蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

高山大橋南のしだれ桜  長野県高山村

2014-04-30 20:22:54 | 自然
高山村は山田温泉へと上っていく坂に位置する。この桜はその中で、割とふもとの方にある。


まさしく満開の時期に訪れることができた。
樹齢は200年程度と推察されている。北信州の一本桜の足下には墓地がある事が多いが、この樹の場合も例外ではない。小林一茶と親交のあった久保田家もこの樹の足下に眠っている。




樹齢が200年とすると、小林一茶がこの辺りで句会を催した時に、この樹は若木としてここにあった事になる。


信州では春になると、様々な花が一斉に咲き出す。
近くのシバザクラや菜の花も鮮やかな姿を見せていた。

雪解けの流れ

2014-04-28 18:43:47 | 自然
普段はチョロチョロの水の流れなのだが、雪解け水で流れの量が大幅に増えた。


まったく自然の造形そのままなのだが、なかなか味がある。


流れは曲がりくねり、曲水の宴でも開けそうである。


手が切れそうに感じられるキンと冷えた水であった。

Hanuman’s Nine  牛込天神町

2014-04-24 23:33:59 | エスニック料理
牛込天神町の交差点に面したお店である。西から早稲田通り、北から護国寺への参道が走り交差する。普通には賑わいそうな場所なのだが、神田川からの低地がここで台地へと立ち上がる。その分、交差点の中での見通しが利かず、意外に苦戦する店が多い場所である。今回は本格的なタイ料理のお店が出店した。


まずは生春巻きで一杯。タイ料理屋さんらしく、ソースの味は濃厚だがそれを香辛料で調節すると望ましい味の世界が展開する。


バッチリ鳥の出汁が効いたタイ風ラーメン。
これにピッキヌーのニョクマム漬けやら、乾燥唐辛子やらのスパイスを入れて好みの味を作るのが美味しく食べるコツだと思う。


ランチメニューで、ガバオ(タイ風そぼろご飯とでも言うのでしょうか。スパイスは凄く効いていますが)の小さな皿も付きます。


御馳走様でした。

あさだ 季節の野菜店ざる  浅草橋

2014-04-22 21:45:21 | 蕎麦
あさださんは、安政年間から続く伝統の江戸前の蕎麦屋さんである。
160年の伝統を持ちながら、石臼挽きの自家製粉の十割蕎麦を出す。


この日は、季節の野菜天婦羅を添えたざるを注文した。


季節の野菜と言っても、たらの芽、ふきのとうと季節の山菜が勢揃いする。
中には栽培されたものもあるかもしれないが、この季節しか味わえない山菜は魅力的である。




蕎麦は本当のプロの技。加水率は低そうなのに細く均質に打ち上がっている。
汁は見事に出汁が効き、甘さをまるで感じさせない上品の味付け。
江戸蕎麦として、これ以上の質のものを出す店は多くないと思う。


御馳走様でした。

遠山記念館(3)  埼玉県比企郡

2014-04-19 22:52:57 | 古民家、庭園
多くの豪農の館に準じて、この邸宅の庭園は特別なお客のためだけに作られている。


庭園に立ち入るにはそれなりの構えの門を通過する必要がある。




私が知る範囲の豪農の館では、庭への門をくぐると母屋の脇に出る。
庭の景観は原則的に母屋側から眺めるように作られているからだろう。これは伝統的な古民家の文法のように思っていた。
しかし、遠山記念館はそれとは異なる造りになっている。庭への門をくぐって最初に目に入るのは中棟と西棟を庭の奥から眺めた姿である。
数歩進めば、庭の奥に設置された流れにかかる石橋となる。




中棟の広間から見る庭は芝が主体である。建物への日当りを良くする配慮があるのだろうが、それには西洋式の芝生のバックガーデンの影響が少し感じられる。

もしかすると、この邸宅の庭のもっともおもしろいところは正面に構えた池泉回遊式庭園ではないのかもしれない。




東棟と中棟の間は短い距離だが、建物自体はそれぞれ独立していて渡り廊下でつながれている。
渡り廊下の前には、建物で囲まれ限定された空間ができる。
東棟では、それを月見台に使っている。




