ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

聴衆いろいろ

2005-10-21 06:27:50 | 音楽あれこれ
仕事柄いろいろなジャンルの演奏会へ行く。長年続けていると興味深いことに気づく。音楽にジャンルがあるように、その聴衆もジャンル分けできる。要するに、同じ演奏形態の演奏会には類似する聴衆が集まるということだ。

一番お行儀良く、静かに演奏を聴くのはピアノ・リサイタルに来る人たち。彼らは自分でも演奏するからなのか、とにかくじっと耳を澄ませて聴く人がほとんどだ。室内楽の演奏会の聴衆も、どちらかといえばこれに近い。

管楽器や打楽器のコンサートには学生の来る割合が多いように思う。仲間が出演するから来ているのだろうか。そのせいか知らないが、この種の演奏会の聴衆の服装は一番ラフである。夏ならランニングに短パン、そしてサンダルという奴も少なくない。別に彼らがステージに上がるわけじゃないからどんな格好をしていても構わないけれど。ま、どちらかといえば、この類いの雰囲気はロックやジャズのコンサートに近いかもしれない。

もっとも、ヘヴィ・メタなんかのコンサートに行けばそれはそれで独特の雰囲気がある。そこへ来るオーディエンス(←なぜか知らないが、この類いの雑誌ではこう表現する傾向にある)の多くは、逆に「いつでもステージに上がれるぜ!」ってな具合。チェーンをジャラジャラと腰から下げ、鋲の打ち込まれたレザーといったイデタチだったりする。

パンクの場合だったら、頭髪をトサカというか槍のようにした連中が客席でトチ狂っていたりするから愉快。観客なのにまるでプレイヤーのよう。ま、彼らは自己満足でそういう格好をしているのだろうから、見ていて本当に微笑ましい。

クラシックに話を戻そう。開演時間に最もルーズなのは声楽関係の演奏会に来る聴衆である。もう、とっくに演奏が始まっているというのに、あとからあとからゾロゾロと会場に入ってくる。それぞれの事情はあるにせよ、「コイツら、何だよ」という感じだ。また、遅刻してきたくせに服装が派手だったりするものだから、目立つ、目立つ。もうね、苦笑を禁じ得ないわけですよ。ま、声楽をやる人って往々にして目立ちたがりが多いし、そうした資質がなければ声楽家なんてやれないだろうから別にいいけどさ。

これとは逆に、真面目で地味な聴衆といえば古楽器の演奏会に来る人たち。演奏される音楽そのものが他と比べて地味なせいか、お客も「類は友を呼ぶ」ように目立たない服装になるのかもしれない。ちょっと悪く言えばビンボー臭い格好の人も多いけどね。

こうしてみると、それぞれのジャンルの演奏会には特定の人々が集まる傾向にあることがわかる。逆に言えば、いろいろな音楽があるのに彼らは特定のものしか聴かないということでもある。もちろん、どんな音楽を聴くのかは人それぞれだから構わないし、否定もしない。

ただ思うのは、いろんな演奏会に顔を出しているワシはきっとどの演奏会でも「異質な存在」に見えるのだろうなということ。ヘヴィ・メタであろうと、ピアノだろうと、いつも同じ格好で聴いているし…。もっとも、最近では時間がなくてクラシック以外のコンサートには行ってないけど。
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