蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

相倉合掌集落 五箇山

2011-08-31 22:38:32 | 古民家、庭園
相倉集落は、合掌造りの建物が23棟残されている。集落の中心を走る道を中心として、その左右に家屋が建てられ、その背後には急峻な山並みが聳え、脇街道のようなものはない。


集落の軸線となる道は、日当たりよりも、地形により方向が定められていて、集落の入口から奥に向かって南南西から北北東への方向を向く。


集落の中心を走る道沿いの建物は、ほとんどが雑貨屋さんや宿屋として使われているが、そこから少し入った民家は、未だに農家の母屋として使われているようである。


やや外れた所にある建物の中に、最も規模も大きく見ごたえのあるものがあるように見られた。




また、そのような位置からみれば、この集落がしっかりと農業を営んでいる事が理解できる。
昔からの石垣が、棚田を支えている。


集落の軸線となる道を挟んで、左右に1軒ずつ、2軒の建物がとても気になった。いずれも、合掌造り風ではあるが、民家の造りではなく、しかしとても見事な姿である。
右手は「倉壁山 相念寺」である。地元の人の手により、きちんと管理されている事が見てとれる。




左手はというと、地元の方に聞けば「お西さん」。集落の地図には西方道場と記載されている。


戻り梅雨の日の一時、実にしっとりとした情景を味わう事ができた。



五箇山旬菜工房 いわな

2011-08-30 21:06:47 | 日本料理
先日、ご紹介した合掌造り建築の岩瀬家から近い所に、道の駅上平がある。「いわな」さんは、この道の駅の中にあるお店だ。
本来、道の駅の中にあるお店はあまり信頼する方ではないのだが、この間も道の駅で蕎麦の名店「ひだなん」に遭遇したばかりである。




いわなの握りを注文すれば、見事な姿。実にまったりとした味であった。
日本海の白身に充分に匹敵すると感じた。

川魚の生は基本的に問題があるのだが、「注文がある度に、いけすからいわなをすくい上げ、締めるところから始めるので時間がかかる、」との説明書きがあり、虫のいないいけすで養殖されているようなので、あえて試してみた。
その後、特に体調不良もないので、こちらのものは大丈夫のようである。




他に、山菜蕎麦も注文したが、いわなの握り程の冴えは見られなかった。


玉泉園(3)  金沢

2011-08-29 21:47:16 | 古民家、庭園
玉泉園は廻遊式庭園ではあるが、池の正面に当たる座敷の側から眺めるのが一番座りが良いように思う。


座敷の前には、なかなかと思われる敷石が敷かれ、いろいろな方向を眺めるのに都合がよい。






少し視線を動かすだけで、次々と目の前に形作られる世界が変わって行く。




見事な計算だと思う。


あまり素晴らしい庭なので、座敷にて御抹茶をいただくことにした(写真は座敷の隣の寒雲亭)。




そうすれば、しばしの間、座敷から庭を楽しむ事ができる。


生菓子は市販されていず、この席のためだけに特別に造られたもの。




打ち水により、石がさらに深い表情を見せる。手水鉢は越前松平家伝来のもの。


御抹茶をいただくとともに、この庭を眺める一番の場所は、寒雲亭である事も教えていただいた。確かに、2つの瀧とその上の灯篭が揃うのは、ここである。


玉泉園の庭は玉澗流庭園であると言われるそうだ。玉澗流は中国の南宋時代の画家芬玉澗の様式らしく、築山を二つ設ける、築山の間に瀧を組んである、瀧の上部に石橋を組んである、石橋の上部は洞窟式になってる、ものだそうだが、確かにその条件を満たす感じである。


兼六園の隣だというのに、他に客もいなくて、実に豪華なひと時を過ごす事ができた。


玉泉園(2)  金沢

2011-08-28 20:58:14 | 古民家、庭園
玉泉園の廻遊路を辿って行くと、道が二手に別れ、片方は石段を登って行く。




かなりきつい最後の数段を登りつめると、茶庭の灑雪亭露地に出る。




灑雪亭露地は17世紀半ばにこの地を訪れた千仙叟宗室(裏千家始祖)の指導によって作庭されたそうだ。


灑雪亭は、金沢で最も古い茶室。






灑雪亭露地も、見事な灯篭や石が置かれている。
庭園の所有者は明治末に脇田家から西田家へと移ったが、このような庭を300年以上維持するのは実に大変な事だと思う。
市の中心近くでそれがきちんと行われた金沢という街のの奥深さ、のようなものを感じた。
(つづく)



玉泉園(1)  金沢

2011-08-27 19:48:48 | 古民家、庭園
玉泉園は兼六園の直ぐ隣に位置し、加賀藩大小将頭であった脇田家によって江戸初期から中期にかけて作庭された。


