古墳時代(6) ヤマト・タケル物語(2)、熊襲征伐へ
ヤマトタケルとはどんな人物なのでしょうか。
この物語は、小碓命(オウスノミコト)が父・景行天皇の命令を裏切った兄・大碓命(おおうすのみこと)を便所に入いるところを捕まえて、殺してしまったところから始めます。
兄はオオウスノミコト、弟はオウスノミコトです。間違わないようにしてください。
天皇はこの話を聞いてビックリ、「こんな気性の荒いミコトを傍においていては、どんなことがおこるかもしれない」と思い、「お前は、西の果ての九州に悪い熊襲がいる。
これから出かけて征服してまいれ・・・」と命じました。
オウス・ノミコトは、伊勢の叔母のヤマトヒメのところにお別れに行くと、女性の衣装と剣をくださいました。
ミコトは、日を重ねて、熊襲の住む九州に着きました。
その時、熊襲は新しくできた館のお祝いの準備のまっ最中でした。
いよいよ、お祝いの日になりました。
ミコトは、ヤマトヒメからもらった衣装を身につけ、乙女の姿に変装して宴会の出入りする女たちに混じって、首尾よくクマソ・タケルの館に入りこむことができました。
それとも知らず、クマソ・タケル兄弟は(ヤマト)タケルを傍に座らせ、やがて歌が始まりました。
宴会も最高潮に達したときでした。
(ヤマト)タケルは、まず兄のクマソ・タケルを一突きにし、そして逃げる弟のタケルの背中をつかむや剣を突きさしました。
弟のタケルは、苦しい息の下から「あなたはどなた様でしょうか・・・」と尋ねるので、ミコトは、「私はヤマトのミコトで、お前たちを征伐に来たのだ・・・」と名のると、彼は、「私より強いあなた様に私の名前のタケルをさしあげます。
今日からあなたは、ヤマト・タケルと名にのりなさい・・・」と言うのでした。
それを聞くや、ミコトはクマソ・タケルの弟を見事に切り殺し、これよりミコトは「ヤマト・タケル」と名のるようになりました。(no4758)