中棟と西棟も同様に、渡り廊下で結ばれている。
西棟は茶室を基本とする造りである。


遠山記念館(2)  埼玉県比企郡

2014-04-15 22:17:53 | 古民家、庭園
遠山家の内装は、銘木を日本中から集めて見事な意匠をこらしている。


特に窓や欄間など光のからんだ処理は、絶品だと思う。




細工の細かさ、大胆さはやはり昭和の時代になってからの作なのだろう。


一番奥の12帖の欄間。正目の板を細工した。








それぞれの部屋や、廊下ごとに天井の意匠も驚く程の変化が付けられている。




遠山家には数多くの茶室が造られ、それぞれの空間が錯綜したりする。
この贅沢な館を使いこなすには、数ヶ月の期間を要するだろう。


遠山記念館(1)  埼玉県比企郡

2014-04-15 00:00:17 | 古民家、庭園
日興証券創立者の遠山元一の生家である。
一時、没落していた物を昭和11年に大変な規模で再現した。


昭和11年は、戦争突入直前で、規模の大きな個人の住宅を建てられるほとんど最後のタイミングであった。写真の東棟は、茅葺きの偽農家造り。白州次郎の武相荘と時代的な共通点を感じさせる。


正面から見れば素朴な古民家風の造りだが、少し脇に回れば洗練された格子の障子が作り込まれている。確かに、昭和の技術を取り入れた民家であろう。


中棟は瓦屋根の木造建築である。おそらく二階部分は私的な用途にあてられたのだろう。外部から見ても装飾的要素は多く素晴らしい姿だろうと思われるが、非公開。


中棟の18帖の床の間は庭とは反対側の家の奥の方に設けられていて、落ち着いた感じを出している。


おそらく、公用はこの中棟で処理されたのだろう。






西棟へは渡り廊下でつながっている。ほとんどの部屋が茶室だが、南側は8.5条、7帖と広めの茶室が雁行する。

上州やぶそば処 大島屋  群馬県山田郡大間々町

2014-04-10 22:13:59 | 蕎麦
北関東は蕎麦よりもうどん文化が繁栄している。基本はうどんなのだが、粉物を扱いなれた技のあるお店で、蕎麦を打つのはそれ程難しい事ではなかったのだろう。今では、関東北限に優れた蕎麦屋さんが数多く店を開いておられる。


こちら、大島屋さんは蕎麦の味を安定させたいと、15年前から自家栽培に取り組んでこられた。
江戸前蕎麦のように細すぎず、相当に鄙びた地域でしか味わえないような粉のうまさを満喫させてくれる蕎麦である。しかも、汁は甘辛身が強すぎなくて、蕎麦をどっぷりと浸けても蕎麦の味がしっかりと残る。
お店の構えには、特別な気負いは一切見られないが、蕎麦汁を入れた徳利の姿は素晴らしい。


こちらの二八蕎麦は500円。二段重ねで、その値段は非常にお得である。
これも15年間値上げされていないようだ(消費税増税後も変わらず)。


その相方を努めるとろろいもは400円。締めて900円のとろろ蕎麦は、随分とお得に思われる。


御馳走様でした。

鹿の川沼 桜の頃  群馬県

2014-04-09 23:27:32 | 自然
春になれば自然と桜の花を目にする。特別な名所の桜は見事だ。
しかし、そのように語られない名所が全国にいくつあることか。おそらく、この国に居住する人は誰しも心待ちにする桜の木の1本くらい、心の中に暖めているのではないだろうか。


鹿の川沼の由来については、実はほとんど把握していない。
たまたまB級県道を走っていたら、側方に満開の桜のもっこりとした姿を認め、訪れることにした、という縁である。どうやら足尾銅山の南に位置するらしい。




桜は不整形の沼にJの字型カーブを描く堤に植えられている。
桜の花は水の豊富な田圃に引き寄せられるような姿を見せる。


うを匠せん  神楽坂

2014-04-07 21:12:22 | 日本料理
神楽坂はこのところお店の入れ替わりが激しく、出来立ての黒塀が観光客の情緒をくすぐったり、新建の老舗がお客を集めたりしている。


屋根下の糊も乾かないうちに、などと要らぬことを言う必要はない。
実にコスト低く、お昼を提供してくれるのだから。それは実にありがたいことである。


数量限定の十菜膳を注文した。なかなか、種類が多く、それぞれの量は手ごろで食べやすい。


お造りはまあまあの鮮度。冬場の日本海ものには及ばないが、それを言うのは野暮というもの。




焼き物のサゴシはちょっと冷えていてパサついたが、天婦羅は熱々で十分に楽しめた。




華は、竹の子の瑞々しさと、茶碗蒸しの出汁にあった。


御馳走様でした。