ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

播磨の地震(1) 草谷断層

2016-04-18 12:36:03 | 播磨の地震

 熊本の大震災の影響か「草谷断層」に対するアクセスが急増しています。

 再度、掲載することにします。

 なお、加古川地方の地震・津波については後日まとめて再掲する予定です。

   草谷断層

 上の地図をご覧ください。

 草谷断層は、山崎断層が三木市の方へ走り、そこから南へ向きを変えて伸びる山崎断層の一部であるといわれています。

 草谷断層は、三木市から稲美町を貫き、加古川市へ分布する断層で、東北東-西南西方向に延びており、右横ずれの断層です。

 もう少し詳細に言うと、この断層は稲美町内では野寺辺りから入ヶ池(にゅうがいけ)にかけて割れ、千波池(国岡)の南の岸から南西へ、そして加古川市平岡町へ伸びる断層です。

 草谷断層は、今後30年以内に動く確率は0%といわれており、当面は地震の心配の少ない断層です。

 でも、最近は想定外の事例が多すぎます。

 ☆あるHPに稲美町の池と草谷断層についての最悪のシナリオがありました。

 無断でお借りします。

 (文末を「です・ます調」に変えています)

  最悪のシナリオ 草谷断層動く!

 田植えを控えた五月中旬でした。

 稲美町の約九十のため池は、どこも満々と水をたたえています。

 普段は水利組合や自治会が適度な水位に管理しているが、はや梅雨本番を思わせる長雨が、一週間近くも続いていました。

 昼前、Hさん(41)は自分の田へと水を引く池で洪水吐(こうずいばけ)のようすを見ている時でした。

 大地がごう音とともに揺れ、たまらず倒れ込んだHさんが顔を上げると、約二百メートル先の高地の池の堤が引き裂さかれ、濁流が一気に迫ってきたのです。

 必死で電柱に登りました。

 足下を通過した濁流は勢いを増して約三キロ下流まで進み、集落を水びたしにしました。

 二時間後、町災害対策本部に入った情報では、町を貫く草谷断層が動いたとのことでした。

 「危険度0%」。住民の誰もが、断層についてそう思いこんでいました。

 だが、断層に近接したため池はほとんどが決壊し、国岡、森安など高台の地区を除き町の大部分が浸水したのです。

 町はまるで、大きな水たまりのようになってしまいました。

 〈追記〉

  稲美町は町面積の一割以上を占めるため池の危険度を示す地図を作って全戸配布しました。全国初の試みです。

  地図の作成に携わった明石工業高等専門学校の神田佳一教授は、「考えられる最も危険な状況から作ったが、想定外の地震や降雨も起こり得ます。ため池が決壊するかもしれない、という日常からの意識こそがその時に役立つ」と言われています。(no3184)

 *写真:草谷断層

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたの里通信誌(44) 日本の公的記録と地方資料(1)

2016-04-18 10:58:46 | わたの里通信誌

     日本の公的記録と地方資料(1) 

        「アーカイブス(記録資料館)」の現状  松岡資明 

  私は、現在は個人として活動をしておりますが、2015年1月まで日本経済新聞社文化部編集委員として、記録資料に関する報道をしてきました。

 記録資料とは、皆さんがテレビや新聞などでよく聞いたり、見かけたりする「アーカイブズ」という言葉を訳した日本語です。

 稲岡工業の資料については以前、神戸新聞の記事を読み大変興味深く思ったため、取材をして日経文化面の記事にした経緯があります。そのような縁で、稲岡工業文書保存会の方々を知りました。今回の講演は稲岡工業の資料に関するお話ではなく、日本の公的記録、つまり公文書と地域資料について概略をお話します。

 公文書の中でも、国(行政機関)にかかわる文書は現在、年間200万ファイルほど作られています。その中で、いわゆる中央官庁が作成する文書は15万ファイル前後。ほどんどは各省庁の地方支部分部局によるものです。

 2011年施行の公文書管理法によれば、行政機関は業務を進めるにあたって文書を作成しなければならず、保存期限を決めて適切に管理し、歴史的に重要と考えられる文書は公文書館に移管することになっています。

 毎年200万ほど作成され、保存・管理されている文書は、これまでに作成されたものすべてを合わせると約1500万ファイルに及び、大雑把に言うと7分の1に当たる年間200万のファイルが作成される一方でほぼ同数のファイルが保存期限を満了します。

 公文書の多くは作成して数年を経過するとほぼ使われなくなると言われています。これに関連して言うと、業務に実際に使用している文書を「現用文書」と称し、使わなくなった文書を「非現用文書」と称して区別しています。保存期限を満了して非現用となった文書の大半は「廃棄」となります。

