が登場してきた。
前菜は、トリュッパのトマト煮込み、ムール貝のグリーピース添え、タコのマリネー。
スプマンテのグラスに合わせると実に美味。

このお店は前菜の量り売りをしている脇で、ちょっとした席に座ってワインの味見をしながら前菜をつつく、というスタイルである。


牛肉の香草ソース和え。
こういうメインプレートは、注文すると直ぐに厨房で作り出して熱々が出てくる。


ちょっと順番が逆になってしまったが、スパゲッティ カルボナーラ。
腰のある手打ち麺に、黒胡椒が素晴しいアクセントになっていた。


ご馳走様でした。


太田屋 助右衛門  権堂

2011-12-29 00:01:23 | 蕎麦
長野市の中でも、指折りの繁華街の権堂地域にあるお店です。


こちらは十割の十善そばと、二八の2種類がある。
十善は数量限定だが、この日はまだ売り切れになっていなかった。


十善の姿は、いかにも普通だが、そのレベルは驚くほどに高い。
汁につけないで数本を味わったところ、いきなり蕎麦の香りが口の中に広がった。
蕎麦の性質は実に昔ながらの感じ。たとえていえば、保守本流。なにか新機軸を立ち上げたのではないのだが、限られた範囲で本当に見事な洗練の技を見せてくれる。


ご馳走様でした。


桂春院  妙心寺

2011-12-27 22:20:14 | 京都の建物、庭園
14世紀に開創された歴史ある禅宗のお寺であるが、応仁の乱で灰燼に帰した。


現在の方丈は1633年の建立。
庭樹が迫り、建物全体を見渡す事ができないが、ちょっとした屋根裏の反りにも迫力を感じる。


方丈北側の坪庭。清浄の庭と呼ばれる。




井筒の裏のような所に置かれているが、枯滝の石組が見事だった。


清浄の庭と背中合わせのような、侘びの庭。






作庭年代さえも不明のようだが、茶道の影響がともかく強く感じられる。






侘びの庭から格子戸を隔てて、思惟の庭となる。
庭には立ち入れず、方丈への廊下から眺め下ろす姿になる。




方丈南面の真如の庭。
紅葉の盛りに出合う事ができた。このお寺も不思議なくらいに人が少なく、しばらくこの庭を一人占めする事ができた。なんとも贅沢なひと時であった。


大法院  妙心寺

2011-12-26 21:50:10 | 京都の建物、庭園
信州真田家のと縁の深い寺だという。
真田幸村の兄の信之の菩提寺である。


庭は、露地庭園と呼ばれる。


庭園全体が、茶の湯の趣味で統一されている。


妙心寺の塔頭にして、趣はまさしく市中の散居。
一年のほとんどは侘びた庭なのだろうが、紅葉が色を添える時期に訪れる事ができた。




庭をめでながらいただく抹茶は、この庭の一つの要素として意義深かった。


玄関近くにも、庭のものとは別の茶室や坪庭が設けられている。


その辺りから庭を眺めるのも悪くない。


道光高原いたや  広神村

2011-12-24 23:16:20 | 蕎麦
このお店の蕎麦の基本は「へぎ」である。
フノリつなぎのそばに、出汁は効いているが味付けは薄めの汁。
2人以上で頼めば、ボッチ盛りのへぎそばの形で出てくるようだが、不思議なことに一人前の「もり」を注文すると、ボッチもりにはならない。


甘すぎない汁と天麩羅の相性も素晴しい。


そばはあくまで、どっぷりと汁につけて、いただく。


天麩羅は、揚げたてをほくほくと。
そばと天麩羅の汁は共通ですが、天麩羅から染みた油がそばの味を盛り立てる感じ。


ご馳走さまでした。

鳥新  妙高高原

2011-12-23 22:51:29 | 日本料理
北信の街道沿いに、鳥新という名前のつくお店を見かける。
お店の造りは良く似ていて、チェーン店かと思っていたら、フランチャイズのようでそれぞれ特徴があるようだ。


妙高のお店は、実質を重んずる感じで、丼物のお勧め度が高いようだ。
鳥そぼろ親子丼は、あまりほかでは見かけないメニューだが、まったりとした味付けの鳥そぼろと半熟状態の玉子の黄味の取り合わせが素晴しい。


トロトロの黄味をくずせば、、淡白な鳥そぼろを補う味わいが最高!


連れが注文したしぎ焼丼。地元産の唐辛子を麹と合わせた「かんずり」をつければ、さらに食欲を刺激する。


添えられた漬物も、なかなかの味だった。


退蔵院  妙心寺

2011-12-20 23:40:50 | 京都の建物、庭園
この塔頭は今回初めて訪れたのだが、妙心寺の中とは思えない程の広がりを見せてくれた。
様式は異なるとしても、全体をひとつにまとめ上げるプロデュースの力は、実に確かなものを感じた。




室町時代の狩野元信による石庭。
本堂西側にあるのだが、拝顔客は本堂南面までしか立ち入ることができず、覗き込むようにして見ることしかできない。




庭の正面から鑑賞する事が出来ないのだが、石の表情は実に豊かである。
石のまなざしを、本気で感じてしまう。




また、枯山水の庭としても、とても分り易い造りであるように感じた。
伝統的日本文化に馴染みのない人を案内するとしても、説明が非常に楽にできるように思う。


垣根をひとつ越えれば、左手は陽の庭。




右手は陰の庭。
どちらの石も素晴らしい。陰の庭が北側にあり、その分日当たりがよいのは作庭者の計算のうちなのだろう。


中根金作による余香苑。紅葉がまさしく盛りだった。








流れを活かした庭園は、実に新鮮な魅力がある。



京都の長屋  右京区花園

2011-12-19 22:18:15 | 京都の建物、庭園
朝の時間の花園の駅前は、実に普通の都市の姿だった。
それ程乗降客もない、大都市の中心を外れた駅として、頷けるものがあった。
一大観光地としての京都という造られた形を捨て去り、素の顔をさらす潔さと自信を感じさせた。


妙心寺へ少しだけ近道をしようとしたら、ちょっと趣きを感じる路地に出合った。
昔のものがそのまま残されている訳ではないのだが、それだけ住人の息づかいを感じさせるものがある。


いわゆる奥深い町屋ではなく、その昔はどこにでもあった長屋なのだと思う。
おそらく京都にはこんな街並みはいくらでもあるのだろう。
東京では、なかなか見られないような姿なのだが。


法金剛院  右京区花園

2011-12-18 16:27:32 | 京都の建物、庭園
前日は紅葉の名所として広く宣伝されてる所を訪れた結果、いささか人出の多さに疲れを感じた。
それでは、という事で、なるべく人の多くはなさそうなコースを選んだ。


法金剛院は平安時代の初期に、清原夏野の別荘として造営されたのが始まりのようである。
現在の庭園は、平安時代の末に待賢門院が極楽浄土を具現化する意図で築いた姿を残しているようだ。




この庭は訪れる人がそれ程多くないためか、池の周りを回遊できるとともに、石橋を渡って島の中にまで立ち入る事が許されていた。
なかなか、珍しい事である。


紅葉が盛りだというのに、池の周りには2-3人の人しか見られず、とても長閑に庭を眺める事が出来た。
実にありがたい事だと感じた。


庭の奥には平安末に造られた、青女の滝が据えられている。平安時代の石組がそのまま残されている姿は数が少ないそうだ。
今日でも、中央の上が平らになっている石の所から、水を流すことができるようだ。


なかなか雅な寺であった。