ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

笑へる国民性

2004-08-26 17:31:14 | 脳みその日常
アテネ・オリンピックも、あと少し。
いやー、わが国民の「居直り」精神には、つくづく脱帽するわ。
というより、過去の言動をあっという間に忘れる楽天家の集まりというべきか。

前評判では、金メダルが確実視されていたにもかかわらず、実際には取れなかった。
選手だって、当然メダルが取れるものと思っていただろう。
ところが、競技終了後の選手のリアクションは驚くばかり。
「メダルの色がどうこうじゃないんです。結果はどうでもいいんです」だと?
おいおい、負け惜しみか? それって…
競技を見守り、報道するほうの発言にもあきれる。
「結果はともかく、日本チームは健闘しましたね」だ?
こらっ、お前らはオリンピック前にはあれほど金メダルだと煽っておきながら、いきなり手のひらを返すんかい !

たとえば、野球の例がそれだ。
競技前には、こんな報道が大勢を占めていた。
「いわばドリーム・チームみたいなもんですから、金メダルの確率は高いでしょう」
そう、確かに楽観的な見方をしていた。
野球において、ここまで楽観的でいられたのは、日本特有の精神論と関係していたからよ。
それは、次の構図でもわかる。

日本チームは、ミスターの指導のもとに結成され、固い絆で結ばれている。
ミスターは、我が国の誇れる野球人である。
そんな人が監督をするのだから負けるハズがない。


でも、負けちゃった。
あのね、どこの国にも「国民の英雄」と称される人物はいるさ。
でも、だからといって「英雄」をお守りにするのはどうかねえ。
別に、ワシはミスターを評価していないわけじゃない。
要するに、日本人の、根拠のない盲信に疑問をもつだけなのだよ。

それにしても、オール・プロによるメンバーなのに弱過ぎだよな。
オーストラリア・チームに2度も負けるし…
たとえば、アメリカのバスケット・チームがNBAのスターを集めて作った「ドリーム・チーム」。
これを思い出せは、その違いは一目瞭然。
他国チームのプレイが、まるで子供みたいだったもんな。
つまりはだ、プロというのはそういうプレイをするはずのものなのだ。
安心して見ていられるプレイをする。
それがプロなんじゃないのかね。

あるコメンテーターが抜かしていたな。
「これで、日本チームの存在が世界に知られるようになりましたね」って。
これは、もちろん能天気な発言に決まっている。
バカもの ! どこまでお気楽なんだよ !
やっとこさっとこ頑張った結果が銅メダルなんだぞ。
ため息が出そうなほどスマートなプレイをして金メダルなら、話は別だけどな。

今回のような結果を見て思うのは、日本の野球もまだまだだなということ。
確かに、メジャー・リーグで日本人プレーヤーは、目の覚めるような活躍をしている。
しかし、だからといって日本のプロ野球のレベルもそうだというわけじゃない。
何か、勘違いをしている気がしてならないのだ。

「井の中の蛙、大海を知らず」という諺がある。
報道の仕方もそうだが、「世界の中心は日本だ」というような錯覚を起こしている。
いや、中心とまでは思っていないにせよ、過剰なまでに優れた民族のように思っているふしがある。
どんな民族だって同じ人間なんだから、大した違いなんてないのにねえ。
なのに、マスゴミも国民も、負けについてやたらとフォローしたがる。
勝者を褒め称えるのを忘れて…ったく、うつわが小せえな。
こっちは負けたんだから、意味のないポジティブな言い訳なんていらないんだよ。
黙って帰ってくればいいのだ。
そして、こっそり悔し泣きすればよい。
自分たちの優越意識が、いかに空しく意味のないものであるかを思って…

国民だってそうだぞ。
負けて帰ってきた選手たちを、ただ「おーヨチヨチ」と慰めてたったダメ。
「ハイハイ、ボクちゃんは悪くないのよー」って、アホか、まったく。
負けは負けなのぢゃ。
素直に負けを認め、勝った者を称える。
それこそが、懐の広い人間のあり方なんじゃないですかね。

とはいえ、ワシは、そんな生温い考え方をする日本が好きなのだが(笑)
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