樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

街路樹の水

2007年08月27日 | 街路樹・庭木
昔、親戚の家族が10日間ほど海外旅行する留守の間、庭木の水遣りを頼まれたことがあります。今年のように暑い夏で、確か2日に1回のペースで水を撒いていたのですが、家族が帰国する頃には2~3本の樹の葉が茶色く変色してしまいました。原因は頻度よりも水の量だったかも知れません。「撒いた水の半分以上は蒸発する」と後で知りました。
そんな苦い経験があったので、今の家に庭を作って以来、夏には毎朝たっぷり水を撒いています。これがけっこう面倒で、夕立が降ると、「明日は水を撒かなくていい」とホッとします。

      

逆に、写真のような街路樹の根元を見ると、「こんな小さな面積でしか雨を受けられないのに、水は足りるのかな?」と思います。その疑問に少しだけ答えてくれる記事をある本で見つけました。
樹幹流(じゅかんりゅう)と言って、樹に降った雨のうち何割かは幹を伝って土に流れます。その割合は樹種によって違いますが、少ないもので5%、多いもので20%くらいの雨水が樹幹流になるとか。別の本では、ブナは樹幹流が多いので樹皮にコケや地衣類が付きやすいという記事を読んだ記憶があります。

           
          (ブナの幹はコケや地衣類が多いです)

しかも、幹を伝わって流れるうちにPH濃度を変化させるそうです。普通の樹はPHを高めて(つまり酸性をやや緩和して)土中に流し、スギやカラマツなどは逆にPHを低くして(酸性を強めて)流すということです。
そうだとしても、この猛暑の中ほとんど雨も降らないのに、街路樹はよく枯れずに立っていますね。雨が降っても、最大20%の水しか吸収できないんですよ。街路樹のために散水車が出動したという話も聞きませんし…。街路樹はたくましいな~、うちの庭木も見習ってほしいな~。

      
       (左がプラタナス。右のユリノキは白化していません)

先日、京都市のメインストリート・烏丸通りを走っていたら、プラタナスの葉が白く変色していました。「水不足で枯れかけている」と思って調べたら、プラタナスグンバイという虫のせいだそうです。6~7年前から各地のプラタナスが被害に遭っているようです。
コメント (2)
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