神田川に並行して地蔵横丁という古くからの商店街がある。住所で言えば文京区関口。江戸幕府の水道事業が最初期に行われた水道町が目と鼻の先にある。それなりの歴史の有る商店街だと思われる。しかし、私が記憶する限り、東京の中心にありながら実に地味な存在であった。
そこへまさかのイタリア料理店の出店。その名もバンディエラ。旗を意味するそうだ。
場所が実に地味なのでお店の前で一瞬躊躇したが、中に一歩入れば納得のイタリアの空気。
アンティパスタは魚と肉の2種類を。
縞鯵のカルパッチョ。そして豚のリエット。
縞鯵は見事な鮮度。そして、豚の脂の口当たりの良さ、あまさ。それが、格安で堪能できた。
プリモ ピアットはパスタにした。
タリアテッレのボロネーズ ソース。これは素晴らしい。トマトを中心としたソースが実に濃厚な味。一見、乾燥パスタのように見えるタリアテッレは、しっかりとした手打ち。食べ応え十分で、赤ワインと相性が抜群。
しかし、さらに驚いたのがこの手打ちのショート パスタ。ウンブリチェッリというパスタで手打ちでないとあり得ない弾力がすごい。口の中で、ねっとりとした小麦の味わいが広がる。ソースはホロホロ鳥を使い、マルサラ風味。イタリアに、トマトが南アメリカからもたらされる前にも、実に豊かな食生活が行われていた事を実証するような素晴らしい一皿だった。
それにしてもプリモ ピアットまでで、かなりのボリュームがある。
セゴンド ピアットは2人で一皿で十分。
しかし、コトレッタ アッラ ミラネーゼ。やはり、カリカリを食べるとちょっと熱くなる一皿である。
デザートにコーヒー。
こんな処にこんなお店が。ご馳走様でした。