 30年とか10年といった具合に予め決めた保存期限が満了しても引き続き使用する文書は「延長」の手続きをし、歴史的に重要と判断された文書は保存期間を満了すると公文書館など(外務省外交史料館、宮内庁公文書館を含む)に「移管」されることになっています。年間200万に及ぶ保存期限満了文書のうち90%以上は「廃棄」の対象です。

 一方、文書館に「移管」される文書はどうかと言うと、1%に満たないのが現実です。現在のところ、概ね0.5%前後というところでしょうか。諸外国の場合、移管率は2%から3%と言われており、日本はそれらに比べてかなり低い数字と言えます。数字が低いのは、公文書館の人員が少ないのが一因です。3000人近い米国は別格として欧州各国の公文書館には500人から700人の職員がいます。それに対し、日本では一ケタ少ない50人(定員)にとどまっています。

 日本で公文書管理法が制定されたのは2009年。諸外国に比べて大幅に後れました。フランスからは実に100年以上後れました。公文書の管理が後れていたのは国に限らず地方自治体でも同様で、諸外国に行くとごく普通にある公文書館を設置している日本の地方自治体は都道府県、市町村をすべてひっくるめても70を超える程度にすぎません。都道府県で約35、市町村もほぼ同じ程度ですが、このなかには9政令市が含まれていますから、人口数十万以下の市、町、村でみると、せいぜい1.5%強の自治体が設置しているだけです。(no3183)

 *写真:元日本経済新聞記者:松岡資明氏

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたの里通信誌(43) あいさつ

2016-04-18 09:34:50 | わたの里通信誌

 昨年、11月1日(日)、加古川西公民館大ホールで第2回「稲岡工業株式会社文書保存会」の講演会と活動報告会が開催されました。

 『わたの里通信誌(第2号)』は、その時の報告集です。

 ご感想をお待ちします。

 (*開催時期等の関係で一部かきかえがあります。ご了解ください)

   あいさつ 

      保存会代表  鹿 多 証 道

 高御位山を背景にそびえ立つ煙突は、綿産業・工業先駆けの象徴です。地域の「世界遺産」と呼びたくなるような風格があります。そのシンボルの下、思いを結集してくださる皆さまのお陰で、文書の整理作業も順調です。何より、専攻のお立場から指導・助言をいただく先生方に敬意と感謝を申し上げます。

 文書は産・工業だけに留まらず、地域の行政や文化振興、社会教育などに関わるものが少なくありません。膨大な量の整理には多くの手間と時間を要します。引き続きご理解とご協力をお願いするばかりです。

 稲岡鉄工株式会社には、資料の保存や作業に格別のお力添えをいただき感謝に堪えません。加古川市教育委員会、神戸新聞社、BAN-BANネットワークスのご後援にも改めてお礼申し上げ、尚一層のお支えを賜りたく存じます。

  綿産業の歴史を探る

      手助けとなる活動を 

   元稲岡工業株式会社社員 織 田 正 樹

 稲岡工業株式会社の創業は1891(明治24)年です。江戸時代後期に姫路藩が進めた「米・塩・綿」の三白行政の中で、神吉・志方地区は、木綿の一大生産地でありました。木綿問屋であった稲岡家は、タオルの製造に転換し「イカリタオル」の稲岡商店を創業しました。創業100年を迎えた、1991年頃からのバブル崩壊による個人消費の落ち込みに加え、市場では中国を初めとする東南アジアの安価な輸入商品が大半を占める様になり価格競争は激化しました。その後のリーマンショックの追い打ちもあり、稲岡工業は120余年の歴史を閉じました。

 私たちは、稲岡工業に残された文書を有効に活用し、地域の歴史や綿産業の歴史を探る手助けとなることを願い文書の保存を行っております。この文書保存の活動は、加古川市の「市民バックアップ補助金」と多くの賛同される皆さまの御厚意で支えられております。

 市民バックアップ補助金とは、加古川市を自分たちの手で素敵なまちにしたい。愛着と誇りを持ったふるさと加古川を次の世代に引き継いでいきたい。そんな思いを持った人たちが、市民主役のまちづくりを広める市民活動を手助けするために設けられた制度です。

 また、平成28年度には、加古川市により、放棄田を活用した「綿の里」を整備し、多くの人が綿花栽培や自然環境にふれあう機会を創出する事業が計画されております。

 賛同頂ける皆様のご参加をお待ちしております。(no3182)

 *写真:『わたの里通信誌(第2号)』   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする