樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

遣隋使が植えた柳

2006年09月04日 | 伝説の樹
京都市のど真ん中に六角堂というお寺があります。正式名は頂法寺ですが、本堂が六角形なのでこの名があり、寺の前の通りを「六角通り」と呼んでいます。
ここに、遣隋使の小野妹子が植えた柳があるというので行ってきました。近くはよく通るのですが、境内に入ったのは初めてです。ここは生け花の池坊流の発祥の地でもあり、横には池坊会館が建っています。

      

607年に小野妹子が中国から持ち帰って植えたという話が残っていますが、何度か枯れたり、倒れたりしたしながら、挿し木や接ぎ木で植え継がれてきたのでしょう。大きい柳ですが、現在の樹齢は150年くらいと思われます。

          

案内板には、聖徳太子や桓武天皇にゆかりのあることや池坊発祥のことは説明されていますが、この柳の言い伝えは表示されておらず、「縁結びの柳」という看板が立ててあるのみ。「遣隋使が植えた柳」と言うよりも、恋愛成就の樹としてアピールした方が観光客や女性にアピールするということでしょうか。柳の枝にはたくさんのおみくじが結ばれていました。
江戸時代の記録には、「六角堂の柳は垣の外まで垂れている。この柳は中国の種だと言い伝えており、俗にシダレヤナギという樹の中でも特に枝の長い樹である」と書いてあるそうです。
シダレヤナギは中国から渡来した樹ですが、ひょっとするとこの六角堂の柳が日本初上陸だったのかも知れません。
コメント (2)
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