木戸より、西庭を望む。全てに行きとどいた感じの庭園であるが、特に石灯籠と苔が素晴らしい。




西の間の前に置かれた筒胴型飾り手水鉢。




入口の木戸の脇には、織部型隠れ切支丹灯篭。


小雨が降った直後に訪れたので、すべてがしっとりと濡れて鮮やかだった。




木戸をくぐり、本庭へ。


本庭は、水の字形の池を中心とし、その周辺を廻遊できるようになっている。






廻遊路の周りの灯篭や石の姿も、実に見事だった。
(つづく)

菅沼合掌集落  五箇山

2011-08-26 20:50:31 | 古民家、庭園
世界文化遺産に指定された集落である。9棟の合掌造りの民家がある。


集落を訪れる人が多いので、集落の中へは観光客のクルマは入れない。
その代わり、エレベーター付きの駐車場が完備されている。




山裾の僅かな平地に建てられ、冬場の気候は厳しそうだ。
一軒一軒の民家は、結構立派な大きさである。




この集落に残る古民家の多くは、食堂や雑貨のお店として利用されている。
これだけの観光資源なのだから、割り切って利用しない手は無いのだろう。
地味な民家の軒先に、ちょっとした暖簾を出すだけで、その家の表情は大きく変わってしまうのだが、それも必然なのだろう。


戻り梅雨の合間の、なかなか充実した散策だった。


岩瀬家  五箇山

2011-08-25 22:37:53 | 古民家、庭園
岩瀬家は塩硝役を務めた家で、この地域に数百ある合掌造りの家屋の中でも規模が大きく、国の重要文化財に指定されている。


歴史ある建物で。300年前に8年をかけて建造された。


側面から見ると、その規模の大きさがわかる。




流石に加賀藩の役人が訪れた家だけあり、奥には書院が設けられている。


真夏ではあったが、五箇山は充分に涼しかった。囲炉裏端が、居心地良く感じられた。


座敷の前には、庭の名残のような姿も見えた。ただ、この地方は傾斜地が多いためか、家の周りに庭を造る考えは根付いていないように感じられた。


5階建ての3階から上は、養蚕に使われ、夏場の暑さ対策に窓が設置されている。


この地方の民謡「こきりこ節」に欠かせない、ささら(木片をジャラジャラ鳴らす楽器)も展示されていた。


レストラン自由軒  金沢市

2011-08-24 23:55:24 | 洋食
伝統の洋食のお店です。


東茶屋の一画にある、舞妓さんにも親しまれたお店。
東京で言うなら、浅草の洋食屋さんのような存在だろう。


オムライスは玉ねぎ、ケチャップ系統と路線を異にする。


タマネギの甘みが出すぎないように、野菜は短時間で炒め、それに煮込んだソースを合わせるヤシライスは、期待以上の出来。
カウンターが基本のお店だが、その昔は足繁く出前に応じたのかもしれない。


寿し ちとせ  上越市春日山

2011-08-18 22:00:30 | 寿司
「ちとせ」さんは、普通は夕方からの開店なのだが、連休とお盆の時期だけ昼の時間も営業する。


すぐ先が日本海という立地条件だが、JRの駅からは相当に離れていて、電車で行くのは大変だ。
この日は、連れに運転をお願いして、昼から生ビール。お通しの鮮度にも驚かされる。


連れは、上にぎりを注文。酢飯、ネタ、海苔、どれも言う事無し。


私は、といえば去年もお盆の時期に訪れて非常に満足した記憶がある(地物にぎりを注文)ので、ちょっと外して穴子の天麩羅から始めた。適度に脂がのり、身はしまり、味が濃い。
量少なめでお願いすれば、いやな顔ひとつしないで、受けてくれた(感謝、感謝)。


続いて、白身を4カンという、お品書きにもないものを注文。
これが、また堪らない。




1枚目、左からツヅノメにキントキダイ。この2種類は、ほのかな味わいに、白身らしい口当たりの良さが持ち味か。
2枚目、左はレンコダイ。これは、鯛らしい芳醇な味わい。右手の松ガレイは、繊細さの中に、いかにも深い味わい。白身、と言っても様々だと実感した。


まあ、折角ここまで来た事だしと、もう少し欲張る事に。
連れの注文の甘エビに白身。




私は、甘エビに生ウニ。
なんと、甘エビも巻物で出してくる。見事に白いエビに、粒が立つ感じで、透明感のあるシャリ。生ウニも見事なもの。
これに、生ビールやら、冷酒やら入れて、二人で七千円ちょっととは、信じられない。もちろん、すべてが真剣勝負。
感動のお店だった。