樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

死後もお世話になる木

2007年08月17日 | 木と宗教
以前、死んでからお世話になる木として棺の話をしました。でも、死後にお世話になる木は棺だけではありません。あの世に行った後、遺族と接する窓口である位牌も木製です。
位牌にもいろんな種類があります。漆を塗った「塗り位牌」のほか、黒檀、紫檀、欅、花梨など木地をそのまま生かした位牌もあります。塗り位牌の材質は、ヒノキ、ヒメコマツ、ホオノキなど。

      
     (実家の仏壇には父の位牌と先祖代々の位牌が並んでいます)

昔は塗り位牌が主流でしたが、戦争中に金箔や漆が不足したためにケヤキを木地のまま使った位牌が使われるようになり、その後コクタンやシタン、カリンなどの唐木ものの位牌が作られるようになったそうです。また、関東では箱型のケヤキ仏壇が多いため、ケヤキやコクタン、カリンの位牌が多く、関西では塗り位牌が多いとか。
お盆に帰省した折、実家の仏壇を確認したところ、やはり塗り位牌でした。手に持つと意外なほど軽かったので、材質は多分ホオノキでしょう。
ネット上には位牌の通信販売もあり、10万円以上の豪華なものも並んでいます。当然ですが、申込フォームには戒名や没年月日の欄もあります。
日本人は昔から、生まれたら木製のタライで産湯をつかり、死んだら棺や位牌で木のお世話になってきました。日本の文化は木の文化とも言えますね。みなさん、死んでからもずーっと木とは縁が切れないんですよ。
コメント (4)
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