ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ハートと自然!…半田沼ダム

2022-05-26 17:52:31 | 福島(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は福島県伊達郡桑折町南半田(だてぐんこおりまちみなみはんだ)にある阿武隈川水系の半田沼ダムを訪れます。同ダムは半田沼自然公園の中にあるので、アクセスはリンク先の地図を参考にしてください。

さて、例によって地名が気になったので調べてみました。

【郡山そして桑折の由来】(参考)(参考)   
奈良時代の701年に「大宝律令」が制定され、地方行政の仕組みが国郡里制となります(その後715年には「国郡郷制」に変更)。そして国には国府(こくふ)、郡には郡衙(ぐんが)と呼ばれる役所が置かれ、国府には中央の上級役人が国司として派遣され、郡衙では地元の有力豪族が実権を握っていました。この地域、すなわち現在の福島県と宮城県、岩手県、青森県が「陸奥国(むつのくに)」と呼ばれ、陸奥国府は現在の宮城県多賀城市に設置。また、現在の郡山市、田村市、田村郡、安達郡が「安積郡(あさかぐん)」という区分だったようです。その安積郡衙(今でいう県庁みたいな役所)が置かれたあたり(現在の郡山市清水台)の地名が郡山(こおりやま)で、それが現在の郡山の起こりとなったようです。

桑折(こおり)の名称もそれに由来するようですが、地理的には安積郡衙とはだいぶ離れています。それに同じ読み方でありながら「郡」がなぜ「桑折」に変わったのか、どうも説得力に欠けます。で、別の説によると現在の桑折は昔は桑島(くわしま)と呼ばれていたが、阿武隈川の氾濫を避けるために諏訪明神の神託により桑折(くわおり)に改称したというもの。そして読み方も「くわおり」が音韻変化して「こおり」になったそうな。うーん、まだこちらの説のほうが説得力がある気がしますね。

半田沼に戻りましょう。まずはその景色をご覧ください。



でも、いきなりこんな景色は見えません。先にも書いたように半田沼は半田山自然公園内にあるので、



クルマは「桑折町半田山管理センター」の駐車場に停めて、そこから歩いて行きます。







管理センター前の駐車場。斜面に「半田山自然公園」と刈り込みたかったのでしょうが、実際には「半田山自……」とフェードアウトしています。おいおい、最後まで頑張れって(笑)



さて、おめあての半田沼に向かいます。通路にはこんな看板が!文言にセンスを感じませんか? まるで糸井重里みたいなキャッチコピー。





こんな道を進んでいきます。新緑が眩しい。



しばらく歩いて行くと右岸に到着します。これがダム上。



右岸側には洪水吐があります。越流式ですね。





そして、増水すると水はこの水路を通ってあちらへ流れてゆきます。



では、ダム上を歩きます。その中央から半田沼を見ると、こんな感じ。



半田沼の水は農業用水として使われているようです。



対岸(左岸)に来ました。といっても、あっという間の距離ですけどね。



下流側には「恵潤民」と題された石碑があります。これは半田新沼湖面低下工事記念碑(昭和29年建立)で、そこに記されている内容を要約するとこんなことが書いてあります。

半田村を始め伊達崎村、坂村桑折町等の水田は年々旱害を被り水不足のため米の減収は甚だしかった。殊に太平洋戦争の開始以来米穀の需要は急激に増加しその増産を期待されながらも水不足のため増収も増反も行ない得ない状態であった。ここにおいて半田新沼湖面低下による水源確保のことが論議され、昭和19年4月当時の村長奥山実之助氏等が率先奔走して湖面低下の調査方(ママ)を県に申請し、同21年漸くその調査に着手した結果県営事業として採択が下り、同22年2月より工事に着手。時恰(あたか)も終戦後の資材不足のためその調達を始め電力事情等も極めて悪く事業担当者の労苦は言語に絶するものがあった。しかし村長寺島智宏氏の陣頭指揮による奮闘と受益者の熱意と工事担当者の撓(たわ)まざる努力はこれらの悪条件見事に克服し昭和25年(1950年)11月三年有余の歳月を経て完成を見た。



…ということは、半田沼は昭和19年以前にはすでに存在していたことになります。そして湖面が低下してリニューアル工事を行なったのでその名称は「半田新沼」と刻まれているのかもしれませんね。一応案内板の名称は「半田沼」なのでそれに従います。

半田沼のことを色々調べていたら、興味深い記事をみつけました。標高863mある半田山山頂付近から半田沼を見るとハート形になっているというんです。ただし、これが見られるのは農閑期である11月から翌年の5月までだそうな。上にも書いたように半田沼の水は農業用水として使用されるので農閑期の水を使用しない時期だと半田沼の水位が上がり、こんな風に見えるんだとか。へぇ〜、ハートレイク。偶然にできたとはいえオシャレやん!(参考
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