蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

福井県  丸岡城

2007-05-07 20:51:03 | 古民家、庭園
丸岡城は、日本最古の木造城郭建築である。つまり、石垣を築いただけの砦のようなものは除き、一応それらしい屋根のある天守閣付きの城としては最古のものである、という事だ。


日本の多くの城郭は、関ヶ原の決戦の時、または明治維新の廃藩置県に伴い姿を消したものが多い。また、江戸城のように、その間の火事で失われたものもある。それらの危機を乗り越えて現存する城郭は、ごく限られる。


しかし、この丸岡城は実際に見てみると、何となく生き残った理由が分かるような感じがする。
まず、城郭としての規模が非常に小さい。これくらいの規模の城を守る軍勢なら、関ヶ原で東軍につこうが、西軍につこうが、大勢に影響は無かったように感じる。
明治維新の廃藩置県のときも、近くに悲劇的な最後を遂げた城がいろいろあるのだから、という理由で、城郭の取り壊しを免れたとしても、不思議はないように感じる。また、この地は永平寺がそびえる「信仰の地」であり、それも何か影響したような気もする。
そうやって明治維新をのりきり、さらには第二次大戦敗戦直前の福井空襲さえも逃れた丸岡城だが、敗戦の3年後に福井大震災であっさりと倒壊してしまう。現在の天守閣はそれを再建したもので、確か古材の使用率は70%と記されていた。それ程、高くはないのだ。


再建後は、一時公民館の分館として使われたと、記してあったと記憶しているが、これは実に不向きである。天守閣という建物は、一層ずつ急傾斜の梯子段でよじ登るようなものなので、子供や老人も使う可能性のある施設としては、最悪である。おそらく、戦後直ぐの極端な政策への対抗手段だったのであろう。どの時代、どの地域にも、頭の働くひとはいる、というように感じた。


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