樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

セミが好きな樹

2007年08月15日 | 木と鳥・動物
先日、庭に水を撒いていたら、セミの大きな声が聞こえるので近づいてみると、エゴノキにアブラゼミが止まっていました。子どもみたいですが、自分ちの庭にセミがいるのが嬉しくて…。
その翌日、NHKの『ダーウィンが来た!』でアメリカの17年ゼミを放送していました。シカゴ周辺ではセミが17年に一度繁殖するとかで、街ではセミ歓迎のイベントが行われたり、70億匹ものセミがうるさくて電話も聞こえないなど大騒ぎ。驚いたのは、セミにチョコレートをつけてお菓子として食べていたこと。子どもが「チキンみたいで美味しいよ」と言ってました。

      
          (アブラゼミはサクラがお気に入り)

セミにも好きな樹とそうでない樹があるようなので、気になって少し調べてみました。ある調査では以下のような結果だったそうです。セミも日本人と同じで、サクラが好きみたいです。モミも多いですね。
●アブラゼミ…サクラ、ケヤキ、モミ
●クマゼミ…サクラ、ケヤキ、センダン、ホルトノキ
●ミンミンゼミ…サクラ、モミ
●ニイニイゼミ…サクラ、ケヤキ、エノキ、マツ、モミ
●ツクツクボウシ…アカメガシワ、モミ
●ハルゼミ…マツ、ヒマラヤスギ
ハルゼミと言えば、ミズナラの幹にだけ抜け殻がいっぱいくっついていたのを栃の森で見たことがあります。

      
        (カエデにはクマゼミがたくさん止まっていました)

散歩コースの大吉山で注意して聞いてみると、やはりサクラの下では大きな声がします。でも、樹勢の衰えたサクラからは聞こえません。繁殖が目的ですから、幼虫が樹液をたくさん吸える樹を選んでいるのでしょう。
また、北側のシイの純林では全くセミが鳴いていません。シイ類が嫌いなのかなと思いましたが、南側のコナラやカエデなどとの混交林のシイからは蝉時雨が聞こえます。一概に好きな樹・嫌いな樹というよりも、日光、温度、植生、樹勢などによって違うのではないでしょうか。
クワガタやカブトムシはクヌギが好きですし、昆虫と木の関係も面白そうですね。
コメント (4)
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